皆さん、服、着てますか。
日本では裸でウロウロするのは違法なので、皆なんらかの服を着ていることと思う。今回は、抑鬱とADHDを抱えたわたしの服の選び方について書いていこうと思います。以下に提示するのは、わたしが個人的に実践している、服選びの基準である。具体的には、これに当てはまる服はなるべく買わない、というNG条件を列挙していく。
とはいえ、服の選択というものは、個人差が非常に大きい営みだ。服にどれくらいリソースを割くことができるかは、各自の身体的・経済的・社会的状況に大きく左右される。人それぞれ好みや似合うテイストも違う。わたし個人の私的な「好み」や「似合うアイテム」を列挙したところで、情報として汎用性は低いだろう。しかし、わたしの服のチョイス自体は私的なものだが、その選択の裏には必ず、「抑鬱とADHDとともに生きる障害者として、この服で快適に生活できるか」という視点に裏打ちされた判断基準があります。どの服も、「なんとなく」チョイスしたものは一つもないと断言できる。「健常でない」わたしでもうまく扱えるかどうかを慎重に検討した上で購入するようにしています(お金もないことだし)。そうやって常に頭を働かせないと快適に生きられないのが、マイノリティの生きづらさの本質だ。これは、発達障害者に限らず誰もが、おのれのマイノリティ性において大なり小なり感じた経験があることと思う(マイノリティ要素をひとつも持っていない人はいないと思います)。
今回の記事に記す「服選びの条件」は、服の表面的なテイストなどに左右されない、わたし個人にとっての根本的な購買基準だ。もし将来わたしの服の好みがガラッと変わっても、ある程度は有効だと思う。
では、やっていきます。
【補足1】
筆者であるわたしはテストステロン投与(男性ホルモン治療)を受けているものの、女性の境遇で生活しており、社会的な性別移行は経験していない。服もレディース分類の服のほうが好きなので、どちらかというとレディースファッション寄りの話になります。とはいえジェンダー問わず通じる部分もあると思う。
【補足2】
この記事は、2019年9月に公開した過去記事「ADHDに向かない服の素材・デザインまとめ。精神的コストの低いファッションを試みる」を再構成したものです。過去記事に含まれる要素はそのままに、新たな知見を追加しているので、すでに読んでくださった方もぜひお読みください。続編ではないので、過去記事を読み返す必要はありません。
- ADHDに向かない素材の服 ~維持管理コストの観点から~
- ADHDに向かない色・デザインの服 ~着用中のストレスの観点から~
- ADHDに向かない種類の服 ~感覚過敏の観点から~
- 総括
- 靴下の選び方
- バッグの選び方
- ADHDにおすすめのファッションブランド
- トランス男性・ノンバイナリーにおすすめのファッションブランド
- 試着のコツ
- 【2024.7.12 追記】#レディース服にポケットを 署名活動にご協力ください
ADHDに向かない素材の服 ~維持管理コストの観点から~
まずは、服の素材について。日常生活にかかるコストをなるべく削減したい人間には向かない素材を挙げていく。
NG服① 家庭の洗濯機で洗濯できない
大前提として、洗濯機で水洗いできないものは買いません。
服屋で気になる服を見つけたら、まずは素材と洗濯タグを確認するようにしている。ちなみに服のタグは、着用者から見て左側にあります。日本の服でも海外の服でも。
手洗い推奨の素材は、おしゃれ着用洗剤を使ってソフトモードかドライモードで洗濯してしまえば案外いける。洗濯ネットに入れたらなおいいが、素材によっては入れるのを忘れてもなんとかなる。
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一般的に手洗いが推奨されているブラジャーも、わたしはネットに入れて洗濯機で洗濯していた(後述するように今はブラジャー自体を撤廃しているので、昔の話です)。
過去記事に関するこのツイートが地味にRTされている。みんなやっぱ手洗いとか嫌だよね。
一番声を大にして言いたいところ pic.twitter.com/Tgl32SYxgg
— 呉樹直己 (@GJOshpink) 2019年9月24日
