この記事では、鬱とADHDを抱えるわたしが試行錯誤の末にたどり着いた靴下の管理方法を紹介していくが、結論はタイトルで言ってしまっている。よって前置きは飛ばして、さっさと本文に入っていきます。
逆に、そうしなかったらどうなるのか?
靴下は、黒色で通年いける素材のものをまとめ買いするべし。
わたしがたどり着いた結論はこれである。
このようにするとなにがいいのかを説明するために、逆に、通年対応でない素材の色んな色の靴下を一足ずつ買った場合にどのような事態に陥るのかを以下に述べていきます。
①靴下がバラバラだと、洗濯したあとに、いちいち片割れを探してペアにする必要がある。
洗濯が終わった洗濯物はタオルなどとごっちゃになっているだろう。その中から一足ずつ靴下を引っ張り出して正しい片割れを探すなんて、悪夢である。
そこで! 同じ靴下をまとめ買いしておくと……
→どれでもいいから手当たり次第にペアにして衣装ケースに突っ込めばいいだけ。合理的。
穴が開いて一つ捨てても無駄になりません。一つ行方不明になっても代わりはいくらでもいるので放っておけばよろしい。合理的。合理的、私の好きな言葉です!
言うまでもないことだが、五本指靴下(親指が太いタイプ)や足袋靴下やワンポイント柄のような左右の区別がある靴下はやめとけよ。悪夢再来だぞ。
ちなみにわたしは先生(同居人のこと。出会いはインターネット。同居に至るまでの顛末は過去記事を参照)と靴下を共有しているので、自分と同居人の靴下を区別する必要すらありません。
同居当初、わたしは黒い靴下をまとめ買いしていて、先生もまた別ブランドの黒い靴下をまとめ買いして仕事でもプライベートでも同じものを履いていた。日常生活が苦しい精神障害者同士、やはり発想が似ている。そこで、先生の許可を得て、わたしも先生の黒い靴下を履くことにして、自分の靴下はすべて廃棄したのです。先生とわたしは靴のサイズは若干違うが、5センチも10センチも違うわけではないので、靴下は共有でも全然大丈夫でした。きつかったりブカブカだったりはしていない。今のところなんの問題もありません。万が一どちらかが水虫を発症した場合に伝染しやすくなるのがデメリットかな。でも同居して風呂場やバスマットを共有している時点で水虫は元々アウトな気もする。また、どちらかの人の足の匂いが強くて、洗濯しても匂いが残る場合は、靴下を共有しているともう片方の人にストレスがかかるかもしれない。わが家では今のところ、靴下が洗濯してもまだ匂うことはないので大丈夫だ。
同居人がいる方で、足のサイズや衛生観念や気持ちが許すならば、靴下の共有、大変おすすめです。
②靴下が薄い色だと、汚れが目立つ。別途、部分用洗剤や揉み洗いなどが必要になることも。
靴下はとにかく汚れやすく、つま先とかかとがすぐに灰色になる。薄い色の靴下だといっそう汚れが目立ちますよね。部分用洗剤を購入するコスト、残量を管理するコストが生じるかもしれません。揉み洗いも必要かもしれない。洗濯機に全部任せられないなんて、悪夢である。
汚れても、どうせ靴の中で見えない部分だから放置しておくという手もある。しかし、友達に誘われて行ったランチの店や、上司に誘われて行った居酒屋が、靴を脱ぐタイプの店かもしれません。このブログを読んでいるような皆さんは内向的でしょうから(決めつけ)、ただでさえ会食は疲れるのに、靴下がドロドロだったり穴が開いていたりしたら、食事の間中ひやひやして余計疲れることになるかもしれません。精神的なウィークポイントとなり得る部分をみすみす放置しておくのは、やはり得策ではないと思います。
そこで! 黒(濃い色)の靴下をまとめ買いしておくと……
→薄汚れてもまったく目立たないから気分よく履ける。洗濯してるんだから衛生面は問題ないはず。買い替えどきは、履き口のゴムの劣化や本体の毛玉で判断可能。
