好きなお洋服を好き勝手に語り尽くす着道楽日記、今日は最近買ったトップス(一部セットアップ)を紹介します。最近といっても去年の話も含むが。
過去に、「ホルモン太りしたジェンダークィアの柄シャツ紹介」と題して、よく着ているトップスを紹介した。
上記記事では、前開き式でホルモン注射がしやすいトップスをまとめて載せた。今回は、前開きではないものの、体重が増えてから買い足したトップスを記録していきます。
相変わらずボトムスはピンナップクローゼットの黒ワイドパンツくらいしか入るものがないので、黒無地に合って体型カバーも叶う派手柄多めです。
ちなみに、わたしが太った原因について、フォロワーさんたちの見解は以下のようになります。ボケェ(霜降り明星 粗品)。
肥った原因
— 呉樹直己🐢👃 (@GJOshpink) 2022年7月18日
服の記録
1.PINKY&DIANNE(ピンキー&ダイアン) ボウタイブラウス
価格:26400円 素材:ポリエステル100%
2022年11月購入
柄シャツ紹介の記事に載せた、ankoROCKの白黒柄シャツの上位互換です。 ankoROCKのほうはオーバーサイズ気味で肩落ちなのがやや好みでなかったのですが、こちらはわたし好みのセットインスリーブで完璧でした。ボウタイブラウスの中には、首元ぎりぎりにボウタイがあって感覚過敏を刺激されるものもあるが、こちらは首元に余裕があるのでADHDでも問題なし。
欠点は、かぶって着るときに頭がきつくて、破れそうでひやひやすることだ。着てしまったらきつい感覚はないのですが、かぶるときだけきつい。わたしの頭が大きいせいかもしれない。ankoROCKのほうがボタン開きなので楽に着られます。GID科にホルモン注射を受けに行く日はankoROCK(上腕を出しやすいので)。
2.ZADIG&VOLTAIRE(ザディグエヴォルテール) TINK LEO SATIN TUNIQUE
価格:22000円 素材:ポリエステル100% サイズ:XS
2022年9月購入
ザディグエヴォルテールは1997年設立のフランスのファッションブランド。現在日本に実店舗はないようだ。ハイブランド専門通販サイトのFARFETCHに出店しているのでハイブランド分類のようだが、絶対に買えないほどは高くないのが嬉しい。個人的に好きなテイストなのでよくチェックしている。過去記事では “GIRLS CAN DO ANYTHING” のメッセージTシャツを紹介しました。
価格:11990円 素材:綿100% サイズ:S
2022年12月購入
こちらは、“WOMEN CAN DO ANYTHING” バージョンもあります。ノンバイナリーの知人の前で着ていたら「めっちゃ逆説!(笑)」とウケました。
価格:7150円(ZOZOTOWNにてセール価格) 素材:綿100% サイズ:XS
2023年1月購入
今回買ったトップスは、商品名はチュニックだがとくに着丈が長いわけではない。襟が深いVネックなので首元に布地が触れず、感覚過敏を刺激しないのがよい。上記のメッセージTシャツはどちらも首元がやや詰まっているので、体調のいいときしか着られないのです(シルエットが抜群に綺麗なので買いましたが)。レオパード柄は、よくある柄と違って斑点一つ一つに大小があって、のっぺりせず動きがあるのが気に入っています。わたしは小花柄やギンガムチェックやドットなどの細かい柄がまったく似合わないので、レオパード柄も本来得意ではないのですが、斑点に強弱があるとダイナミズムが生じて大柄のように似合わせることができます。
不得意なレオパード柄はこんな感じ。
3.UN3D.(アンスリード) スクエアデコルテニットトップ
価格:17820円 素材:レーヨン61%、ポリエステル21%、ナイロン16%、ポリウレタン2% サイズ:FREE
2022年7月購入
久しぶりにニットを買いました。