市場には「洗濯機で洗えるブラジャー」もちゃんと存在していますけど、そもそも「洗濯機で洗えない下着」などという欠陥商品が大手を振って流通しているのがおかしいと思います。ブラっつったって、要は下着ですよ下着。トランクスとかと、根本的には同じものです。清潔な下着を着用することは、人間の尊厳の基本でしょう。そこを無駄にハードル高くしてどうする。
男尊女卑社会は、女性と見なされる者の不便感を軽視する傾向にあるから、これもその表れだと思います。月経用品の進化の遅さ然り、避妊方法の選択肢の少なさ然り。あまり消費者をなめないでいただきたい。
話が逸れた。洗濯機で洗えない服の話に戻る。
例外はアウターです。肌に直接触れる面積が極めて少ない服は、洗濯機洗濯ができなくても買います。
NG服② アイロンをかけないとだらしなく見えてしまう素材
固いコットンやリネンなどがこれにあたる。コットンでも、柔らかい質感のものは除きます。固いコットンは、シワが残りやすい。
素材をよく見て、思考コストの先払いをしながら適切に買い物すれば、アイロンはおおむね不要です。スーツ用シャツなんかも、ノーアイロン素材を選んで柔軟剤を入れたらオールオッケー。
アトピーのある敏感肌なので、柔軟剤は多用しない。感覚過敏的にも強い香りは苦手。
NG服③ ニット
洗濯は日陰で平干しだとか、吊り収納NGだとか、維持管理コストが高すぎる。ホコリもつきやすい。個人的にはそこまでして着たいとは思わないので、一時期は1枚も持っていなかった。今はルールを緩和して、相当気に入ったときだけ慎重に買っています。わたしは服が大好きな着道楽なので好みを優先することもあるが、服にこだわりがなくて服に割くコストを削減したい人はニット全廃でもいいのではないだろうか。
NG服④ レーヨン100%、キュプラ100%、リヨセル100%、テンセル100%
レーヨンやキュプラなどの再生繊維は、水に弱い(服なのに!)、シワになりやすい、すぐ縮む、摩擦に弱い、汚れに弱いなど、普段着としてはなにもいいことがありません。完全に回避するのは難しいが、なるべく避けるようにしています。
このH&Mのワイドパンツは88%がレーヨンだが、激安で色柄が好みだったので、長持ちはしないことを覚悟して購入したものです。実は中央にタック(布をつまんだヒダ)が入っていたのですが、なんと1回の洗濯でタックが完全に取れてしまった。下は1回洗濯したあとの写真です。タックパンツの片鱗もない。
NG服⑤ モヘア
毛足の長い毛繊維のこと。ニットなどによく使われている。
モフモフで手触りがいいが、抜け毛がめちゃくちゃ飛びます。モヘアのカーディガンを着ていたことがあるが、トップスがホコリまみれになってしまった。
※これはあくまで、わたしが買ったことがある価格帯のモヘアの話なので、高級なモヘアはそうではないのかもしれません。全項目、富豪ではないわたしが買ったことのある価格帯の服の話をしているので、それを念頭に置いて読んでください。
NG服⑥ ファー
抜け毛を撒き散らす。エコファーもリアルファーも、抜け毛からは逃れられない。
※これはあくまで、わたしが買ったことがある価格帯のファーの話なので、高級なファーはそうではないのかもしれません。
NG服⑦ ベロア、別珍、ベルベット
毛足が長めの、ビロードみたいな光沢のある生地のこと。
昔着ていたSimpliciteのベロアのワイドパンツと、H&Mのベロアのワンピース。独特の艶感が特徴的。
高級感があってカッコいいんですが、とにかくホコリが付着しやすい。高級感があっても、ホコリまみれでは台無しである。ワンピースやワイドパンツなど、広い面積で使うのはわたしは諦めました。
NG服⑧ タイツ、ストッキング
あまりにも生地が脆弱。そんな欠陥商品が、女性と見なされるスーツ着用者に強制されている不条理。あまり消費者をなめないでいただきたい案件パート2です。
とはいえ、仕事などの都合で着用せざるを得ない人も多いでしょう。わたしがスーツ必須のバイトをしていたときは、ニーハイストッキングを使っていました。トイレの際に上げ下げしなくて済むだけでだいぶ精神的に楽。
ショーツ部分がないサスペンダーストッキングもおすすめ。ちょっとヘンテコな見た目だけど。こちらもトイレの際に上げ下げしなくて済む。
ニーハイも、股部分がないストッキングも、フェティッシュグッズと思われがちだが、立派な実用品である。堂々と履いていこう。
