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ジェンダークィアによるメンズコスメレビュー100本ノック その9:電撃復活した資生堂インウイがメンズコスメの商法そっくりな件

 

 

 

当ブログでは、「ジェンダークィアによるメンズコスメレビュー100本ノック」と題して、女性の境遇で暮らすジェンダークィアの美容好きの目線から、さまざまなメンズコスメをレビューしてきた。

過去回はこちら。

 

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わたしはテストステロン投与(男性ホルモン治療)を受けているが、女性から男性への「性別移行」を目指しているわけではなく、男性ジェンダーに帰属意識はない。しかし、AFAB*1のジェンダークィアとしても、そしてわたしの生活を規定するもう一つの属性である精神障害者としても、メンズコスメが持つ可能性に注目しているので、メンズコスメの奥深い世界をより理解するために、身銭を切って100個のコスメを買って使ってレビューしているのである。

 

第9回となる今回は番外編として、メンズコスメではなく、INOUI(インウイ)というレディース分類のコスメブランドを考察していこうと思う。インウイはわたしが見たところ、宣伝の仕方がなぜかメンズコスメにそっくりなのだ。これはぜひメンズコスメレビュー100本ノックのシリーズで紹介したいと思った次第です。なお、インウイの販売開始は2023年9月21日であり、この記事を執筆している9月10日現在はまだ発売されていないので、実際に使用してみてのコスメレビューではありません。ご了承ください。

では、やっていきます。

 

 

 

 

1.インウイとは

INOUI(インウイ)は資生堂が運営するコスメブランドである。2023年9月21日に発売を控えているが、新しいブランドではなく、元々1976年から2002年まで活動し販売終了していたブランドが再始動したのである。復活がアナウンスされたときは30代・40代の方を中心に大きな話題を呼んだ。なおわたしはリアルタイム世代ではなく、知識にもなかったので、この復活劇で初めてインウイの名を知った形となった。ちなみにわたしが、世代ではないけれどあとから知って好きになったブランドはFSP(フリーソウルピカデリー)です。復活してほしい。

 

飛行機、空港、理科の実験などをモチーフにしたスタイリッシュでコンセプチュアルなデザインがとても好みです。世代だった方の思い出語りを読んで好きになりました。

pinkpeco.hatenablog.com

blog.goo.ne.jp

 

かつての公式ホームページはアーカイブで閲覧することができます。

web.archive.org

 

話が逸れた。インウイの話に戻る。

ネットの情報によると、インウイは1976年、日本・アメリカ・イタリアの資生堂スタッフが共同で研究開発したメイクアップブランドとして誕生。1985年に日本に逆輸入の形で広まり、20代後半からの働く女性を中心に幅広い世代にアプローチしてきたが、2003年に販売終了したそうである。

わたしは2003年までのインウイをまったく知らないので、現在の広告等と当時のそれとを比較して語ることはできない。あくまで現在のインウイだけを見ての感想となるが、このブランド、めちゃくちゃメンズコスメっぽいんですよ。

現在のインウイの公式サイトはこちら。

 

https://media.wwdjapan.com/wp-content/uploads/2023/07/10210740/1-25.jpg

 

inoui.shiseido.co.jp

 

公式インスタグラムはこちら。

 

www.instagram.com

 

 

 

2.そもそも、メンズコスメの特徴とは

インウイの「メンズコスメっぽさ」を語っていくために、そもそもメンズコスメっぽさはどのように特徴づけられるのかを見ていこう。

わたしが今までメンズコスメを観察して使ってきた体感として、メンズコスメの大きな特徴はおおむね以下の4点である。

 

①従来的な男性ジェンダーに親和的な事物のイメージを引用している

②女性の肌やメイクと比較して男性の肌やメイクを差別化している

③ジェンダーレス、エイジレスなどターゲットを幅広く設定している、倫理的配慮を強調している

④寒色・無機質・シンプル・直線的なデザインである

 

多くのメンズコスメブランドが、①~④のいずれかあるいは複数を組み合わせて商品を設計し、宣伝・販売していると思う。

それぞれ解説する。

 

