かつて太宰治は随筆に、「死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目しまめが織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った」と書いた。わたしは着道楽なので、来季どの服でやっていくかを考えるのは大事な趣味の一つだ。来季などの長いスパンだけではなく、シンプルに明日着る服の構想を練って寝る前のささやかな楽しみとすることもある。服に興味ない人には完全に意味不明だろうが、前日から明日の服のことを考えてワクワクする日が、わたしにはあります。
これを書いている2024年3月中旬は寒の戻りの真っ最中であり、冬服に近い格好をする日が続いている。しかしもうすぐ本格的な春が来るはずなので、どんな服でやっていくか考えておこうと思う。少しでも元気なときに楽しいことを考えて文章にして、わかりやすく書き残しておく、これもわたしなりの抑鬱対策だ。
今回は、昨年の春服を振り返った上で、今年の春服の計画を立てていきます。長文です。なお春とは、アウターはもう要らなくて、長袖1枚で過ごすことができ、足元はコーデ次第ではサンダルでもバランス取れて、ハイカットブーツはちょっと遅い、くらいの時期を指しています。
1.2023年春振り返り
2022年下旬から2023年いっぱいは服よりも圧倒的にアクセサリーに興味が向いていたので、服の購入数は多くない(もちろん着道楽ではない人よりは買っているだろうが)。前年秋に上司に頼んで金髪にする許可を取りつけており、髪型は金髪前髪なしショート。
■トップス+ボトムス
前年にホルモン治療を始め、注射の際に腕を出しやすい前開きの柄シャツを何枚か買っていたので、引き続きトップスは柄シャツメイン。派手トップスに黒ワイドパンツの組み合わせが9割を占めていたと思う。
ワイドパンツは相変わらず、ピンナップクローゼットの黒。ほぼこれしかはいていない。
2023年に通販したボトムスの大半は、ウエストが入らず返品したり売却したりしている。ホルモン治療その他の事情で体重が大幅に増え、それまでの感覚で買い物すると失敗することが多くなっていた。
また、2023年3月に初めて、スーツではないセットアップの服をHAIKARAで買った。
上下セットで着ることもあったが、上のプルオーバーのほうが気に入ったのでトップス単体でピンナップクローゼットのワイドパンツと合わせることが多かった。
■靴
ランバンオンブルーのスニーカー、eccoの革靴、ダイアナのサンダルが続投。新規導入はなし。元々靴はそんなに数を持たないほうである(もちろん着道楽ではない人よりはry)。
■アクセサリー
2023年はとにかくアクセサリーに物凄い額を遣った。1月にボーンカフ、3月にマダマの真珠と、10万円を超える高額商品も実績解除した。こいつなんでこんな金持ちなんだよとお思いでしょうが、貯金をしてないだけなので安心してほしい。基本的な生活費は先生(同居人)持ちで、月々数万円を納める生活を続けている。
3月に真珠にはまった。マダマとMARZO(マルソ)はその後もヘビロテする。
ネックレスはほかには、フォロワーさんから譲っていただいたチェーンネックレスをよく使っていた。
ピアスは相変わらず大ぶりが好き。一番ヘビロテしていたのは新星急報社さんのオーダー品。
指輪はスワロフスキーの大粒クリスタルをメインに、エーピーエム・モナコやマリアブラックやBLESSで脇を固めていた。両手で計3個か4個が多かった。今見たら盛りすぎな気がする。その時々ではベストの装いをしてるつもりなのに1年経ったら気持ちが変わるのがファッションの面白いところですね。
■バッグ
バッグは相変わらずモンテロッソ。コーデによってバッグを変えたりはしないのでどこに行くにもこれ。
ただ、本革のはずなのに肩紐が合成皮革みたいな剥がれ方をしてきたのと、もっとモード寄りのバッグが欲しくなってきたのとで、ぼちぼち買い替えを検討していたのもこのころである。
以上、2023年春の振り返り。
2.2024年春予定
2023年春は働いていたので、金髪とはいえレディースのショートカットの範疇の髪型をしていたが、いろいろあってその後退職したので2024年春は誰憚ることなく金髪坊主である。
抜きっぱなしブリーチの上から気分でレモンイエローも入れてみたが、継続するかは未定。
2023年末あたりから服への興味が復活してきたので、春夏に着たい服はすでにいくつか買ってある。アクセサリーも相変わらず好きだが、以前よりは厳選して買うようになった。
■トップス
柄シャツブームは落ち着いていて、最近はもっぱらモノトーンである。モノトーンは元から好きだが、最近はとくにアツい。