NG服⑨ ポリウレタンの混紡量が多い、ポリウレタンでコーティングされている
ポリウレタンはその性質上、加水分解によって激しく経年劣化する。寿命はおおむね、製造後3年前後と言われています。購入してから3年ではなく、製造されてから3年なので、家庭で綺麗に維持できる期間はもっと短い。完全に回避するのは難しいので、価格や質と相談しながら選ぶことにしている。
海外のブランドだと「スパンデックス (Spandex)」と表記されていることがあるが、同じものです。
ADHDに向かない色・デザインの服 ~着用中のストレスの観点から~
次は、ADHDには向かないと思う色とデザインについて書いていきます。着用中にストレスなく着られるかどうかを考察していく。
NG服⑩ 薄い色
白などの薄い色の服はなるべく買わないようにしている。トップスは食べカスの付着、ボトムスは万一の経血染みを警戒しているからです(わたしは現在テストステロン投与の影響で月経はおおむね停止しているが、稀に少量の出血がある)。日常生活を送りつつ汚さないようにことさらに注意を払うという、精神的なマルチタスクは避けたい。
色の選択肢をかなり狭めることになるので、万人に可能な決断ではないと思います。仕事の都合で薄い色のシャツやブラウスが必須な人も多いことと思う。
NG服⑪ ポケットがない
ADHDにとって、アウターとボトムスはポケット必須です。
世の中には、ポケットのない服が予想以上に多い。とりわけレディース分類の服は、ポケットがなかったり、あったとしても極端に浅かったり小さかったりする。これは本当に由々しき事態だと思う。あまり消費者をなめないでいただきたい案件パート3です。
レディース服のポケット問題は、ネットでも定期的に話題になっている。その中でたまに見かける意見に、鞄を持ち歩けばポケットは要らないのでは? ポケットにものを詰め込むと服のシルエットが崩れて不格好では? というものがある。もっともではあるのですが、それでもわたしは服にはポケットが欲しい。
わたし個人の実感ですが、べつに鞄を持たずにポケットにものを詰め込んで外出したいわけではありません(したい人はそうすればいいと思うが。最低限身体が覆われてさえいれば、シルエットが崩れていようが個人の勝手である)。常にポケットにものを常駐させたいわけではない。ただ、ちょっとしたタイミングで小物をしまうポケットがあると日常生活のパニック要因が減って助かるのです。
わたしは、常に頭の中で思考の渦が回転しているタイプのADHDである。過集中の傾向も強いので、意識の切り替えが苦手だ。だから、レジでの俊敏な動きとかが鬼門になってくるのです。たとえば、丸亀製麺とかのセルフの飲食店でのお会計。お釣りをもらった直後に、両手でお盆を持って席を探す動作を開始しなければならないシチュエーション。わたしは、こんなときに、お釣りを財布に迅速にしまうことができないのです。なぜできない? と問われたとしても、できんものはできん。こういうときは、もらったお釣りを即ポケットに突っ込んで、速やかにお盆を持ち上げてレジを離れるようにしています。ぐずぐずしていると後ろがつかえてしまう。席についてからゆっくり財布に小銭をしまう。
もう一つ例を挙げると、自転車の駐輪券。なにか別のことに集中しながら駐輪券を発行してしまうと、財布にしまうのを忘れることがある。そんなときに、無意識にしまえるポケットがあれば、少なくとも落としてしまうのは避けられます。
長々と具体例を書いたが、うまく伝わっただろうか。集中力の切り替えを苦手とする人間にとっては、中継場所としてのちょっとした空間が日常生活を支えてくれる、という話です。ポケットの有無なんか些細なことかもしれないが、ADHDは些細なことの積み重ねに日々殺されかけているのだ。
だからわたしは、ポケットの有無は必ずチェックします。たまに、ポケットの蓋(フラップ)や縫い目が装飾としてくっついているだけのフェイクポケットに出くわしたりもするので、必ず手を突っ込んで確かめましょう。あと、ネットショップはポケットの有無で服を絞り込めるようにしてほしいです。
なお、レディース分類の服の場合、ポケットつきのボトムしか買わないということは、必然的にスカートとワンピースの大半を諦めるということになる。だからこれも、万人に可能な選択肢ではないと思います。自分の着たいテイストなどと相談してください。わたしは数年前に、スカートを諦めるほうを選びました。