①従来的な男性ジェンダーに親和的な事物のイメージを引用している

ほとんどのメンズコスメブランドが、いわゆる「男らしい」とされる事物を連想させるブランドコンセプトや商品コンセプト、商品名を採用して、男性に親近感を持ってもらおうとしている。

具体例は枚挙に暇がない。たとえば、日本初のメンズメイクアップブランドFIVEISM×THREE(ファイブイズムバイスリー)のマニキュアであるネイルアーマーは、商品名の「鎧」で戦いを連想させ、さらにそのカラー展開はクラシックカーをコンセプトとしている。「戦い」も「高級車」も、従来的には男性のものとされている。

 

www.instagram.com

 

ネイルでいうとORBIS Mr.(オルビスミスター)のネイルケアプロテクター、Magnifique(マニフィーク)のネイルシールドも、それぞれ「防具」と「盾」で「戦い」のイメージを用いている。

 

 

 

FIVEISM×THREEはほかにも、ジッポライターをデザインソースとしたアイシャドウであるアイシェードトランスで「煙草」のイメージ、日焼け止めであるFFシークレットエージェントUVで「スパイ」のイメージを用いている。スパイはさらに転じて、現代人の男らしさのイメージ形成に大きく関与してきたジェームズ・ボンドを連想させるだろう。

 

www.instagram.com

 

www.instagram.com

 

ヘアケアやネイルが有名なナチュラルコスメブランドuka(ウカ)は、あまり知られていない気がするがuka for MENというメンズラインを出している。頭皮用化粧水であるuka for MEN E Scalp Tonicは、商品説明欄には一言「頭皮がみなぎります。」と書いてある。嘘みたいだが本当に「頭皮がみなぎります。」とだけ書いてあるので公式サイトを見てください。

 

uka.co.jp

 

頭皮がみなぎるとはまるで意味がわからないが、一般的な語法で「みなぎる」に接続されがちなのは元気・闘志・力など、エネルギッシュで、どちらかというと男性的なイメージと言えるのではないだろうか。メンズコスメということもあり、個人的にパッと思い浮かんだのは「精力」からの「セックス」のイメージだったが。

 

2023年にローンチしたばかりのメンズコスメブランドDebug(デバッグ)は、皮脂汚れ・たるみ・毛穴開きなどの肌トラブルを「加齢とともに増える『男肌エラー』」と呼んでいる。デバッグやエラーといった「パソコン」「プログラミング」のイメージも、どちらかというと男性に紐づけられる(もちろんIT業界で働く女性は大勢いるが、ここではごくごく表層的なジェンダーイメージが取り上げられている)。

 

item.rakuten.co.jp

 

男性専門のメンズ総合美容クリニックであるゴリラクリニックも実はコスメをプロデュースしている。その名もゴリラコスメティクス。イメージされているのは言わずもがなゴリラだ。レディースコスメで猿をコンセプトにするなんて考えられないことだが、ゴリラは猿の中でも筋骨隆々・知性的・イケメン(名古屋の東山動物園の「イケメンゴリラ」もネットで話題になりましたよね)などポジティブなイメージが強いようだ。

 

gorillacosmetics.com

 

コスメからは外れるが、メンズ日傘ブランドIZA(イーザ)は、武士の掛け声「いざ!」を商品名の由来としており、男性と「武士」のイメージが重ねられている。

 

wpc-iza.jp

 

具体的を挙げていると本当にきりがないのでこれくらいにしておくが、多くのメンズコスメブランドはこのように「男らしい」コンセプトを採用しているのである。

 

 

 

②女性の肌やメイクと比較して男性の肌やメイクを差別化している

従来女性のものとされてきた美容分野を男性にも希求するために、多くのメンズコスメブランドは女性の美容と男性のそれとは異なるのだと説く。ここには、男性が「女性らしい」とされる行動を取ることが「女々しい」「オカマっぽい」などと嘲笑されてきた背景があり、根底にはこの社会に蔓延するミソジニー(女性蔑視)とホモフォビア(同性愛蔑視)がある。女性の美容との差異を強調することは場合によってはこれら悪しき風潮を助長することに繋がりかねないが、企業としては利益を優先せざるを得ないのが現状であろう。

