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鬱とADHDを抱えるわたしが日常的に着ている、冬のルームウェア/ワンマイルウェアを紹介します。わたし個人の趣味嗜好を共有するだけではなく、日常生活を困難にする特性を持っている他者の参考にもなることを志向して、書いていきます。
1.ルームウェア選びの条件
日常生活の支障を少しでもなくすために、服選びは慎重に行う。基本的な考え方は、過去記事で書いた服選びの条件の話と同じだ。
上記の記事で書いた「服のNG条件」は以下の通り。
ADHDに向かない素材の服 ~維持管理コストの観点から~
NG服① 家庭の洗濯機で洗濯できない
NG服② アイロンをかけないとだらしなく見えてしまう素材
NG服③ ニット
NG服④ レーヨン100%、キュプラ100%、リヨセル100%、テンセル100%
NG服⑤ モヘア
NG服⑥ ファー
NG服⑦ ベロア、別珍、ベルベット
NG服⑧ タイツ、ストッキング
NG服⑨ ポリウレタンの混紡量が多い、ポリウレタンでコーティングされている
ADHDに向かない色・デザインの服 ~着用中のストレスの観点から~
NG服⑩ 薄い色
NG服⑪ ポケットがない
NG服⑫ オールインワン
NG服⑬ 高価な帽子・手袋・傘・アクセサリー
ADHDに向かない種類の服 ~感覚過敏の観点から~
NG服⑭ ハイネック、タートルネック
NG服⑮ レースのインナー、化学繊維のインナー
NG服⑯ 締めつけるインナー
これは主にお洒落着を想定した条件だが、ルームウェアでも基本の考え方は変わらない。
わたしがルームウェアを選ぶときにとくに気をつけている条件は、以下の5つである。
①ワンマイルウェアを兼ねる
前提として、わたしはルームウェアのまま外出している。近所のコンビニやスーパー・歯医者・皮膚科・美容院など、お洒落をして行く気分ではない場所には家のままの服装で出かける。つまりルームウェアはご近所着、ワンマイルウェアを兼ねている。
これには賛否あるだろう。流石に、ルームウェアのまま出かけるなんてだらしないとか、女として終わってるとか批判する人はこのブログの読者にはあまりいないかもしれないが。そんなレベルの話ではなく、リラックスするときに着る部屋着と、ご近所とはいえ外出して社会性を発揮するときに着る服は、分けたほうがメンタルヘルスにいいという説があるのだ。わたしもそれは実感としてわかる。しかし、抑鬱で気力がないことが多い生活をしているので、外出のハードルは少しでも低いほうがいいと思い、ワンマイルウェアを兼ねた服で日頃から生活している。気持ちとしては、ルームウェアで外出しているというよりは、あらかじめ最低限の外出ができる格好で生活することで人間の形を保っているという感覚のほうが近い。メリットデメリットあるだろうが、一人暮らしのときから、もう10年近くこの方針で暮らしている。よって、わたしのルームウェアは、あまりにもパジャマ感が強いものではない、ある程度きちんと見えるものである必要がある。
②ポケットがついている(とくにボトムス)
ポケットがついていないボトムスとアウターは買わない。これはわたしの服選びの絶対条件である。ルームウェアでも変わらない。
家事担当としてルームウェアを着て家中を動き回って作業をするので、スマホなどを入れるポケットは絶対についていないといけない。
③ハイネックではない
冬用のルームウェアは首元が詰まっていることが多い。ハイネックやタートルネックのほうが冷気が入らなくて暖かいのはわかるが、わたしは感覚過敏傾向があり首元に布が触れるのが耐えられない。普通のクルーネック(丸首)でも、なるべく首の開きが広いものを選ぶ。冬用の服選びで一番苦労するのがここかもしれない。
なお、前提としてわたしは日本の南関東在住であり、より寒冷な地方の人ほど本格的な防寒装備は必要としていない。上京前に住んでいたところも比較的温暖な地方である。
④生地が厚すぎて締めつけることがない
