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【キム・ジヨン以降】顔のない女性のイラストが表紙のフェミニズム本をまとめてみた(3)

 

 

 

※本記事はアフィリエイトリンクを使用しています。

 

当ブログでは、顔のない女性のイラストが表紙のフェミニズム関連書籍を観測・記録している。顔のない女性のイラストが表紙のフェミニズム関連書籍とは、典型的にはチョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』やオルナ・ドーナト『母親になって後悔してる』に代表されるような、顔を草花等で隠した女性のバストアップの写実的なイラストを装画に用いたフェミニズム小説や人文書である。本邦では、2018年12月のキム・ジヨン刊行以降多数見られるようになり、明らかに流行と化している。

 

 

 

まとめ第一弾では、キム・ジヨン刊行以降のこのような装画の多くが、榎本マリコという一人のクリエイターの手によるものであることを示し、顔のない女性のイラストが表紙のフェミニズム関連書籍と近年の榎本マリコの装画仕事を記録した。

 

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取り上げた書籍:

■82年生まれ、キム・ジヨン

■僕の狂ったフェミ彼女

■母親になって後悔してる

■妾と愛人のフェミニズム 近・現代の一夫一婦の裏面史

■覚醒せよ、セイレーン

■それでも母親になるべきですか

■まだすべてを忘れたわけではない

■ホープは突然現れる

■法廷遊戯

■滅びの前のシャングリラ

■幻の女 ミステリ短篇傑作選

■スクリーンが待っている

■家庭用安心坑夫

■その丘が黄金ならば

■ある大学教員の日常と非日常 障害者モード、コロナ禍、ウクライナ侵攻

■九月と七月の姉妹

■不可逆少年

■猿の戴冠式

■意識をゆさぶる植物──アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性

 

まとめ第二弾では、榎本マリコ装画が近年求められる理由を考察するとともに、引き続き顔のない女性のイラストが表紙の書籍を記録した。条件はかなり緩くして、「顔がない人物のイラスト」という最も特徴的な部分さえ合致していれば取り上げている。フェミニズム関連書籍であれば男性表紙やバストアップではない女性表紙でもOK 、タッチが似ていればフェミニズム関連書籍ではなくてもOKといった具合に、臨機応変に収集した。また、類似したテイストの映画ポスターも記録している。

 

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取り上げた書籍:

■妻のオンパレード The cream of the notes 12

■男性性を可視化する――〈男らしさ〉の表象分析

■彼女の名前は

■絶縁

■アシスタント ※映画ポスター

■Stopmotion ※映画ポスター

 

まとめ第三弾となる今回も引き続き、顔のない人物のイラストが表紙の書籍を収集していく。中身は未読なので込み入った分析はできないが、ネットで閲覧できる書籍情報から判断して内容にフェミニズム要素を含む場合はその旨記している。

 

 

 

 

1.榎本マリコのインタビュー

2024年2月に榎本マリコのインタビューが公開されたので記録しておく。

 

www.cinra.net

 

榎本マリコは2023年11月に初の作品集『空と花とメランコリー』を上梓し、12月には個展を開催するなど目覚ましい活躍をしているが、ブレイクのきっかけはやはりキム・ジヨンであったことが本人の口から語られている。また、作風はダリやルネ・マグリットなどシュルレアリスム作家を引き合いに出されることが多いが、自身はフリーダ・カーロに影響を受けているそう。フリーダ・カーロは1930年代から40年代に活躍したメキシコの現代画家である。言われてみればカーロも女性のバストアップを描いた作品が多いが、榎本マリコ作品と違って大半は自画像である。また、カーロは幼少期にポリオ(急性白髄炎)に罹患して半身不随であったことや、女性としては初めてメキシコの国立予科高等学校に入学したこと、政治的な活動、大物芸術家との奔放な恋愛遍歴など、画家自身の激動の人生に重ねて作品が語られることが多く(恋愛遍歴に関しては女性芸術家のそればかりが注目され語られる不均衡な構造もあるにせよ)、作中の女性モデルはカーロ以外に代替が利かない印象を受ける。一方榎本マリコの作品は、作品集の帯に「今を生きるすべての女性に捧ぐ── それは誰でもなく誰でもある肖像」とある通り、観る者が直接的に感情移入できる余地があるように感じる。榎本マリコ氏の人生遍歴がどのようなものであれ(上記インタビューでは「本当に普通の日常生活を送っているんです」とあるが)、少なくとも作品受容の上では榎本氏自身と重ねて語られることは少ない。そのような作風のほうが装画には使いやすそうだ。

 

 

 

 