HAIKARAのプルオーバーは続投すると思う。去年は前を結んで着ていたが、今年は結ばずにゆるっとさせるのが気分。基本的にオーバーサイズのトップスは好きではないのだが、これは丈こそ長いが肩幅はジャストなのが最高。肩落ちトップスのことは相変わらず憎んでいる。
ほかには、2023年12月購入のA+TOKYO(エープラストウキョウ)のアシンメトリーTシャツ、2024年1月購入のY-3(ワイスリー)のジップシャツ、2024年2月購入のヴィンテージのシアープリーツシャツもヘビロテ予定。
また、2024年2月にミハイルギニスアオヤマの大判ストールを買ったので、ストールをトップスのように羽織る着方にもチャレンジしたいと思う。
ミハイルギニスアオヤマはギリシャ人デザイナーによる日本製の生地を用いた大判ストールのブランドで、体型や性別等を問わない着こなしが可能。
わたしは感覚過敏なので基本的には首に布を巻くのは苦手だが、これはかなり大判で首に接触せずに着用できそうなのと、コンセプトに惹かれたのとで購入してみた。ミハイルギニスアオヤマについてはまた別途記事にします。
■ボトムス
黒のワイドパンツが大好きで、ここ3年ほどはピンナップクローゼットのものをはいていたが、ついにライバルが表れた。オムプリッセイッセイミヤケのプリーツパンツである。
購入以来、基本装備としてヘビロテしている。当分はき続ける予定。
また、長年黒のアシンメトリースカートを探していたのだが、ちょうどいいものをリミフゥで見つけたのでついに購入した。2024年2月。
変形スカートは、トップスがシンプルになりがちな夏にも大活躍すると思う。今から楽しみである。
ほかには、HAIKARAでかっこいいダメージデニムを買った。2024年1月。
強いケミカルウォッシュにダメージとメッシュ素材が組み合わさったデコラティブな1本。メッシュ素材なので春夏に大活躍すると思う。そのままだと着丈が長すぎたのでロールアップしてピンで留めている。いずれお直しに出すつもりだが、べつにこのままでもデザインとして成立しているので急がなくてもいいだろう。ほかの便があったらついでに持っていくことにする。
ジョンローレンスサリバンのジップデニムも引き続きヘビロテ予定。
■靴
ナイキのシルバーのアクアリフトが基本装備として続投すると思う。2023年の夏は本当にこればかり履いていた。
ペディキュアをしているときは、ラブハンターのブーツサンダルで爪先を覗かせるのもいいだろう。2023年12月購入。
ハイカット型のブーツ好きの延長として、ブーツサンダルは長年探していた。いくつか試着したり、通販したけど合わなくて売却したりしてきて、今回やっと足に合うものが見つかったのである。シアー素材なのも春夏らしくていいと思う。
また、2023年9月の購入以来基本装備となっているメゾンマルジェラのタビレースアップシューズも履いていきたい。革靴はあまり春夏向きではないかもしれないが、これは銀色なので暑苦しく見えないと思う。
マルジェラを好きになった話はまた別途記事にします。
■アクセサリー
2023年のような熱狂的なアクセサリーブームは最近は落ち着いて(財力も続かなくなって)、最近は数を絞って買っている。2024年も相変わらず貯金はない。
大ぶりピアスはお休み中。嫌いになったわけではなく、持ち物としては今も大好きだが、最近は服がデコラティブなのであまり派手なものをつけると喧嘩するようになったのだ。いずれ気分が変わったらまたつけはじめると思う。
モノトーン服繋がりで、アンプリスのブラックオニキスのピアスだけたまにつけている。
ネックレスも、服がデコラティブなので出番が減っている。頂き物のチェーンネックレスとSYKIA(シキア)のチェーンベルトは最近の気分にも合っているので続投予定。
指輪は、SAKA・イズィール・ビジュマム・ホアキンベラオあたりの組み合わせが最近のベストコンビネーションである。新しい指輪についてはまた別途書きます。最近はピアスより指輪がアツい。
■バッグ
バッグは基本はディスコードヨウジヤマモト。
2023年のわたしの大きな変化としては、ミニバッグを導入したことがある。ADHDにとっては冒険だったが、なんとか維持管理できているので荷物が少ないときはミニバッグ。2023年5月に購入したメゾンマルジェラの5ACである。引き続きこの春も活躍予定。
5ACは自分史上最も高い買い物の一つとなった。労働環境がしっちゃかめっちゃかな代わりに高給だった前職を退職してしまったので、マルジェラとディスコードヨウジヤマモト、これ以上高い服飾品を買うことは今後の人生でもうないだろう。
ADHD流のミニバッグ導入試行錯誤についてはまた別途書きます。
以上、2024年春の予定。
2023年春は働いていたが、今は無職なので、もう去年のような散財を続けることはできない。服に浪費することを芸当にしてキャラ立てして笑っていられるような身分でもない。ぼちぼちやっていこうと思う。
2024年春の実際の服装がどうなったかもいずれ書きます。