感覚過敏ゆえに服の締めつけで体調を崩しやすい。お洒落着なら我慢できるレベルでも、日常着では我慢しながら過ごしたくはない。よってサイズ選びには慎重になるし、冬用のルームウェアにありがちなことに、生地がボアなどモコモコで分厚すぎて締めつけ感があるものは避ける。個人的には、締めつけるよりは少し寒いほうがマシである。
⑤汚れが目立たない色
ルームウェアを着たまま料理でも掃除でもなんでもするので、汚れが目立たない色である必要がある。具体的には黒やダークグレーなど濃い色がいい。個人的にも無彩色が好きなのでちょうどいい。
ただし、濃い色の服は猫の毛は目立つ。個人的には、シミや黄ばみが目立っているよりは猫の毛がついているほうがマシだと判断している。手で払えばある程度落ちるしね。いずれにせよご近所にしか出かけないのだからあまり気にしていない。
その他、お洒落着の条件と同じく、洗いやすい素材であることも大前提であるが、ルームウェアは流石に洗濯機洗濯ができない素材であることは少ないので、あまり意識せずに済んでいる。
2.わたしのルームウェア紹介
以上5つの条件を踏まえて選んだ、わたしのルームウェアがこちら。
ボトムスがコムサ、トップスがジェラートピケオムである。映っていないがルームソックスも履いている。
順番に見ていこう。
ボトムス
ボトムスはコムサのパンツ。2021年3月にグンゼストアで購入した。セールで2950円でした。
素材はポリエステルと綿の混紡。裏起毛でも裏ボアでもないが、わたしは暑がりなので個人的にはこれで間に合っている。めちゃくちゃ気に入っているというわけではないが、事足りているという感じ。
ポイントはジョガーパンツ(裾やリブがゴムで絞られているデザイン)ではないことだ。
ジョガーパンツってこういうやつね。
ジョガーパンツだと裾から冷気が入ってくるのを防ぐことができるが、わたしにとっては締めつけの苦痛のほうが勝るのである。デザイン的にも好きではない。わたしは着道楽なので、ルームウェアとはいえ気に入っていない服を着るのは嫌なのだ。
かといって、わたしがデザイン的に一番好きなパンツはワイドパンツなのだが、昔ワイドパンツをルームウェアにしようとしたら風呂掃除のときに裾をまくり上げることができなくて不便だった。デザインと機能性のバランスを考えると、ゆるいストレートパンツが最適なのである。
ポケットはもちろん両脇についている。レディースのルームウェアにはポケットがないことが多いと聞くし、わたしの実感としてもそうだが(昔ユニクロで見たフリース素材のルームウェアには尻ポケット1つしかなかった)、あり得ない人権侵害だと思う。
トップス
上はジェラートピケオムのジップアップブルゾンである。
ジェラートピケオムは有名ルームウェアブランドのジェラートピケのメンズラインである。このブルゾンはセレクトショップのバーニーズニューヨークとのコラボ商品。2023年11月の新発売からずっと着ている。11000円。
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ジェラートピケはカジュアルなデザインが多く個人的な好みからは外れる。ジェラートピケオムも、メンズラインとはいえ太めボーダー柄だったりテディベア柄だったりやはりカジュアル寄りのデザインが多いが、こちらのシリーズはシンプルで好みだった。ジェラートピケはデザインはともかく肌触りはよくてルームウェアとして良質と聞いていたので、この機会に買ってみようと思ったのである。
セットのパンツも販売されているが、ブルゾンだけにした。上下別の色の服のほうがルームウェア感が薄れてワンマイルウェアとして使いやすいからである。ルームウェアとワンマイルウェアを兼ねつつ最低限ちゃんと見せたい人は、上下をセットにしないことをおすすめする。
ジッパー着脱なので脱ぎ着がとても楽。ジップアップブルゾンといってももちろんアウターのブルゾンとは違って柔らかい素材なので十分リラックスできる。ジッパーを最後まで閉めずに少し開けておくと首元が楽で感覚過敏を刺激しなくて最高。
ブルゾンなので袖口が絞ってあるデザインだが、メンズサイズということもあってかわたしの手首ではブカブカで締めつけないので快適。それでいて、二の腕までたくし上げれば風呂掃除や料理などで軽く腕まくりすることも可能。ただし激しく動くとややずり落ちやすい。本格的な長時間作業には向かないかもしれないが、日常的な家事には支障はない。
