冬ですね。冬至を過ぎて多少日が長くなったとはいえ、まだまだ寒い日が続いている。
11月上旬に、ライダースジャケットの記事を書いた。わたしが愛用しているライダースを記録しつつ、ADHDとして障害特性を考慮しながら服を選ぶコツの話をしました。それに引き続き今回は、冬用のコートの話をしようと思います。わたしは、ライダースと同じくコートも、「好き」という気持ちだけでは快適に着ることができない。必ず、ADHDでも負担なく着用できるか・うまく維持管理できるかを検討してから買ったり着たりしています。服の趣味は人それぞれ違うので、ここで紹介したコートをそのまま購入したいと思う人は少ないだろうが、服自体の紹介ではなく購入に至った思考回路を共有することで、誰かの参考になれば幸いです。
では、書いていきます。
ADHD的コート選びの条件
早速だが、わたしが持っているコートは次の2着です。
黒のトレンチコートは、3、4年前にCOMME CA ISM(コムサイズム)で買ったもの。3万円くらいだったと思います。生地はポリエステル100%で、張り・腰がなく柔らかいタイプ。テロテロした生地のトレンチコート=テロンチコートなんていう造語が流行っていた時期だったと記憶しています。テロンチという言葉は廃れた気がするが、デザインとしてはオーソドックスな形状なので、今に至るまで着続けている。最近ちょっとくたびれて色褪せてきたのが悩み。
赤のチェスターコートも、3、4年前にZARAで買ったものです。1万円くらい。ウール80%・ナイロン20%。ZARAにしては作りがしっかりしている(失礼)。実際は写真よりももうちょっと深い赤色かな。
色も素材も全然違う2着だが、共通の思考回路に則って選んでいる。そこで、購入に至った理由を、以下に挙げていきます。
①色が濃い
わたしは黒色が好きなので迷わず黒色(たまに赤色)を選ぶのだが、そうでなくても、ベージュやライトグレーは選ばずに、ネイビーとかダークグレーとか、濃い色を選んでいたと思う。なぜなら、濃い色の布は汚れが目立たないからです。ロング丈の服はとくに裾が汚れやすいが、アウターは頻繁に洗濯するものではないので、最初から汚れが見えにくい色を選ぶのがgood。万が一の経血染みも目立ちません。
ちなみに、服を単色で統一すると、視覚過敏の人は精神的に落ち着くという効果もあるらしいです。わたしも感覚過敏傾向はあるが、服までワントーンにするほどではないのでこの方式は採用していません(黒色の服が多いのは、単純に黒色が好きだから)。心当たりのある人は試してみてもいいんじゃないでしょうか。
▼感覚過敏を刺激しないファッションの工夫は、ADHDを公表している漫画家の七野ワビせん(旧名:史群アル仙)先生のエッセイに詳しいです。“色があると情報量がふえてつらい” ので、服はすべて黒かグレーで統一されているそう。
漫画日記 #今日の七野
— 七野ワビせん(元・史群アル仙) (@nanano_wabisen) 2020年5月31日
「わたし的発達障害と衣服のお話」
#発達障害 #感覚過敏 pic.twitter.com/nQuL53PFMD
漫画日記「感覚過敏日誌」
— 七野ワビせん(元・史群アル仙) (@nanano_wabisen) 2020年12月14日
何回この話題描いたかわらないけど…。。描きたがりですみません!発見あってもなくてもこれからも描きます…🙇♀️ pic.twitter.com/UOoCLo7Ciz
七野先生のエッセイ漫画はとても面白いのでおすすめ。
②ポケットがある
これはライダースジャケットの記事でも書きました。鞄を持っていても、お釣りとか自転車の鍵とかワイヤレスイヤホンとか、ちょっとしたものを一時的に収納するスペースがないと精神的に疲れるので、ADHD的には必須条件です。
なお、一見ポケットがついているように見えても、ポケットの蓋(フラップ)だけが縫い付けてあるフェイクポケットデザインである可能性があるので、よくよく確認するようにしましょう。オンラインショッピングなら商品説明と写真をよく見て、実店舗ならフラップをめくってポケットに手を入れてみて、本物のポケットであるか確かめること。
▼ポケットがありそうに見えても油断大敵! そういうデザインなのか本当にポケットなのか、必ずチェックしよう!
※実店舗では、ポケットがあっても、入り口をしつけ糸で縫い付けて塞いである場合があります。この場合は買ってから糸を切ればOK。フェイクポケットなのか縫ってあるだけなのかもよく確認しよう。
③スタンドカラーではない
スタンドカラー(立ち襟)とは、こういうやつね。
こういうデザインの襟は、 首元から冷気が入ってこないので温かいのですが、わたしは首に布が触れているのが大の苦手なので選ばないようにしています。これも感覚過敏の一種だと思われる。手持ちのコートは2着とも、首元が大きく開いているのがおわかりいただけると思う。ちょっと寒いけど、わたしが住んでいる地域(本州)では我慢できる範疇です。もちろんマフラーなどもつけない。
④ベルトだけではなく、ボタンで前を留められる
どういうことかというと、アウターの中には、前ボタンがなくてベルトだけで前を閉めるデザインのコートがあるのだ。ラップコートとも呼ばれる。わたしも昔着ていたことがある。下の写真のようなやつです。
これは見た目はおしゃれなんですが、着脱のたびにベルトを締め直さなければならず、シルエットがそのときどきの自分の力加減に左右されるのでよくなかった。身動きしていると着崩れてくることもあり、脳内の注意力のリソースを割かれる。ADHDならおとなしく、いつでも同じ形状を維持できるボタン式のコートにしたほうがいいと思います。前を開けて着たいときも閉じて着たいときも、ボタン一発で調節可能。
手持ちのコートのうち、黒のトレンチコートにはベルトもついていますが、後ろで結びっぱなしにしてあります。着脱はすべてボタンで行っている。
ちなみに、前ボタンがないコートは選びません。コートは前を開けて着たほうがかっこいいのはわかるけれど、本気で寒いときは閉じていたいので。
以上4つの条件をクリアしていたのが、今わたしが愛用している2着なのである。もちろん、サイズが自分に合っているとかデザインが好みとかの条件もありますが、それは当たり前なので省略します。
障害特性を無視しては生きられないけれど、好きなファッションも諦めたくない。この冬も、これらのコートで生きていきます。
以上、ADHDのコート選びの話でした。
余談 先生の家に引っ越してから気づいた、濃い色の服のデメリット
猫の白い毛がつくとめっちゃ目立つ。
モフモフだから仕方ないね! かわいいから許す!
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