先に取り上げたFIVEISM×THREEは、ステルスメイク(STEALTH MAKEUP)というスタイルを提唱している。公式サイトには「さりげなく自分を良く見せてくれる 自然なメイク『ステルスメイク』。ほんの少し肌のトーンや質感を整えるだけで、 顔の印象は劇的に変わります。」「女性のような『色鮮やかなメイク』でなく、自然と健康的に魅せるのが『ステルスメイク』。」とあり、メイクをしているとバレないナチュラルなメイクを指すようだ。ここでは、男性のメイクは女性のそれよりも自然でさりげないものであるとされている。

 

www.threecosmetics.com

 

ORBIS Mr.は、「作らず、繕わず。あなたらしい自分へ、ここから。Not making, not mending. From here to yourself as you are.」というキャッチコピーを掲げている。公式サイトにはほかにも「あなただけの魅力」「ありのままのあなた」といった言葉が踊っており、ここでも女性のメイクは暗に作為的で画一的であるとされている

 

www.orbis.co.jp

 

また、スキンケアコスメにおいては、「男の肌は複雑」「実は繊細」「実は乾いている」など、差別化を超えて男性の肌を特権化するような表現も多く見られる。メンズコスメブランドNANAROBE MOON(ナナローブムーン)のオールインワンジェルであるナナローブムーン エマルジョンモイスチャライザーの商品説明には、「オイリーなのに乾燥しやすい。実は繊細な男性の肌から生まれる様々な悩みをケアする」とある。

 

www.nanarobe.net

 

ちなみにNANAROBE MOONはブランド名の通り月をコンセプトにしており、「優しい月明かりのような肌へ」「移り変わる月のカタチのように変化する男性の肌に」といった比喩を用いている。月は従来的には女性的なものの比喩に使われるので、珍しい印象を受けます。当たり前だが、すべてのメンズコスメブランドがステレオタイプに当てはまるわけではない。

 

メーカー各社も、男性の肌を女性のそれよりも複雑で繊細であるとするweb記事を出している。

 

brand.finetoday.com

 

www.kao.co.jp

 

marielan-cosme.com

 

なお、特権化とは書いたが、これらは男性がヨイショされている証拠とみるのではなく、女性同様に男性もまた美容分野において脅されはじめたとみるのが妥当であろう。ケアをしないとマイナス何歳肌になるとか、アラフォーになって後悔するとか、不安を煽るような商法はレディースコスメでは定番中の定番である。しょせんマーケティング目的の言葉と思って、男性も女性もそれ以外も、話半分に聞くことをおすすめする。

 

③ジェンダーレス、エイジレスなどターゲットを幅広く設定している、倫理的配慮を強調している

メンズコスメの歴史はレディースコスメのそれよりもずっと浅く、現代の産物である。メンズコスメっぽさは今っぽさでもある。よって、「トレンド」としての「ジェンダーレス」「エイジレス」「サスティナビリティ」「エシカル」などを標榜しているメンズコスメブランドは多い。本気で取り組んでいるブランドもあれば、それっぽいカタカナ語を浅薄に並べ立てているだけのブランドもあるだろう。それは消費者が一つ一つ判断していくしかない。

また、倫理的配慮を強調するのは、コスメに肌や顔をよくする以外の付加価値をつけて、消費体験に特別感を演出する試みでもあるかもしれない。男性は肌や顔がよくなるだけでは動かないと判断されている可能性がある。

なお、ジェンダーレスに関しては、ジェンダー問わず使えるというと聞こえがいいが、実態は男が買うだけでは採算が合わないから女の財布もあてにしているケースも多いのではないだろうか。

 