2.顔のない人物が表紙の本

装丁・装幀・デザイン等の表記揺れは出版社公式ページに準拠している。

並びは出版年月日順。

 

■声の物語

www.hayakawa-online.co.jp

VOX

発売:2019.4.18 早川書房 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ

著:クリスティーナ・ダルチャー 訳:市田泉 カバーイラスト:オートモアイ カバーデザイン:川名潤

ジャンル:SF

 

すべての女性が一日100語以上喋ることを禁じられた近未来のアメリカを描くディストピア小説。21世紀版『侍女の物語』と称されているので、紛れもなくフェミニズム本である。

装丁の川名潤は、過去記事で取り上げた『ある大学教員の日常と非日常 障害者モード、コロナ禍、ウクライナ侵攻』『絶縁』でも顔のない女性のイラスト表紙本を手がけている。『ある大学教員の~』は榎本マリコ装画。『絶縁』はフェミニズム要素を含む日韓小説アンソロジー。

 

■邂逅:クンデラ文学・芸術論集

www.kawade.co.jp

Une rencontre

発売:2020.3.5 河出書房新社 河出文庫

著:ミラン・クンデラ 訳:西永良成 カバー装画:ササキエイコ カバーデザイン:川名潤

ジャンル:人文書

 

チェコスロバキアの巨匠ミラン・クンデラによる小説・絵画・音楽・映画評論。クンデラの代表作『存在の耐えられない軽さ』は、プラハの春を背景に男女の愛憎を描き、しばしばフェミニズム批評でも取り上げられるが、本書は直接的なフェミニズム書ではない模様。

装丁は『声の物語』と同じく川名潤。装画は、ササキエイコがバラバラに描いたモチーフを川名がコラージュして作られたそう。中心の人物は男女がわかりにくいが、個人的には女性表象に見える。

 

 

ササキエイコは、フェミニズム関連書籍としては岩川ありさ『物語とトラウマ:クィア・フェミニズム批評の可能性』、川野芽生『Blue』を手がけているほか、彩瀬まる『まだ温かい鍋を抱いておやすみ』ではキム・ジヨンの装丁担当である名久井直子とタッグを組んでいる。

 

■増補 女性解放という思想

www.chikumashobo.co.jp

発売:2021.5.12 筑摩書房 ちくま学芸文庫

著:江原由美子 カバーイラスト:ササキエイコ カバーデザイン:六月

ジャンル:人文書

 

1985年刊行の同名書籍の増補版。女性解放の運動と理論が直面した対立や批判、矛盾やその破綻を描く論考集で、直球のフェミニズム本である。

カバーイラストは『邂逅:クンデラ文学・芸術論集』と同じくササキエイコ。こちらは既存作品である。

 

 

装丁の六月は、本記事後半で取り上げる『透明人間 Invisible Mom』『労働系女子マンガ論!』でも顔のない女性表象イラスト表紙を手がけている。

 

 

1985年の単行本版の表紙も女性表象のイラストだが顔が描かれており、雰囲気も大きく異なる。

 

 

 

 

■指名手配作家

www.futabasha.co.jp

発売:2022.3.10 双葉社 双葉文庫

著:藤崎翔 カバーイラストレーション:旭ハジメ カバーデザイン:岡本歌織(next door design)

ジャンル:サスペンス

 

公式によると「ピカレスク・サスペンスホームコメディ」。担当編集者を殺してしまった男性小説家が主人公なので、装画は男性表象と思われる。人物の顔を隠すことがサスペンスの演出として使われるパターンであり、過去記事で取り上げたミン・ジヒョン『僕の狂ったフェミ彼女』に発想が近い。

 

 

装丁の岡本歌織は、ウェンディ・ウォーカー『まだすべてを忘れたわけではない』、小砂川チト『家庭用安心坑夫』『猿の戴冠式』、デイジー・ジョンソン『九月と七月の姉妹』で榎本マリコとタッグを組んでいる。本記事では、『指名手配作家』のほかにも8冊の岡本歌織装丁の書籍を取り上げる。顔のない女性表象イラスト表紙は岡本歌織が得意とするデザインなのかもしれない。もちろんすべてが岡本氏の発案とは限らないが(わたしは商業本のデザイン決定プロセスに詳しくないが、編集者がイニシアチブを握る場合も多いと聞く)。

 

2019年4月19日刊行の単行本の文庫版。単行本版の表紙も人物のイラストだが顔が描かれており、雰囲気も大きく異なる。

 

 

■心音

www.kobunsha.com

発売:2022.7.13 光文社 光文社文庫

著:乾ルカ カバーイラスト:ゆどうふ カバーデザイン:岡本歌織(next door design)