過去に、ADHD向けの服の選び方の記事で、ニットは買わないようにしていると書いた。
洗濯は日陰で平干しだとか、吊り収納NGだとか、維持管理コストが高すぎる。ホコリもつきやすい。個人的にはそこまでして着たいとは思わないので、手放すに至りました。
これが2019年9月の記事で、基本の考え方は今も変わっていません。しかし、最近は当時よりは精神的に安定していて心身に余裕があることから、相当気に入ったものに限ってはニット生地でも買うことにしています。
今回買ったのはアンスリードの目の醒めるようなロイヤルブルーのニット。ここまで鮮やかで強い青色は日本のブランドには珍しいと思う。迫力と気品があるので、ボーンカフをビビりながら買いに行ったときも着ていました。ニットの編み目が細かいハイゲージ生地なのでちくちくしないのもいいですね。首元も大きく開いていて、感覚過敏的にも問題なし。
ただし、かなりタイトなシルエットなので、昔のわたしなら個人的な理想のシルエットで着られたかもしれないが、今のわたしの身体ではそうはいかない。わたしは直線的なシルエットが好きなのに、肩回りが肉感を拾って曲線的になるのである。そこで、アウターを羽織らずに1枚で着る場合は、過去記事で紹介したオーガンジーの羽織りを重ねることにしています。
こうすると肩回りがふわっとカバーされて、肉感が目立ちません。
ちなみに、タイトなニットのデメリットとしては、乳房の形が目立つことが挙げられる。Ft系ジェンダークィアの中には不本意に感じる人も多いだろう。
わたしは個人的に、乳房は気にならないほうなので、チェストバインダー(胸部を平らにするインナー。いわゆるナベシャツ)はつけたことがないです。ブラジャーも一切つけていない。わたしの場合、ブラジャーとの闘いは、性別違和由来の問題としてよりも、つけると感覚過敏で眩暈と吐き気を催すというADHD由来の問題として立ち現れていました。よって、ここ3年は乳首の形が浮き上がるのをニプレスで抑える程度で、乳房を支えるものはなにもつけていません。眩暈と吐き気に長年悩んでいたので、カップつきインナーやワイヤレスブラなどいろいろ試してきたが、結局ブラジャー自体を撤廃するのが自分には合っていました。万人が選べる選択肢ではないとは思うが、締めつけが苦痛でたまらない人は思い切ってニプレスにしてみるといいと思います。過去記事でもレコメンドしたが、超おすすめなのでもう一度書きます。
わたしが実際に使っているニプレスはこちら。適宜使い捨てている。
完全なノーブラだと、トップスによっては乳首の形が浮き上がって見えるので(これもまた、見えたとてなにが悪いのかという話だが)、ニプレスはつけています。悪いのは乳首をはしたなく感じる社会のほうなのですが、いちいち煩わしい思いをするのも嫌なのでとりあえず多数派の規範に従うという生存戦略ですね。
ニプレスのデメリットとしては、乳房が大きくて下向きについている人は落ちてしまうらしい(Twitterのフォロワー情報)。そもそも乳房が大きいと、擦れや揺れによる痛みを防ぐためにブラジャーをつけざるを得ないことが多いと思われる。ちなみにわたしはカップ数でいうとD75だが、これくらいならニプレスでも平気。
また、胸を支える力は皆無なので乳房の下垂は避けられないと思う。わたしも、3年前よりは下垂している自覚がある。さらに、シリコンで乳首を覆うのでどうしても汗臭くなります。具体的に言うと、恋人とお外でデートして帰宅するなりベットにもつれこんで乳首を舐めさせるようなプレイはできなくなる(匂いに余計燃える人のことは知らん)。シャワー必須です。また、乳輪わきが体質の人にも不向きかもしれません。
わたしの胸は下垂しているので、このアンスリードのタイトなニットを着ると、そこそこ目立ちます。ふとした瞬間に上半身を横から見てギョッとしたことがないでもないです。しかし、ニプレスのメリットのほうを選択しました。