④寒色・無機質・シンプル・直線的なデザインである

デザイン面でいうと、暖色よりは寒色、曲線的・装飾的よりは直線的・シンプルなデザインが多い。メンズ服などと同じである。

パッケージだけではなく商品も、レディースコスメでは通常黒色ではないものをわざわざ寒色・無彩色で作るケースがある。たとえば、レディースではスクワランオイルが有名なHABA(ハーバー)は、BIGAKU/美学(すごい名前ですね)というメンズラインを出している。石鹸であるブラックフォースソープは、黒色をしている。

 

https://www.haba.co.jp/f/dsg-000902

 

ファミリーマートの「俺のスイーツ」シリーズが軒並みチョコレート入りで黒色だったのを思い出しますね。

 

韓国コスメブランドVTのシカフォーメンシリーズのフェイスパックは黒色である。レディースのフェイスパックはおおむね白色だ。先述のブラックフォースソープは美容成分として竹炭が配合されているので、まだ黒色にする意義がある気がするが、こちらは本当にただ黒色で作ってあるだけである。

 

https://cdn-7361.cafe24img.com/vtcosmetics/web/product/extra/big/202304/1de71b5c6cb26f98103b0d9e173e5c18.jpg

vtcosmetics.jp

 

LIPPS BOY(リップスボーイ)のフェイスパウダーは、パフがグレーである。しかも、商品説明に「男性でも抵抗なく使いやすい様に、中のパフの色をグレーに。」と明記してある。レディースコスメのパフは多くがベージュ色だ。

 

lipps-product.com

 

 

以上4点が、わたしが思うメンズコスメの特徴です。

 

 

 

3.インウイとメンズコスメの類似点

さて、インウイの話です。インウイは上記4点にどのように当てはまるのだろうか。

 

①従来的な男性ジェンダーに親和的な事物のイメージを引用している

新生インウイの商品は、資生堂初のテクノロジー、「ヒューマン&光コントゥアリング技術」によって作られている。この技術は、「受ける光」と「発する光」を科学し、吸収発光&反射コントロールで光と影を生み出して、3次元で色、質感、骨格、肌を際立たせるというものだそうだ。

 

https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5794/2435/5794-2435-4e700631b1fb0f7d2939b9fce59701f9-801x258.jpg?format=jpeg&auto=webp&quality=85&width=1950&height=1350&fit=bounds

出典:生まれもったものが、あなたを最も美しくする。自分美の時代へ。新・インウイ 誕生 ~2023年9月21日(木)発売~|株式会社資生堂のプレスリリース

 

また、独自の3Dデジタル分析システム 「inoui iD分析」なる分析を行い、「顔の骨格やパーツの3D解析」×「資生堂独自の顔立ち分析」×「パーソナルカラー分析」を融合したインウイのオリジナルコンテンツをもとに、個々人の魅力のポイントやニーズを捉えつつカウンセリングを行うらしい。

 

https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5794/2435/5794-2435-9ee7404c88cf786f4bb404b17656103a-1105x490.jpg?format=jpeg&auto=webp&quality=85%2C75&width=1950&height=1350&fit=bounds

出典:生まれもったものが、あなたを最も美しくする。自分美の時代へ。新・インウイ 誕生 ~2023年9月21日(木)発売~|株式会社資生堂のプレスリリース

 

わかったようなわからないようなという感じですが、どれだけの信憑性があるかはべつとして、「エビデンス」を重視しアピールする姿勢は表層的なイメージとしての「理系」に近く、男性的であると言えるのではないか。もちろん本来理系・文系に男も女もないし、そもそも理系・文系の区別自体相対化されるべきものだが、ここではごくごく表層的なイメージを取り上げている。

 

②女性の肌やメイクと比較して男性の肌やメイクを差別化している

新生インウイが提唱するのは「自分美」である。

 

多様性や個性の時代と言われ「自分らしさ」がフォーカスされている一方で、自身の顔の自分らしさが何であるかを答えられる人が少ないことがわかりました※2。また、人と比較しコンプレックスと捉えた悩みの解決策としてのメイクや、人に与える印象を意識したメイク、自分の顔をトレンドにより合わせていくメイク等をすることで、自分も他人も同じメイク印象になっていくことに着目しました。

