最終更新:2022.4.22
L'Arc~en~Cielが解○しましたね。めでたいことだ。
L'Arc~en~Ciel「虹」-Music Clip- [L'Arc~en~Ciel Selected 10]
ご存じない方に説明しておくと、2019年12月1日に、ロックバンドL'Arc~en~Cielが、突如「ラルク、解○」とだけ告知をして話題を呼んだんですね。○の部分にはなにが入るのか、すわ下界を解脱して神々の領域に到達してしまうのかとファンはざわつきましたが、結局、YouTubeとサブスク配信とインスタを解禁したよという、喜ばしいオチだったのです。
こういう、意図的に「解散」を匂わせてドキドキさせるような不穏なプロモーションは、ファンをいたずらに動揺させるし、反感を買いすぎると炎上するリスクもある。昨年はゆずが批判を浴びたのも記憶に残っているところだ(「今後に関わる重大なお知らせがあります」と深刻な雰囲気を演出しておきながら、弾き語りドームツアーの告知だったというオチ)。しかし今回に関しては、よく訓練されたドエル(ラルクのおたくの愛称)の皆様はおおむね、解散などとは疑わずに、バンド側の遊び心を楽しんでワクワクしながら答え合わせを待っていらっしゃった印象がある。バンドとしてのラルクの底力を目の当たりにした思いです。ライトなファンであるわたしも、改めて彼らの偉大さを実感した。すげえバンドだよ、本当に。
▼告知映像は、1998年に放映されたCMのリメイクという凝りよう。
さて、そうこうしているうちに1999年も年の瀬ということで、今年買ってよかったコスメをまとめたいと思います。あくまでわたし個人が今年初めて使ったもので、今年発売ではないものも含まれていますが、おおむね新しめの商品を選びました。すでにブログで紹介しているものも含む。
ちなみに、コスメの話はほとんどしていないのでご了承ください。
- 1.KATE フラッシュクラッシュNEO BK-1
- 2.ラブライナー ラブライナーリキッド グレージュ
- 3.キャンメイク カラフルネイルズ N37 ターコイズブルー
- 4.セザンヌ パールグロウハイライト 01 シャンパンベージュ
- 5.キャンメイク シェーディングパウダー 04 アイスグレーブラウン
- 6.エチュードハウス フェイスカラーシェーディング ジェントルシャドウ
- 7.ナチュラグラッセ UVパウダーコンパクト
1.KATE フラッシュクラッシュNEO BK-1
2014年11月発売(限定) 2グラム1800円
以前にレビューした記事はこちら。
1999年に発売されて大流行したアイシャドウ “フラッシュクラッシュ” の復刻版だそうです。1999年といえば、日本の音楽シーンでヴィジュアル系が大流行していた時期ですね。だからというわけでもないだろうが、個人的に、KATEというブランドにはヴィジュアル系的な雰囲気を感じています。ブランド設立は1997年。モノトーンで統一されたパッケージにギラッギラのラメ、デカダンな美学を感じるCM、モデルには中島美嘉や黒木メイサなどのわかりやすいクールビューティーを配するあたり、とってもコンセプチュアル。ここ数年のメイクのトレンドはリップメイク中心なのだが、それを知ってか知らずか頑なにアイメイクのコレクションを量産している謎の時代感覚もそれっぽいですね。公式サイトのURLが kate.jp とかじゃなくて no more rules.net なのもV系魂をくすぐってきません?