ジャンル:小説

 

心臓移植手術を受けた少女の波乱の人生を描く小説。公式によると「骨太の社会派エンターテインメント」。臓器移植を扱う創作物のセオリーから判断すると、背を向けているほうの少女は主人公に心臓を提供したドナーなのかもしれない。

このまとめ記事では、顔を隠しているのではなくただ背を向けているだけの装画は基本的には取り上げていないのだが、本書は岡本歌織装丁なので取り上げてみた。前項で述べたように、岡本歌織は顔のない女性表象イラストを用いたデザインを多く手がけている。

 

2019年4月18日刊行の単行本の文庫化。単行本版の表紙は人物画ではなく抽象画である。

 

心音

心音

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乾ルカの著作は、『奇縁七景』が2015年7月20日刊行の単行本版・2018年3月9日刊行の文庫版ともに顔が花で隠れた女性のバストアップイラスト表紙である。どちらもキム・ジヨン刊行以前のことなので、キム・ジヨンとは関係がない。こちらは谷川千佳装画、坂野公一(welle design)装丁。

 

奇縁七景

奇縁七景

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■二木先生

www.poplar.co.jp

発売:2022.9.6 ポプラ社 ポプラ文庫

著:夏木志朋 装画:Ney デザイン:岡本歌織(next door design)

ジャンル:小説

 

2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。

2020年9月刊行の単行本はタイトルが『ニキ』で、表紙も異なる。

 

ニキ

ニキ

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単行本版・文庫版ともにデザインは岡本歌織。変更の経緯やイラストの意図は担当編集の野村浩介によって公表されている。

 

note.com

岡本さんはNeyさんに「二木先生の個性や尊厳を他者から侵害されて汚されているようなイメージで、目の当たりを塗り潰したような絵を描いていただきたい」とお願いしたという。

 

イラストがあがってきたとき、ぞくっとした。目元を覆う線は青、緑、オレンジ、黒といったいろんな色がつかわれていた。それは教師・二木の内面の複雑さを表しているようでもあったし、美しいものを台無しに汚してしまうエゴの奥に秘密のメッセージをしのばせているようでもあった。

 

■ピエタとトランジ

bookclub.kodansha.co.jp

発売:2022.10.14 講談社 講談社文庫

著:藤野可織 カバー写真:getty images カバーデザイン:岡本歌織(next door design)

ジャンル:小説

 

女性探偵と女性助手のバディもの。フェミニズムの文脈で高く評価されている。

帯をつけると女性二人、帯を外すとドクロになる凝ったデザイン。こちらも装丁は岡本歌織。

 

 

2020年3月刊行の単行本版の文庫化。単行本版の表紙も女性表象のイラストだが顔が描かれており、雰囲気も大きく異なる。

 

 

■心の壊し方日記

sayusha.com

発売:2022.11.2 左右社

著:真魚八重子 装画:西祐佳里 装幀:albireo(アルビレオ)

ジャンル:エッセイ

 

気鋭の映画評論家が自身の人生を赤裸々に語ったエッセイ。表紙は榎本マリコに通ずる優美なタッチのバストアップだが、草花ではなくキノコがあしらわれているのが珍しい。帯の植本一子の言葉「これは彼女だけの物語 そして私たちの人生にも共通する話──」は、榎本マリコの作品集『空と花とメランコリー』の帯「今を生きるすべての女性に捧ぐ── それは誰でもなく誰でもある肖像」を連想させ、読者の感情移入を狙った装画であることが推測される。

 

本書は直接的なフェミニズム関連書籍ではないようだが、著者の真魚八重子は映画雑誌『映画秘宝』の数少ない女性論者としてフェミニズム批評を手がけていた。ただし、本書にも記述がある2021年1月の映画秘宝元編集長の迷惑DM送信事件は、関係各所からは未だ的を射た謝罪がなされていない状態である。真魚氏はこの事件に対する立ち回りを巡って、批判の域を超えた誹謗中傷に晒され、大きな心労を被っている。しかし、DMを送信された被害者に相談なしに事件について書いたことと、被害者に二次加害的な言動を繰り返したことに関しては真魚氏は加害者の立場でもあり、誠実な対応が要請されている。発刊当初行われていた、「SNS炎上と自殺未遂」といった映画秘宝DM事件の被害者と真魚氏の自殺未遂とを直接的に結びつけるかのようなプロモーションは左右社によって謝罪・訂正がなされており、断片的な対応は行われているが、騒動は未だ泥沼化したままである。

 

sayusha.com

 