 そこで、インウイはグローバルのマクロトレンドである「外見も内面も自分らしく生きることが快適で自分を幸せにする」といった「人間回帰」からインスピレーションを受け、自分が持って生まれたものを魅力として捉えなおし、自由に表現していく「自分美」を提案します。

 

出典:生まれもったものが、あなたを最も美しくする。自分美の時代へ。新・インウイ 誕生 ~2023年9月21日(木)発売~|株式会社資生堂のプレスリリース

 

ここには、従来の女性のメイクを作為的・画一的・没個性的であるとする世界観が見て取れる。これがメンズコスメブランドの常套手段であることはすでに述べた通りだ。また、「自分の生まれ持つ骨格や色、質感を主役に、“自分美”の基盤を形成するアイテム」としてまずはベースメイク(化粧下地、パウダーファンデーション、クリームファンデーション、ルースパウダー、ハイライター)とアイブロウ(リキッド、ペンシル、パレット)を出しているのもメンズコスメそっくりである。メンズコスメもまずはベースと眉から発売されることが多く、ポイントメイクは後回しにされる。

 

 

 

③ジェンダーレス、エイジレスなどターゲットを幅広く設定している

新生インウイは、今のところ女性以外のジェンダーに向けた惹句を明確には使っていないのでこの点は保留である。しかしパッケージなどの印象はそれっぽいのではないでしょうか。

なお、インウイは90年代にはジェニー・シミズをビジュアルに起用していた。ジェニー・シミズは日系アメリカ人モデルでグラマラスな白人モデルが主流だった時代にデビューして一世を風靡した。レズビアンでもある。

 

現在のジェニー・シミズのインスタグラム。

www.instagram.com

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なお、「人間回帰」を謳うブランドがメンズコスメっぽく見えるのは、人間のデフォルトがmanであり男性であるから人間を目指すと女っぽく感じられなくなるという認知バグも働いているかもしれない。コスメに限らず、近年「ジェンダーレス」「ジェンダーニュートラル」なデザインとして差し出されるプロダクトは、どちらかというと男性的ではなかっただろうか。少なくとも、女性的とされる要素は削ぎ落されている。

フェミニズムが看破したように、「男性らしさ」も「女性らしさ」も社会的に作られた作為的なものである。その上で、「女性らしさ」のほうが、作為の度合いがより強いと、2023年を生きるわれわれの目には感じられるのかもしれない。

 

④寒色・無彩色・無機質・シンプル・直線的なデザインである

インウイのパッケージは寒色でも無彩色でもない。しかし、ビビッドな赤に英字ロゴのみを配した金属製のパッケージは、メンズコスメのそれに似た印象を与えるのではないだろうか。パッケージデザインは「半分保守・半分革新で先進的なクリエイションを反映した」(出典:資生堂が新生「インウイ」を今秋始動 化粧品専門店ブランドとして700店舗で発売 - WWDJAPANそうだが、詳しい意図は不明である。資生堂のアイコンカラーである赤が「保守」を担っているのだろうか。

 

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以上、インウイとメンズコスメの類似点を見てきた。ほかにも、昔のインウイが「ソーシャルステータスが高く働く社会派女性」(出典:資生堂が新生「インウイ」を今秋始動 化粧品専門店ブランドとして700店舗で発売 - WWDJAPANをターゲットとしていたことは、現代のメンズコスメブランドがホワイトカラーのオフィスワーカー男性しか相手にしていないことを連想させる。細かく見ていくとまだまだあるかもしれません。

コスメ業界で、一旦終了したブランドが復活するのは珍しいことである。今この時代になぜ復活しなければならなかったのか、そしてどのようなあり方を見せてくれるのか、今後を興味深く見守ろうと思う。

 

 

 

 

 

*1:assigned female at birth の略。出生時に女性を割り当てられること。出生時女性。AMAB=assigned male at birth は出生時に男性を割り当てられること。