同じようにデコラティブな世界観を感じるプチプラブランドには、資生堂系列のマジョリカマジョルカ(2004年設立)があるが、こちらはもう少しキッチュに振れたイメージ。
たとえるなら、
LUNA SEA・Laputa・D≒SIRE・D-SHADEはKATE
MALICE MIZER・FANATIC◇CRISIS・Raphaelはマジョマジョ
みたいな印象を受けています。主観ですけども。
しかし、そんなKATEも、2020年の春コレでは久方ぶりにリップに注力するようで、「真実の唇。展」なる先行体験イベントも開催中である。謎に句読点を挟むセンスは、龍玄としさんの「マスカレイド・展」を思わせます。
90年代がとっくに終わり、2000年代も終わり、2010年代すら終わって2020年代が始まろうとしているように、コスメブランドも変化していくのだろう。今後を見守りたい。
さて、フラッシュクラッシュNEOの話である。
以前の記事にも書いたように、かっこいいオブジェとしては満点ですが、アイシャドウとしては0点です。すぐ粉飛び・粉落ちして、目の周りが真っ黒になります。Oh Cry For The Moon したり、virgin cry virgin cry 泣き明かしたりしたら、目の下がドロドロになること請け合い。古き良き名古屋系のメイクみたいに、下まぶたに黒い筋を入れたい方にはおすすめです。
2.ラブライナー ラブライナーリキッド グレージュ
2017年5月発売 0.55ミリリットル1600円
公式サイト LIQUID | Love Liner(ラブ・ライナー) オフィシャルサイト
ここ2年ほど、プチプラのアイライナーといえばラブライナーとモテライナーがなにかと比較される二大巨頭みたいな雰囲気ありますよね。以前にちらっと書いたように、わたしはウズバイフローフシのちょっとしたアンチなので、この二択であればラブライナーの肩を持ちたいところだ。元々、アイメイクはシンプルなのが好きなので、アイライナーにはあまり凝らない。オーソドックスなソフトブラックの繰り出し式をたまに使う程度だったが、微細な部分に凝りたい気分のときに筆タイプのものが一本あれば便利だと思い、購入に至りました。
近所のドラッグストアにはテスターがなかったので、仕方なく、試すことができないまま買った。田舎の小さい薬局だと、ラブライナーみたいな吊り下げ什器系のブランド(専用の棚がなくて、別ブランドと並んで吊り下がってる系のブランド)はテスターがないことが多くて不便です。
▼白紙に描いてみるとこんな感じ。
▼パッケージ裏。
幸い、狙った通りの好みの色で助かりました。公式によると “グレーとベージュの掛け合わせで透き通るようなニュアンスカラー” とのこと。本体がアルミ製で程よい重みがあるから、腕がブレずに安定するのもいい。弘法もラブライナーしか選ばぬほどの書きやすさ。さりげなく極細の跳ね上げラインを足したいときなどに使っています。また、まつ毛にフィニッシュパウダーが落ちて白くなってしまったときに、チョイチョイとなぞって黒色に戻すのにも使えます(マスカラを塗り重ねるよりも綺麗に直せるし、小回りが利くのでおすすめ)。
ところで、プチプラのアイライナーといえば、dejavu(デジャヴュ)も有名じゃないですか。もしdejavuのアイライナーを買ったら、“ミライ・カコ・イマ 人々のドラマ アイライナーはいつも dejavu” っていうネタをやりたいなと常々思ってるんですけど、買ってないのでできてないです。……ごめん、それだけ。
3.キャンメイク カラフルネイルズ N37 ターコイズブルー
2019年8月発売(限定品) 8ミリリットル360円
公式サイト カラフルネイルズ | CANMAKE(キャンメイク)
時代(とき)の風が強すぎてもう独りで歩けない気分なら、爪を塗ろう。紅に塗ろう。ターコイズブルーでもいい。何色でもいい。好きな色に染めよう。元気が出るから。終わりのないこの夜も、いつかは明けるから。あなたが選んであなたが塗った色彩は、片時も身体から離れず寄り添って、夜明けに震える心を抱きしめてくれるから。
以前にレビューした記事はこちら。
ADHD向け、ネイルのすすめの記事はこちら。
4.セザンヌ パールグロウハイライト 01 シャンパンベージュ
2018年9月発売 2.4グラム600円
公式サイト パールグロウハイライト : 商品ラインナップ : CEZANNE/セザンヌ化粧品
超キラッキラのハイライト。国産プチラコスメとは思えない輝度の高さに話題沸騰、一時期はどのショップでも売り切れていた記憶がある。2018年から19年にかけて、最もバズったコスメのひとつなんじゃないでしょうか。バズりにバズったからレビューしてる人いっぱいいるし、詳しくは他の人のレポを検索してください(丸投げ)。