なお、医療職など一部の職業は規則で白い靴下を指定されることがあると思う。その場合は諦めるしかない。
③通年対応素材じゃないと、季節の変わり目に不快な思いをする。あるいは、取り扱いに気を遣って疲れる。
まとめ買いするならの話になるが、必ず綿かポリエステルの、通年対応(どちらかというと夏向け)素材にしましょう。抗菌防臭機能がついているとなおよい。足は蒸れると匂いを発して不快になるので、靴下は基本的に通気性を第一に選ぶのがいいと思います。冬に足元が冷えるならカイロなどを外から追加する方針でいきましょう。靴下自体をあったかくするのは、季節の変わり目に防御力が低くなるのであまりおすすめできません。インナーもそうだが、基本の装備はオールシーズン対応にして、外部からアイテムを追加するのが汎用性高いです。
また、ストッキングやチュールといったお洒落な素材の靴下もありますよね。チュール素材に繊細な刺繍がついていたり。わたしも昔は履いていましたが、鬱が酷くなっていくにつれて管理が難しくなったので、諦めました。なにも考えずにバスタオルとかと一緒に洗濯機(+乾燥機)にかけられる靴下しか、今は買いません。
おわかりいただけただろうか。
これが、靴下を黒色・通年対応素材・まとめ買いにシステム化するべき理由である。
なお、個人的におすすめしたい最強の靴下はこちらです。
10足セット1980円。黒色。オールシーズン対応のポリエステル・ポリウレタン混紡素材。抗菌防臭加工。つま先・かかと強化加工。左右差なし、ビジネスから冠婚葬祭まで対応のシンプルなリブ柄。
最強である。過去3年ほど使っていたが、非の打ち所がありませんでした。
メンズサイズですが、わたしは靴のサイズが24センチであり、靴下は多少大きいほうが食い込まなくて快適なので24~28センチのこれがちょうどよかったです。
【2023.6.9 追記】
同じ24センチでも、幅狭甲広の友達は大きめの靴下だと靴の中で脱げてしまうらしい。足の形にもよるみたいですね(わたしは、正確に計測したことはないがおそらく甲高幅広)。靴下を新調するなら、いきなりまとめ買いするのはやめたほうがいいかもしれない。
黒色・通年対応素材・まとめ買いすることのデメリット
もちろん、靴下をこのように統一することにはデメリットもあります。
一番大きなデメリットは、服装によって靴下を変えてコーディネートする楽しみがなくなることだ。
これに関しては、諦めろ。わたしは諦めた。
こうしてメイクやファッションを扱うブログを書いているくらいだから、わたしは服に無頓着なほうではない。自分なりにおしゃれを楽しんでいるし、ファッションを心から愛している。その上で涙を呑んで言うのだが、諦めることをおすすめします。わたしは、着道楽ながら靴下をコーディネートする道を捨てたので、たしかに足元のバリエーションは減った。しかし、そのぶん浮いた精神的リソースでもって働いてお金を得て、新しい服を買えるようになっていると思うようにしています。
それに、足元の色味を固定することでコーディネートを考える精神的コストが減るとも言える。たとえ好きなことであっても、毎日服を決めるのはそれなりに精神的コストを消費します。精神疾患を抱えて生きている身としては、好きなこととはいえ無理は禁物である。
また、わたしの靴下(先生の靴下)はフリルもレースもないとてもシンプルな靴下なので、足元のテイストが固定されないのがよいです。フリルやレースのように装飾があると足元のテイストが固定されてしまう。なお、わたしは感覚過敏なのでフリルやレースは元より受けつけない。
わたしは諦めた、君らも諦めろ(最悪の牧悟郎教授)。