もちろんポケットもある。ちなみに店頭でジェラートピケのレディースラインを見てみると、ルームパーカーやルームパンツにはポケットがないものがあった。許しがたいことだ(ジェラートピケオムのほうは未確認なので、レディースだけの現象なのかは不明)。パジャマとしての用途だけを想定しているのだろうが、パジャマでもスマホを入れる場所くらいは必要だと思う。
ちなみに、ブルゾンの下はコットン100%のタンクトップである。5、6年ほど前にユニクロでまとめ買いしたものをずっと使っている。暑がりなので、この上からジェラートピケオムのブルゾンだけで室内は問題ない。
よほど寒いときはユニクロのプルオーバーを重ねるが、今住んでいる家は防寒がしっかりしているのでほぼ必要ない。
ユニクロのプルオーバーは5、6年ほど前に買ったやつ。
ハイネックではないが、冬用のルームウェアにありがちなことに首元の開きが狭いので、感覚過敏的にはやや苦痛である。着られないことはないから着続けているが、なるべくなら着たくない。
外出するときはスウェット+ジェラートピケオムか、ジェラートピケオムの上からいつものコムサイズムのロングコートを羽織る。
コムサイズムのロングコートについては過去記事で紹介しました。お洒落着の外出でも近所でもどこでも、基本はこのコートで出かけている。
ジェラートピケオムのブルゾンのデメリットは、フリース素材なので火を使う料理ができないことだ。フリースのような毛先が長くて毛羽立ったモフモフの素材は、表面積が広いため空気と多く触れあうので、毛羽立った部分にちょっと火が触れただけでも瞬時に全体に燃え広がるらしいのだ。「着衣着火」「表面フラッシュ」と呼ばれる現象である。
今のわたしの住環境では、台所のある部屋は暖房がついていることが多いし、そもそも防寒がしっかりしているので、本格的に料理をするときは脱ぐということで問題ない。動き回りつつ火を使っているといずれ暑くなってくるし。
また、もう一つのデメリットとしては、ジェラートピケオムの素材は猫にとっても肌触りがいいらしく、猫がふみふみモミモミしてきて爪が刺さって痛い。しかしこれは可愛いので問題ありません。
このブルゾンは色違いを先生(同居人)とお揃いで買って2023年のクリスマスプレゼントとしたのだが、先生も「爪が刺さって痛い!」と嘆きつつなんだか嬉しそうである。
2024年1月現在、バーニーズニューヨーク公式オンラインショップや店頭でまだ買えるのでおすすめです。セットのパンツとプルオーバーとビーニー帽もある。わたしと同じく、ジェラートピケというブランドには憧れるけどデザインが好みではなかった人にはちょうどいいんじゃないかな。
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靴下
末端が冷えやすいほうではないので、靴下にはとくにこだわりがない。今使っている靴下はたしか2022年ごろに買ったと思うが自信がない。汚れが目立たない黒色であること以外とくに条件はなかった。毛玉だらけだがルームウェアなので気にしないスタイル。
ちなみに、同じくSNSで評判がいい防寒ルームソックスとしては、韓国のポソン(버선)がある。足裏に滑り止めがついた裏起毛の肉厚ソックスで、2018年に漫画家の方のレポ漫画が拡散されて以来、定期的に話題になっている印象。
韓国の超絶あったかい靴下「ポソン」について描きました。足が冷える人に届いてほしい…☺️ pic.twitter.com/rw2bz5Q3mB
— 瀧波ユカリ (@takinamiyukari) 2018年1月18日
総柄のものが伝統的なようだが、無地のシンプルなものも探せばある。わたしは2019年ごろに黒無地のものを新大久保で買ったのだが、すね~甲~足の裏にかけて大きな縫い目があるセンターシーム仕様で、感覚過敏を刺激されて駄目だった。
レポ漫画にも、縫い目が非常にほつれやすく定期的に縫う必要があると書いてあるので、ADHDには向かないかもしれません。
以上、わたしのルームウェア事情でした。