ラメ感を目立たせるために、フラッシュを焚いて写真を撮ったらこんな感じ。
壊れるほど接写しても3分の1も(ラメ感が)伝わらない……
これはたしかに、外資コスメ並の輝きですね。
日本のコスメは総じて、欧米のコスメよりも色彩やラメ感が控えめだ。これは、日本ではナチュラルメイクが是とされているので強烈な発色は忌避されるのに加えて、欧米だと客のスキンカラーやスキントーンがバリエーション豊かに想定されているから幅広い色味が作られるという事情もあるのかもしれない。国産コスメはおおむね、黄色人種的なライトスキンしか想定していないですよね。とはいえ、いまや日本は世界でも有数の移民国家なので、これから変わっていくのかもしれない。
5.キャンメイク シェーディングパウダー 04 アイスグレーブラウン
2019年8月発売 5グラム680円
公式サイト シェーディングパウダー | CANMAKE(キャンメイク)
もう君なしじゃ生きられない SO 気付いてた。
待望の、グレー系シェーディング。プチプラのシェーディングパウダーはイエローブラウン系ばかりで、グレーブラウン系のものは本当になかったんですよ。パーソナルカラー診断でいうところのクールトーンの民(いわゆるブルーベース。PCサマーとPCウィンターが属するカテゴリー)は、グレーブラウン系のほうが似合うのに。ありがとうキャンメイク、ありがとう井田ラボラトリーズ。
既存色の03 ハニーラスクブラウンと比較すると一目瞭然。モーヴ味のあるグレーブラウンですね。顔面の、赤味のある部分に馴染みやすいので、ニキビ跡や毛細血管が目立つ小鼻と人中に使っている。皮膚の赤味が少ない輪郭部分のシェーディングは、赤味が少ないブラウンを使う(後述します)。人間の顔面は、部位によって皮膚の色味が微妙に異なるので、時間があるときはシェーディングも使い分けると自然に仕上がります。
▼パッケージ裏。顔型別、シェーディングの入れ方図つき。
発色は非常に薄く、ちょっと物足りなくはあるが、そのぶん失敗はしにくいです。つけすぎても、初期のX JAPAN・Toshlのようなゴリッゴリのノーズシャドウになる心配はありません。
6.エチュードハウス フェイスカラーシェーディング ジェントルシャドウ
2018年12月発売 5グラム800円
公式サイト フェイスカラーシェーディング|韓国コスメのエチュードハウス公式通販
ノーズシャドウは上で紹介したキャンメイクのアイスグレーブラウンを使うが、輪郭はこれで削る。グレーがかったブラウンで、クールトーン向け。キャンメイクのより赤味が少ないので、皮膚の赤味が少ない部位に向いています。
少し真面目にコスメの話をしますが、わたしは、コスメはスティック型が一番扱いやすいと思っている。なので、アイシャドウなども、パウダーアイシャドウではなくスティックアイシャドウ(クレヨンアイシャドウ)を愛用している。そこらへんの話は、過去の記事でも書いてきた。
同じように、ハイライトとシェーディングも、スティック型の製品が存在します。過去にわたしが試したことがあるのは、メイベリンのフェイスステュディオ Vフェイス デュオスティックだ。繰り出し式のクレヨン状で、ハイライトカラーとシェーディングカラーが一体型になっている。
しかしこちらは色味がイエローブラウン系で、ウォームトーン(いわゆるイエローベース)向けの商品だったので、わたしには合わなかった。色味が合う人は試してみてもいいんじゃないでしょうか。
公式サイト https://www.maybelline.co.jp/face/concealer/facestudio-v-face-duo-stick/6902395447160
7.ナチュラグラッセ UVパウダーコンパクト
2019年4月発売(限定品) 12グラム4000円
わたしは、いわゆる「ヴィジュアル系」に属する音楽が好きです。好きな理由をあえて考えてみるならば、ヴィジュアル系アーティストの、カッコつけることを恐れない姿勢が心地よいからかもしれない。
いま20代前半なので、ヴィジュアル系ブームの世代ではないが、中学生くらいから自発的に清春(ソロ)を聴くようになり、その流れでいろいろなアーティストを知り、かれこれ10年近く愛好している。このリラックス&エフォートレスの時代に、カッコつけることを恐れない、カッコつけることをカッコいいこととして発信する姿勢が好きなのです。昨今、カッコつけることはすっかりカッコ悪いこと扱いされ、理想を語ると嘲笑され、冷笑的な態度こそが「リアル」だとされています。そんな中で、ヴィジュアル系アーティストたちは、音楽性に妥協しないのは大前提として、さらに衣装からアルバムアートから、トータルプロデュースを徹底して、全方位的な「カッコよさ」を追求している。彼らの姿勢は、正義が根腐れしつつあるこの国において、一筋の光のように思えるのです。