もう一つのデメリットとしては、黒い靴下を買い足したときに、同じメーカーの同じ商品であっても購入時期によって微妙に縫製などが違って激ムズ神経衰弱をする羽目になることが挙げられます。これに関しては、個人的には、気にせずに左右で微妙に違う靴下を履けばいいんじゃないかと思っています。人前で靴を脱ぐシチュエーションがあっても、さすがにそこまではわからないと思う。ただし、他人にはわからなくても自分は気づいてしまって視覚的にも触覚的にも気持ち悪い、ということはあるかもしれません。それなら、我慢して履いて慣れるのを待つか、いっそちびちび買い足すのはやめて一気に全部交換するかですね。靴下と下着は2年ごとに全取り換えとか、決めておくのもいいと思います。
ちなみにわたしは、下着(ショーツ)も同じ黒無地コットン100%をまとめ買いしている。グンゼのレギュラーショーツ。洗濯機でじゃぶじゃぶ洗える。レースやリボンなどの装飾は、感覚過敏を刺激されるし、女性らしさを押しつけられているような気分になるので個人的には不要です。
下着のうち、ブラジャーは撤廃してニプレスに移行した。ブラジャーの工夫についてはこちらをお読みください。
それでも諦めず、最後まで靴下を見捨てずにやろう
それでも足元のお洒落を諦めたくない人は、自分は靴下に精神的コストを割くのだという確固たる意志を持ってお洒落な靴下を買えばいいと思う。そこまで肚をくくったあなたを止めようとは思いません。
一番まずいのは、おのれが日常生活に割けるリソースの少ない人間であるという自覚が薄く、リソース節約のためのアクションを起こさずにだらだらとお洒落靴下(に類するもの)を買い続けて、わけもわからず苦しくなって日常生活がゆっくりじわじわ破綻することです。肚を、くくろう。自分の「(社会的・世間一般的な意味での)弱さ」を直視するのはしんどいことだが、人生をよくするためにはきっと必要だ。
また、「自分は病気じゃなくてやる気がないだけ、甘えてるだけ」みたいな、一見自分に厳しく見える態度も、弱さから目を逸らしている人特有のムーブである。「普通の人」みたいにうまくできないのは一時的・表層的な気分の問題だと決めつけるのは現実逃避です。根本的な問題から目を逸らしてはいけない。自分の根本に向き合う第一歩は、あなた自身にしか踏み出せないのだ。頑張りましょう。健闘を祈る。
わたしも、実は1足だけ、まとめ買いではない靴下を持っています。
ファミリーマート限定販売の、レインボーの靴下である。売り上げの一部がLGBTQ支援団体に寄付されるやつです。
クィアの権利活動が資本主義に飲み込まれていくことのリスクは常に危惧すべきだし、人権の問題を「自分らしさ」や「個性」と(意図的に)混同するクリシェにこの靴下の説明文もまた陥ってしまっている。問題がないわけではない。しかしわたしはおおむね、大企業のこういった取り組みは肯定的に捉えるほうである。口先だけでも、まずは大企業から変わっていく姿勢を見せてほしい。この国は、口先すらつくろおうとしない政治家が、口先すらつくろわないにも関わらず、ではなく、口先すらつくろわないからこそ、右派の本音の代弁者として喝采を浴びる国なのだから。
JOHN LAWRENCE SULLIVANのジップデザインのデニムを買ったので、せっかくだからスリットから素敵な靴下を覗かせたいと思って買いました。典型的トランスジェンダーではないけれどホルモン治療を受けて、トランスアンブレラの下にいる者として、いい取り組みには積極的にお金を払っていきたいものです。
つま先とかかとが白い靴下なので、案の定1回履いただけで薄汚れてしまった(憤怒)。普段は履かずに、クィア系のイベントのときなどにおろそうと思います。
以上、ADHD流の靴下の管理方法でした。
靴下に限らず、ADHD流の服全般の選び方についてはこちら。
靴の選び方についてはこちら。
服に凝る以前の問題として、日常生活とメンタルが崩壊している人にはこちらの記事がおすすめです。