個人的には、本件は真魚氏個人の問題である以上に、著者のメンタルケアを怠った左右社の問題でもあると感じる。著者が精神的不調によりDM被害者への対応まで手が回らない状態なのであれば、出版には時期尚早であったと思わざるを得ない。しかし、書いて世に出すことでしか癒されないメンタリティがあるのもわかる。そして、書いて世に出した以上、「まだ傷が生々しい」などという留保は通用せず容赦のない批判(誹謗中傷ではなくても)に晒されるのは、創作物の宿業とはいえむごいことだ。わたしは真魚氏にも被害者の方にもまったく関わりのないただのインターネットユーザーだが、本件のことは今も気にかかっている。

 

 

 

 

■スター

publications.asahi.com

発売:2023.3.7 朝日新聞出版 朝日文庫

著:朝井リョウ カバー写真:小浪次郎 カバー装幀:川名潤

ジャンル:小説

 

朝井リョウは現代社会の空虚さや病理をテーマに多数執筆している。直接的なフェミニズム関連書籍ではなくても、現代思想の一つとしてのポリティカルコレクトネスやジェンダーを扱った作品は多いと思われる。

こちらは2020年10月7日刊行の単行本の文庫化。単行本版の表紙は男性表象の顔のあるイラストで、雰囲気は大きく異なる。

 

文庫版の装丁は川名潤。先述したように、『ある大学教員の日常と非日常 障害者モード、コロナ禍、ウクライナ侵攻』『絶縁』『声の物語』『邂逅:クンデラ文学・芸術論集』でも顔のない人物表象のイラスト表紙本を手がけている。

 

■飽きっぽいから、愛っぽい

bookclub.kodansha.co.jp

発売:2023.3.22 講談社

著:岸田奈美 装画:高妍 装丁:岡本歌織(next door design)

ジャンル:エッセイ

 

note出身作家によるエッセイ。本書は直接的なフェミニズム関連書籍ではないようだが、岸田奈美はX(Twitter)ではフェミニズム要素のある発信で人気を博している。

このまとめ記事では、顔を隠しているのではなくただ背を向けているだけの装画は基本的には取り上げていないのだが、本書は岡本歌織装丁なので取り上げてみた。先述したように、岡本歌織は顔のない女性表象イラストを用いたデザインを多く手がけている。


■マナートの娘たち

www.tsogen.co.jp

Alligator

発売:2023.4.11 東京創元社

著:ディーマ・アルザヤット 訳:小竹由美子 装画:Elise Wehle 装丁:岡本歌織(next door design)

ジャンル:小説

 

シリア系アメリカ人作家によるデビュー短編集。アラブ系移民2世の女性たちの生き方、 #MeToo 以降の映画業界、シリア・レバノン系移民夫婦が被害を受けた実在の事件など、フェミニズム的トピックを多く扱っている。

装丁は同じく岡本歌織。

 

■たまたま生まれてフィメール

www.heibonsha.co.jp

発売:2023.5.12 平凡社

著:小川たまか 装画:浜野令子 装幀:岡本歌織(next door design)

ジャンル:エッセイ

 

性暴力事件を追った取材に定評のある著者によるフェミニズムエッセイ。

装丁は同じく岡本歌織。装画は浜野令子による既存作品。

 

 
 
 
 
 
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■蒸気駆動の男:朝鮮王朝スチームパンク年代記

www.hayakawa-online.co.jp

기기인 도로 汽機人都老 

発売:2023.6.20 早川書房 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ

著:イ・ソヨン、チョン・ミョンソプ、パク・エジン、キム・イファン、パク・ハル 訳:吉良佳奈江 カバーデザイン:川名潤

ジャンル:SF小説アンソロジー

 

蒸気機関が発展した、パラレルワールドの李氏朝鮮王朝を舞台とするスチームパンク・アンソロジー。

装丁は川名潤。先述したように、『ある大学教員の日常と非日常 障害者モード、コロナ禍、ウクライナ侵攻』『絶縁』『声の物語』『邂逅:クンデラ文学・芸術論集』『スター』でも顔のない人物のイラスト表紙本を手がけている。

 

■ミセス・マーチの果てしない猜疑心

www.hayakawa-online.co.jp

MRS.MARCH

発売:2023.7.4 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫

著:ヴァージニア・フェイト 訳:青木千鶴 カバーイラスト:Q-TA カバーデザイン:albireo

ジャンル:ミステリ

 

「信用できない語り手」型のサイコミステリ。

装丁のalbireoは、先述した『心の壊し方日記』も手がけている。

 