購入に至った数少ないワンピースの一つであるZARAのミニワンピは、両脇にポケットがついている。本当に珍しい。ZARAを不買していなかったころに買いました。
NG服⑫ オールインワン
つなぎ型の服。サロペット、オーバーオールとも。
こういうやつね。
トイレに行くときに全脱ぎしなければならないのが負担なので、避けることにしています。
NG服⑬ 高価な帽子・手袋・傘・アクセサリー
身体から離れるものにはお金はかけないことにしています。どうせ失くしてしまうから。最初から安物で揃えておけば、失くしたときの精神的ダメージが少なくて済みます。「高価」というのが具体的にいくらなのかは、各自の経済状況によって違うだろう。
雨傘は500円程度のビニール傘しか使わないと割り切るのがおすすめ。
手袋は絶対にタッチパネル対応のものにすること。もしくは思い切って指ぬき手袋。
なお、アクセサリーに関しては外出先で着脱するわけではないので、アクセサリーが好きなのであれば多少はお金をかけてもいいかもしれない。また、安いアクセサリーは低品質の合金が使われていることが多く、汗などに溶け出すと金属アレルギー発症のトリガーになりやすい。安物を買うにしても、最低限ステンレスやニッケルフリーのものにしたほうがいいかもしれない。
ADHD流のアクセサリーの選び方については、過去記事で詳しく解説しています。
腕時計も、なくす可能性は低いと思うのなら多少はお金をかけてもいいかもしれない。個々人の性質と相談である。ADHD流の腕時計の選び方についてはこちらから。
ADHDに向かない種類の服 ~感覚過敏の観点から~
わたしは感覚過敏の傾向を有しており、一般的には些細とされる身体的な不快感を強く感じやすい。発達障害者にはよくあることだ(わたしは軽度なほうだと思われる。もっと酷い人はアクセサリーなど一切つけられないし、メイクも受けつけないと聞きます)。
以下では、感覚過敏を考慮して避けている服を挙げていきます。
NG服⑭ ハイネック、タートルネック
首が圧迫されるのが本当に無理。パニックになる。スカーフやマフラー、チョーカーもつけられません。
個人的には、ハイネックどころか、デコルテより上に襟元がくるクルーネックすらも圧迫感を感じるので、襟元は深く開いているほど嬉しいです。
昔どうしても欲しくなって買ってしまったcawaiiのセーター。タートルネックと、ラメ感を表現するための金属繊維のコンボで首の周りがチクチクして、とても着ていられなかった。
NG服⑮ レースのインナー、化学繊維のインナー
こちらも、ムズムズするので着られません。
化学繊維は、特にユニクロのエアリズムとヒートテックがだめ。短時間だったら着られないこともないんですが、着っぱなしは無理です。無駄毛の処理をした直後とかは特に、痛みに近い痛痒感に襲われる。これは感覚過敏のせいというよりも、わたしがアトピーあり敏感肌であることの影響が強いと思われます。
夏のインナーは、グンゼのタンクトップをまとめ買いしている。コットン100%。
冬の発熱インナーは、ベルメゾンのホットコット。コットン95%・ポリウレタン5%。
ショーツはグンゼのレギュラーショーツをまとめ買いしてる。レースもリボンもついていないコットン100%の黒無地しか履きたくない。
なお、クロッチ(股布)がリブやパイルになっているショーツは、ショーツライナーやナプキンがくっつきにくいので避けている。
ショーツとブラジャーがセットであることにはこだわりません。個人的には、高いショーツを長く使うよりも、安物をどんどん買い替えて常に新しいものを身に着けるほうが好きです。
余談だが、経血の染みはオキシドールをぶっかけると化学反応ですっきり落ちます。コンタクトレンズの洗浄液でも落ちるらしい(わたしはコンタクトをしていないので未確認情報です)。
NG服⑯ 締めつけるインナー
少しでも締めつけられるとすぐ気分が悪くなってしまう。必然的に、綺麗に着るためには補正下着を必要とするようなタイトな服も諦めています。
