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買うと売り上げの一部または全部が寄付に回る商品がある。寄付や慈善というと身構えてしまいがちだが、実は身近なお店で入手できたり、庶民でも手が届く金額だったりするものもあります。そのような商品のうち、わたしの個人的興味の対象である美容分野の商品を、当ブログで紹介していきます。このようなチャリティ商品は通常、金銭による直接的な支援および困難を社会に認知させることによる間接的な支援を目的として発売されるが、前提として企業による商業的戦略の産物でもある。よって、新自由主義に与することへの懸念や、困難が知名度や人気度によって序列化されることへの批判はあり得る。わたしも、買って使うだけで満足せずに、よりよいあり方を考え続けていきたいと思う。
過去に紹介したコスメはこちら。
今回は、シーチャンの日焼け止め、ルミネッセンスファビュラスUVシールドを紹介します。
1.ブランドについて
シーチャン(SRICHAND)はタイのコスメブランド。1948年にタイの漢方薬局からスタートし、70年以上もの歴史を誇る国民的ブランドである。動物実験をしないクルエルティフリーで、一部アイテムはヴィーガン処方でもある。
日本におけるタイコスメは、韓国コスメ・中国コスメのあとの次なるブームとして2019年ごろから美容雑誌などで取り上げられるようになった。タイは美容先進国であり、日本よりもずっと高温多湿の気候なのでコスメも皮脂や汗に強いものが多いという触れ込みであった。しかしその後、わたしの肌感覚では、タイコスメは韓国コスメ・中国コスメほどの大きなムーブメントにはなっていない。いくつかのコスメが輸入代理店を通じて散発的に日本上陸したものの、2023年11月現在、ブランド単位で知名度を得ているのはそれこそシーチャンくらいではないだろうか。「次はタイコスメが来る!」的なネット記事はこの5年間ずっと書かれ続けているが、本当に来るのはいつになるのだろうか。
シーチャンは、フェイスパウダーであるトランスルーセントパウダーが最も有名。大きめのドラッグストアやバラエティショップのアジアンコスメコーナーで定番品として入手することができる。
タイコスメ関連の最近のニュースといえば、この11月に開店したばかりの超大型商業施設・麻布台ヒルズにタイのナチュラルスキンケアブランドのタン(THANN)がオープンしたことだろうか。タンは、プチプラ価格のシーチャンとは違って高級路線のブランド。直営店は国内6店舗目で、麻布台ヒルズ店が旗艦店となる。麻布台ヒルズの話題に乗じて知名度を上げるかもしれない。
なお、タイが美容大国であるというパブリックイメージは、性別適合手術(SRS/Sex Reassignment Surgery)が盛んであることにも影響されていると思われる。たしかにタイはトランスジェンダーの性別適合手術に関しては先進国である。「世界で最も美しい顔100人」にも選ばれたトランス女性のノン・ポーイことタリーチャダー・ペッチャラットが「奇跡のニューハーフ」「美しすぎるオネエ」として日本のメディアに露出していたのも記憶に新しい。しかし、性別適合手術と美容医療を単純に同一視するべきではない点には注意が必要であろう。「オネエ」という言葉の差別性については言うまでもない。また、タイはたしかに性別適合手術の症例数は多いが、一概にセクシュアルマイノリティへの理解が進んでいるとは言えないようで、たとえば同性婚は法的には承認されていない(2023年11月現在、絶賛審議中)。ここらへんの事情は今回の記事の本筋ではないのでこれ以上は触れないが、表層的なイメージだけでなにかを語るのは慎みたいところだ。
2.商品について
価格:1980円 容量:40ミリリットル
今回取り上げる日焼け止めは、画家のタケダヒロキとのコラボシリーズのうちの一つである。タケダヒロキは日本の現代アーティストで、動物や草花の水彩画で人気を博しているそう。ヒロ・ヤマガタ的な洗練された親しみやすさのある作風みたいですね。
シーチャンとのコラボでは、容器に猫やウサギと草花を描いたコスメが2023年9月に限定発売された。日焼け止めのほかにはルースパウダー・プレストパウダー・コンシーラー・クレンジングウォーターがある。
ルミネッセンスファビュラスUVシールドは、クレンジング不要で洗顔料で落とせる日焼け止めである。SPF50+、PA++++。無香料で、若干の原料臭がするが許容範囲内。
スクリューキャップのチューブ容器。伸ばすと無色になるジェルで、白浮きせずよく伸びる。