【補足】
乳房の下垂が強いと、乳房切除術(胸オペ)を受けるときに術式が制限されて傷が大きくなる可能性があるそうです。
しかしチェストバインダーをつけていると下垂しやすいという話も聞くし、ほな死ねっちゅうんかえ(霜降り明星 粗品)。胸オペを受ける予定がある人はニプレスにしないほうがいいかもしれません。ニプレスよりはホールド力があるがワイヤー入りブラジャーよりは楽で、レースやリボンなどの装飾がなく、盛りパットなどが一切入っていないブラジャーならスロギーがおすすめです。ニプレス派になる前は2、3年使っていました。
ただ、スロギーもブラジャーとしてはホールド力めっちゃ弱いから多少は下垂するかもしれない。ニプレスよりはましだと思うが……。
4.HAIKARA(ハイカラ) Big pattern setup
価格:14980円 素材:ポリエステル100% サイズ:M
2023年3月購入
柄シャツの記事で紹介したおしゃれスタのボタンシャツに酷似したプルオーバーとワイドパンツのセットアップです。
おしゃれスタもアリエク*1転売感満載の怪しいセレクトショップですが、このHAIKARAという店も、インスタに広告を出している・実店舗なし・海外縫製につきイメージと違う場合がありますの注意書きあり・モデルが顔出ししていない・オンラインショップがBASEと、ハズレネットショップ感満載でなかなか凄まじい。ピンとこない人のために説明すると、居酒屋で言う駅近・雑居ビルの5階・看板が複数・多国籍肉バル・肉寿司食べ放題・個室創作ダイニングくらい凄いということです。
Googleレンズで検索してみたら、案の定類似商品がいろんな店に出回っています。
でも、明確な元ネタらしきものは見つからなかったので、買ってしまいました。ギルティープレジャー。胸を張っておすすめできない買い物はしたくないが、あまりにも気に入ったので……。
袖がシワシワだったり色褪せていたりで、やはり質はよくない。まあ許容範囲。
モード系デザイナーズブランドの服みたいにゆったり着るとかっこいいです。わたしはゆったりシルエットでもある程度のメリハリはついていてほしい派なので、前を結んで軽くくびれを作ります。
友達が撮ってくれた着画。外で一人で三脚をセットする根性がないので、付き合ってくれる人がいないと全身像が撮れない。
以上、最近の服の記録でした。
6月はプライド月間です
3月31日は国際トランスジェンダー認知の日でした。わたしもトランスアンブレラの下にいる者として、写真をツイートするなどしていた。6月はLGBTQプライド月間なので、再掲します。
トップスは、当時買ったばかりだったHAIKARAのプルオーバーです。
撮影はお友達のちゃるさん。ありがとうございました。
社会が決めたあるべき姿から外れた者たちを排除しようとする構造に対して、「ここにいる」と声を挙げることが対抗になり得る段階は、残念ながらとっくに過ぎていて、「ここにいるからこそ、見つけ出して排除する」段階にきていると感じる今日このごろです。それでも、「ここにいる」と言い続けることでしか開けない道もあります。
いまを生きる生者として、これから生まれてくる命のための道を少しでも拓いていくとともに、性差別の下に失われたすべての命に、冥福を祈ります。
*1:中国発の通販サイトAliExpress(アリエクスプレス)のこと。幅広いカテゴリーのものが安く手に入るが、写真詐欺が横行しておりイメージ通りのものが届かないことも多いらしい。
アリエクの商品を安く仕入れて高く売るのは安価なセレクトショップの常套手段だが、個人的にはアリエクから直に買う手間(英語や中国語でのやり取りなど)のほうが煩わしいので、必ずしも悪い印象はない。もちろん、オリジナル柄と偽っていたり、アリエクの元商品自体がハイブランドの模造品だったりしたら買わないが。