しかし、中学生くらいの頃は、「ヴィジュアル系好き」を公言することはできなかった。どこか恥ずかしく思っていました。それって結局、ミソジニーなんですよね。メディアはヴィジュアル系を、「ミーハー」な若い女性が「イケメン目当て」で聴く軽薄な音楽だと暗に蔑んでいた(そもそも、べつにイケメン目当てでもその人の勝手でしょうに)。ヴィジュアル系の専門誌ですらそうでした。「男でも聴ける」が褒め言葉だし、「男性限定ライブ」が開けるくらい男性ファンが多いと実力の証として賞賛される。某有名バンドのデビューアルバムのライナーノーツに “女子供に独占させておくにはもったいないバンドである” と書いてあったのは、今でも記憶に残っています。古本屋で90年代から00年代くらいの音楽雑誌を読み漁っているうちに、そういう空気感をわたしも内面化してしまっていたんですね。
ということで、ヴィジュアル系とオーガニックコスメは、わたしの中では似たような箱に入っています(強引にコスメの話に繋げていくスタイル)。
オーガニック(コスメに限らず、それっぽいライフスタイル全般)、苦手でした。具体的に不愉快な思い出があるわけでもないのに、苦手意識があった。今となっては、それもまたミソジニーゆえだったとわかります。わたしの中の、「オーガニックが好きな人」のイメージは……ナチュラルなファッションに身を包んでいて、身体によさそうな食事を手作りして、常に微笑みを絶やさず、穏やかだけどどこかPTA(※概念)的な、頑固で非合理的で、規範を押しつけてくる、“スピリチュアルおばさん” だった。わたしのイメージでは、オーガニックは、非常に女性的な文化でした。古今東西、女性が担う文化は、価値が低いものとみなされがちです。わたしも、オーガニックという文化を見下していた。
また、オーガニックにつきまとう「ていねいな暮らし」のイメージも、わたしが苦手とするところでした。わたしは鬱のADHDです。早寝早起きをし、自家製の野菜で自炊し、豆からコーヒーを淹れ、草木染めの服を着るような、シンプル&ナチュラルな暮らしを営むことは不可能です。わたしにとって、「ていねいな暮らし」とは、いわば究極の「健常者の暮らし」だった。あくまで個人的なイメージですが。
ミソジニーによる偏見と、ルサンチマンによる苦手意識と。そんなこんなで無意識に敬遠してたオーガニックコスメに手が伸びるようになったのは、ここ2年くらいのことです。なにか明確なきっかけがあったわけではありません。自分が敏感肌であることを自覚して、敏感肌向けのコスメを探しているうちに、「自分に親和的なもの」として自然に受容できるようになったのかもしれません。劣っていて低い場所にあるものや、実現不可能な高みにあるものではなく、自分のすぐ隣にある「わがこと」として。
わだかまりが消えてみれば、オーガニックコスメは、なんのことはない、ただのコスメの選択肢に過ぎませんでした。この、ナチュラグラッセのUVパウダーもそうです。選択肢として開かれているから試してみて、気に入ったから購入した。それだけのことでした。
脈絡なくつらつらと書いてしまいましたが、以上です。
商品自体の話を全然してないけど、過去にいくつかの記事で取り上げたので、そっちを読んどいてください。
以上、わたしの2019年のベストコスメ紹介でした。
▼全員集合させてみた。コスメはほかにもいろいろ買ってるんですが、とりあえずこの7個をベストにしますね。
私のおじいさんがくれた初めてのヴィジュアル系
それはLUNA SEAで私は四歳でした
その味はキスミー・イン・ザ・ストーミィで
こんな素晴らしいShadows of my LUVをもらえる私は
きっと特別なスレイブなのだと感じました
今では私がぉ化粧盤溺愛(*´∀人)v ゴルチエ ピンクハウス 錯乱状態Type-A 特技はod←
孫にあげるのはもちろん夢のないコ・ノ・セ・カ・イ
なぜなら彼もまたトリガーだからです
……こんな調子で、2020年も、よりよい美容ライフを試みていこうと思います。
本年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。
苦しいことも悲しいことも、皆さんそれぞれにあったことと思います。わたしにもありました。
それでも、2019年、よく生き延びました。あなたもわたしも。
来年も生き延びましょう。
よりよい明日を試みていきましょう。
生き溺れても、また春に会いましょう。