ワイヤー入りのブラジャーも諦めた(わたしが痩せ型の平胴で、ワイヤーが食い込みやすい体型なのも関係している)。ワイヤレスブラをいくつか試して、一時期はスロギーのハーフトップ綿混タイプを愛用していた。「若いときにワイヤレスやブラトップばかり着ていると将来胸の形が崩れて後悔するよ」とかよく聞くけど、後悔するとしても、わたしという人間にはそれしか選択肢がないのだよ。わたしがブラジャーに求めるのは、身動きしたときに胸が振り回されて痛くならないことと、乳首がトップスに浮き出ないことだけだ(これとて浮き出たらなぜいけないのかという話ですが、余計な精神的負担は避けたいので世間一般の通念に従っている)。ダサピンク的なデザインも不要です。
スロギーは、わたしはバストD75でMサイズを着用していた。
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なお現在は、スロギーすらも撤廃してニプレスを愛用している。
ニプレスについては過去記事でも詳しく解説しています。
ちなみに乳房の下垂についてだが、下垂が強いと乳房切除術(胸オペ)を受けるときに術式が制限されて傷が大きくなる可能性があることは付記しておく。胸オペを受ける予定がある人はニプレスにしないほうがいいかもしれません。
総括
以上、全16項目。
結論だけまとめて書き出すと、以下のようになる。
服のNG条件
①家庭の洗濯機で洗濯できない(アウターは除く)
②アイロンをかけないとだらしなく見えてしまう素材
③ニット
④レーヨン・キュプラ・リヨセル・テンセル100%
⑤モヘア
⑥ファー
⑦ベロア、別珍、ベルベット
⑧タイツ、ストッキング
⑨ポリウレタンの混紡量が多い、ポリウレタンでコーティングされている
⑩薄い色(とくにボトム)
⑪ポケットがないボトムとアウター
⑫オールインワン
⑬高額な帽子・手袋・傘・アクセサリー
⑭ハイネック、タートルネック
⑮レースのインナー、化学繊維のインナー
⑯締めつけるインナー
服を選ぶときは、以上のNG条件に引っかかっていないか、頭の中でチェックして買うようにしています。参考になりそうな部分があったら参考にしてください。
以下、補足情報やお役ち情報のまとめです。
靴下の選び方
上記項目では触れられなかった靴下の選び方については過去記事をご覧ください。同じ形の黒無地をまとめ買いするのが最強という話をしています。
バッグの選び方
バッグの選び方と中身の運用方法も、過去記事に詳しく書いています。
ADHDにおすすめのファッションブランド
Pinup Closet(ピンナップクローゼット)
元鈴木さんという起業家が始めたブランドで、大企業が多様な体型のモデルを使うようになる前からリアルサイズ・プラスサイズモデルを積極的に起用していた。元鈴木さんはADHD当事者であり、すべてのボトムスとアウターに500ミリリットルペットボトルが入る深いポケットがついている。フェミニンなスタイルを好む人におすすめです。
🌹マジョリカワンピース🌹
— CINEMATIQ (@_Cinematiq) 2023年6月28日
スタイルアップが狙えると大人気のマジョリカが、袖丈が長くなり通気性がアップして帰ってきました✨サラッとしたチェック柄のシアー生地は、洗えてシワになりにくく裏地つき。前後で着られる2way。夏も涼しく過ごせます。もちろん500mlボトルが入るマジカルポケット付き! pic.twitter.com/hXUJEJNJbM
わたしはクラシカルシフォンパンツ Lサイズを愛用している。裏地つきなのでショーツに響きにくく、黒色なので万一の経血漏れも目立ちにくい。日常使いにぴったりだ。
楽天にも公式ショップがあります。
[rakuten:pinupcloset:10000017:detail]
なお、ADHDフレンドリーでいいブランドではあるのだが、安いだけあって品質は玉石混交が激しいらしく、買うのなら「ピンナップクローゼット 縫製」「ピンナップクローゼット 毛玉」「ピンナップクローゼット 不誠実」などでTwitterの口コミを調べてから買うのをおすすめする。わたしのワイドパンツも、飾りボタンが1カ月経たずにほつれて取れた。個人的には飾りボタンはないほうがいいと思っていたのでこれ幸いと引きちぎったが。
諸々、オンラインショッピングに慣れている人向けのブランドではあるので注意してください。
トランス男性・ノンバイナリーにおすすめのファッションブランド