■鏡の国

鏡の国

鏡の国

Amazon

www.php.co.jp

発売:2023.9.13 PHP研究所

著:岡崎琢磨 装画:orie 装丁:岡本歌織(next door design)

ジャンル:ミステリ

 

帯には「本気の仕掛けを堪能せよ 装丁すら、伏線。」とあり、割れた鏡と女性が組み合わさったイラストも筋に関係しているらしい。装丁は岡本歌織。

 

■となりのブラック・ガール

www.hayakawa-online.co.jp

THE OTHER BLACK GIRL

発売:2023.9.20 早川書房

著:ザキヤ・ダリラ・ハリス 訳:岩瀬徳子 装画:ヤマダユウ 装幀:岡本歌織(next door design)

ジャンル:サスペンス

 

黒人女性を主人公にした「次世代のBLM小説」であり、フェミニズムを扱っていると思われる。装丁は岡本歌織。

 

■夫よ、死んでくれないか

www.futabasha.co.jp

発売:2023.10.18 双葉社

著:丸山正樹 写真:Gabriel isak 装丁:albireo

ジャンル:ミステリ

 

結婚生活に不満を抱えた女性たちが主人公のミステリ。女性の顔が草花ではなくカラスで隠れているのが不穏さを盛り上げている。装丁は『心の壊し方日記』『ミセス・マーチの果てしない猜疑心』のalbireo。

 

 

 

■透明人間 Invisible Mom

透明人間 Invisible Mom

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発売:2023.12.8 タバブックス

写真・文:山本美里 寄稿:山崎ナオコーラ、櫛野展正 装幀:六月

ジャンル:写真集

 

タイトルの透明人間は、ケア労働を担う母親たちが周縁化されることの比喩であり、装画はベールをかぶって顔が見えない人物の写真である。

 

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“見えないもの”とされているすべての母親たちへ—

『透明人間 Invisible Mom』は、重い障害を持つ「医療的ケア児」にずっと付き添う母親山本美里さんが、校内で“わたし”自身にカメラを向け、自分を表現するとともに社会の問題に言及する写真集です。

 

学校での待機中「気配を消してください」と求められた自分を「透明人間」と呼ぶ山本さん。「母親」「お母さん」はじめ、社会の中で「見えないもの」として透明になって生きている一人ひとりへエールを送る一冊です。

 

不可視化されるものとしての透明人間表象は、過去記事で取り上げた『男性性を可視化する――〈男らしさ〉の表象分析』でも用いられている。

 

 

■労働系女子マンガ論!

tababooks.com

発売:2023.12.11 タバブックス

著:トミヤマユキコ 装画:浜野令子 装丁:六月

ジャンル:評論

 

「女性と労働」表象を読み解く漫画評論。版元のタバブックスは、先述した『透明人間 Invisible Mam』のほか、小川たまか『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』やイ・ミョンギョン『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』など、フェミニズム関連書籍を多く出版している。

装画の浜野令子は、先述した『たまたま生まれてフィメール』も手がけている。

装丁の六月は、先述した『増補 女性解放という思想』『透明人間 Invisible Mom』でも顔のない女性表象イラストを表紙に用いている。

 

■互換性の王子

www.suirinsha.co.jp

発売:2023.12.22 水鈴社

著:雫井脩介 装画:IQGM 装丁:名久井直子

ジャンル:サスペンス

 

異母兄弟が対立するサスペンス。装画のIQGMは頭がコアラの人物画を多く制作している。

 

 

装丁の名久井直子は、『82年生まれ、キム・ジヨン』のほか、榎本マリコの作品集も手がけている。

 

■眠っている間に体の中で何が起こっているのか

www.soshisha.com

発売:2024.2.7 草思社

著:西田昌規 装丁:五十嵐徹

ジャンル:医学

 

一般向けの医学書。著者は睡眠医学・精神医学ジャンルで多数執筆している。

装丁の五十嵐徹は、過去記事で取り上げた『意識をゆさぶる植物』(亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅣ-11)でも顔のない女性イラスト(マグリットの作品)を表紙に用いている。

 

 

■コンプルックス

コンプルックス

コンプルックス

Amazon

www.sunmark.co.jp

発売:2024.3.20 サンマーク出版

著:クノタチホ

ジャンル:小説

 

帯には「女装家心理カウンセラーが挑む、ルッキズム小説」とあり、フェミニズム要素を含むことが推察される。

調べても装画・装丁担当者の情報が出てこなかったので、ご存じの方は教えてください。

 

 

以上、キム・ジヨン以降の顔のない女性のイラストが表紙のフェミニズム本および関連情報でした。

 

引き続き観測を続けていきたいと思います。