製品情報は容器を包むビニールに書いてあるタイプで、開封してビニールを剥がしたら失われるので注意。
成分表を見た感じ、酸化チタン・酸化亜鉛などの紫外線散乱剤は不使用で、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなどの紫外線吸収剤を高配合しているようだ。紫外線吸収剤は化学物質ということで、肌に負担がかかるとして近年は忌避される傾向にある。しかし個人的には、紫外線散乱剤は粉体なので毛穴に詰まって白浮きするため、紫外線吸収剤メインの日焼け止めのほうが好みである。感覚過敏持ちのADHDとしては重要な使い心地も、紫外線吸収剤メインの日焼け止めのほうが滑らかでよい。日焼け止め特有のキシキシした感触が苦手な人は、紫外線吸収剤メインの日焼け止めを選ぶのがおすすめだ。
シーチャンは漢方薬局から始まった動物実験フリー・一部ヴィーガン処方のブランドということで、日本で言うといわゆるオーガニックコスメやナチュラルコスメの部類に入りそうである。オーガニックコスメ・ナチュラルコスメのブランドは紫外線吸収剤を忌避する傾向にあるので、シーチャンが使用しているのは意外だが、タイの強烈な日差しへの対策を優先しているのかもしれない(一般的に、紫外線散乱剤のみでは紫外線防御力の高い日焼け止めを作るのは難易度が高く、コストがかかる)。
なお、近年紫外線吸収剤が忌避されるのは、肌負担の問題だけではなく、海水に溶けると生態系に悪影響を及ぼす(とりわけ、サンゴの死滅の原因となる)とされていることも理由の一つである。ハワイ州やパラオ共和国など、特定成分を含む日焼け止めが禁止されている地域もある。そのような地域に行くことがあれば、オーシャンフレンドリー・サンゴフレンドリーとされている日焼け止めを持っていくべきだろう。日本だと資生堂アネッサからサンゴに配慮した日焼け止めが出ている。
3.支援先
タケダヒロキコラボアイテムは、日本国内の売上については利益の10%がNPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA/Japan Anti-Vivisection Association)に寄付される。
JAVAは1986年設立のNPO法人(特定非営利活動法人)で、動物実験の廃止を求める運動を中心に、世界各国の動物保護団体とも連携しながら活動を展開している。
当ブログとしては、動物実験をしていない化粧品メーカーを集めた『JAVAコスメガイド』に興味を引かれるところです。
また、タイ本国の売上についても一部が、障害のある動物を保護する非営利団体のมูลนิธิบ้านสงเคราะห์สัตว์พิการ(Home For Handicapped Animals Foundation)に食料やペットシーツなどの物品とともに寄付される。こちらの団体については公式サイトがタイ語なので詳細不明だが、障害のある犬猫の保護活動などを行っている財団のようだ。
コラボアイテムが発売された9月は、日本では20日から26日が動物愛護週間である(動物愛護管理法第4条による)。
わいを愛護しろ!
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— プレキャン中🎁🇹🇭タイ・中国🇨🇳コスメ JFラボコスメ (@jflabo_cosme) 2023年9月20日
本日9/20(水)12時より
限定発売開始🐰🎉
\https://t.co/5EWoEA2QP6
動物と草花を融合させた
水彩画を描く現代アーティスト「タケダヒロキ」
とのコラボデザインアイテム5種が限定登場🌼
9/20〜26は動物愛護週間ということもあり
タケダヒロキさんとの今回のコラボレーションが実現🐇💕… pic.twitter.com/ZtYwNwYJVE
4.入手方法
公式オンライン、楽天、Qoo10など各種オンラインショップで発売中。2023年9月発売だが、11月現在まだ在庫はある。現在Qoo10ではシリーズのセット販売のみのようだ。楽天がおすすめ。
5.まとめ
シーチャン ルミネッセンスファビュラスUVシールド タケダヒロキ限定パッケージ
■価格:
1980円
■寄付額:
利益の10%
■支援先:
NPO法人動物実験の廃止を求める会
■入手できる場所:
各種オンラインショップ
以上、シーチャン ルミネッセンスファビュラスUVシールドについてでした。
クルエルティフリーでヴィーガン処方のコスメについてはこちらから。