OPT(オプト)
「メンズの服はXSでもサイズが小さい」
— 下山田 志帆 (@smymd125) 2023年8月5日
「骨盤の太さに合わせると、丈が長くなってしまう」
「洋服を選ぶときは、いつも何かを妥協していた」
日本初、トランス男性・ノンバイナリー・マスキュリンなものが自分に合う人のためのアパレルブランド『OPT apparel 』を、先月スタートしました。… pic.twitter.com/b6GXAIPKxg
OPTは、公式サイトによると「日本初となるトランス男性・ノンバイナリー・マスキュリンな服が自分に合うと感じる人たちのためのアパレルブランド」。既製服が身体的・精神的な理由で合わないと感じる多様な男性やノンバイナリーのために、安心して着られるアパレルを提供するブランドである。代表を務めるのはノンバイナリーで現役サッカー選手の下山田志帆さんと、トランス男性で元サッカー選手の内山穂南さん。2023年9月現在、ラインナップはベーシックなTシャツとセットアップスーツのみだが、応援の気持ちを込めて紹介しておく。
OPT apparelのファーストプロダクト、Tシャツ『UCHI』。
— 下山田 志帆 (@smymd125) 2023年8月7日
・首元を詰めているのでブラやナベシャツが見えない
・腰回りの曲線が出ない短めの着丈とスリット
・ブラやナベシャツが透けない独自の二重構造
・肩幅は狭めのつくりに
・ストンと落ちるボックス型のシルエット… pic.twitter.com/gYbENMpDSB
アンダーウェアラインのOPT underwearではニュートラルなデザインのボクサーパンツやボクサーパンツ型の吸水ショーツも展開。
わたしはテーラードジャケットを購入しています。OPTのポップアップストアに行ったときのレポは過去記事からどうぞ。
試着のコツ
そもそも、服の店に行くのが苦痛な人もいるだろう。新しい服を買うときの試着のコツについてはこちら。
以上、わたしが考える、精神的コストの低いファッションを試みるコツでした。
当たり前だが、これまで書いてきた内容はすべてのADHDに有効なわけではない。他者に押しつけているわけでもない。この記事を叩き台として、各自おのれの服を見直したり、インターネットに知見を共有したりするきっかけになれば嬉しいです。
【2024.7.12 追記】#レディース服にポケットを 署名活動にご協力ください
NG条件の項目で触れたように、レディース分類のボトムスとアウターはポケットがないものが多い。また、ポケットがあったとしても、メンズ分類の服よりもポケットが浅くてスマホすら満足に入らなかったり、実際にものを入れることはできないフェイクポケットデザインだったりすることも珍しくない。さらに、十分実用的なポケットがついていたとしても、オンラインショップの商品説明欄にポケットの有無が記載されていることは稀であるし、ポケットありの服を絞り込み検索することもできない。つまり現状、服にポケットが少ない/あっても実用性が低いという問題と、ポケットのある服を見つけるための導線が整備されていないという問題が二重のハードルとなって、レディース服ユーザーは「ポケットあり」の選択肢を選びにくいのだ。
そこで、この問題を改善に向かわせるために立ち上がったのが、 #レディース服にポケットを 署名運動である。わたしはメンバーの一人として携わっている。
このオンライン署名は、A-live connect代表/みらい館大明ブックカフェコーディネーターの卜沢彩子さんを発起人として、ユーザーの声をアパレル大手4社(ZOZOTOWN・Rakuten Fashion・ユニクロ・メルカリ)に提出し、業界全体としてレディース服のポケット問題の改善を求めるものになる。活動主旨は上記署名ページにまとまっているので、レディース服ポケット少ない問題に「あるある!」と思ったことがある方はぜひご一読ください! 2024年7月現在、まだまだ署名募集中です。
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当ブログのファッションに関する記事はすべて、ここまで書いてきたような発想に基づいて書かれているので、個別の試行錯誤はいわば「実践編」として読むことができます。ご興味あればご覧ください。