プチプラのアイクリーム3種類使ってみたレポ、または内面化されたエイジズムへの懺悔と希望

ぼちぼちアイクリームというものに手を出している。電子書籍を読んだり映像編集したり文章を書いたりと、パソコンとにらめっこする趣味が多いので、目まわりのケアはしておくに越したことはないだろう。コスメは基本的にバイブス発生装置でしかないと思っているが、目元の保湿に関してはわりと実際的な必要性を感じています。

手元にあるのは、プチプラの代表的なアイクリーム3種類。それぞれ半年ほど使ってみたので、感想を書いていきます。長いです。

 

最初に言っておくが、3つとも効果に関してはよくわかりませんでした。有益なレビューは期待しないでください。毎日欠かさず使ってもないし(疲れた日は休んでいる。平均すると週3くらい?)。この手の商品は、劇的に効果が見えるなんてことはなくて、ふと使用を中断したときになってはじめてあれっ?と気づくものがある、程度のテンションなのだと思っている。


また、できてしまった真皮シワが基礎化粧品で消えることも医学的にあり得ない*1ので、シワが消えることは最初から求めていません。乾燥による浅いシワなら改善するかもしれないが、わたしのこの目頭のシワがどっちのシワなのかなんて判断つかないし。

 

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アイクリーム3種レビュー

1.フローフシ THE アイクリーム

フローフシ THE アイクリーム

フローフシ THE アイクリーム

 

公式サイト THE EYECREAM|アイケア、一新。FLOWFUSHIから本気のアイクリームを、すべての女性へ。

 

7.5グラム2500円。チューブ容器。ADHDがクリーム系コスメを使うなら、容器はチューブに限ります。
薄いベージュ色の伸びのいいクリーム。伸ばすと色は残らない。かすかにフローラルな香り。


プチプラのアイクリームといえばフローフシ(現ウズバイフローフシ)というイメージがあり、手始めに買ってみた。
特徴的なとんがった蓋は、先端で目元をツボ押しするためのものとのこと。ツボ押しマッサージしながら塗り込むことを公式が推奨しているが、個人的には、そもそもマッサージは有益なのか? という疑問が先立つ。諸説あるところだと思うが、わたしは、素人のマッサージは摩擦で肌負担になるリスクのほうが大きいよ派です。リフレッシュ目的でたまーに行うときは、オイルを全顔にたっぷりつけて、極限まで摩擦を減らすことにしている(個人の意見です)。アイクリームはさほどたっぷり塗りつけるようなものではないし、そんな状態で顔よりも薄くて繊細と言われている目元の皮膚をむやみに触りたくはなかったので、マッサージなしで普通に塗ってしまいました。こめかみを揉むくらいはしてみたけど。

 

2.フローフシ THE まつげ美容液

フローフシ THE まつげ美容液

フローフシ THE まつげ美容液

 

公式サイト まぶたに塗るだけ。まつげ美容液は、次のステージへ。|THE MATSUGE BIYOU-EKI

 

5グラム1200円。チューブ容器。
透明の固めジェル。無臭。


こちらはまつげ美容液だが、アイクリームにもなるとのこと(ネットの口コミだと、むしろアイクリームとして評判がいい印象がある)。
THE アイクリームよりも被膜感が残るが、気になるほどではない。まつ毛は伸びた気もするし、気のせいな気もする(ちなみに、まつ毛はかなり短いほうです)。いずれにせよ、塗り続ける意欲が湧くほどの効果ではなかったです。

そんで、以下は商品関係なく、フローフシというブランド自体への私見(ネガティブ)になるんですけども。
フローフシは、2018年9月に突如ブランド終了を発表したかと思いきや、2019年3月にリニューアルして舞い戻ってきて物議を醸した。リブランディング自体は構わないのだが、その告知の仕方と文体に引っかかるところがあり、それ以来あまりいい印象を持っていませんごめんなさい。ブランド自体が完全に消滅するのかと誤解させるような曖昧な告知文は、やめるやめる詐欺・買い占め特需狙いと揶揄されたのも頷ける。現流通品が順次廃盤になるのかすぐに引き継がれるのかくらいはさっさと明言しないと、一番困るのはフローフシのヘビーユーザーである。いろいろな事情があったかとは思いますが。また、坂本龍馬を持ち出すセンスもちょっと……合わないなあと思いました。


そのほかにも、そもそもコスメのネーミングセンスが謎だったり、総じてわたしのバイブスを上げてくれないので、個人的にはもうフローフシで買い物をすることはないかもしれません(アイクリーム2種は、リブランディングの発表よりも前に購入していた)。バイブスを上げるためにコスメを買っているのだから、それがないのなら淡々と別のブランドを選ぶまでのことです。一消費者としての、ごく単純で私的な選択である。商品自体は斬新で便利そうなものもあるし、指名買いする固定ファンが多いのもわかるし、超少人数体制ならではの身軽さも面白そうだとは思うのですが。

 

3.なめらか本舗 目元ふっくらクリーム

なめらか本舗 目元ふっくらクリーム 20g

なめらか本舗 目元ふっくらクリーム 20g

 

公式サイト 目元ふっくらクリーム|なめらか本舗|常盤薬品工業

 

20グラム900円。チューブ容器。なめらか本舗のバラエティパック(オールインワンとマスクが欲しくて買った)に入っていたので使ってみました。


白に近いベージュ色のクリーム。ごくナチュラルなパールが入っていて、軽いトーンアップ・クマくすみ隠し効果があるのがメリット。
トーンアップといっても微々たるものですが、そのごくわずかな効果でだいぶ助かるものがあるのは実感としてよくわかります。
ローティーンの頃は、血色ツヤツヤ健康的な感じよりも、不健康で儚げで影がある雰囲気に憧れたものだが、今となっては、不健康な感じはただただ不健康さとして顔に現れる。前日深夜の疲れた目元が、形状記憶マスクみたいに翌日の朝もしっかり張りついている。チークレスのクールなメイクが、一歩間違えるとただの顔色悪い人になる。漫画『地獄のガールフレンド』で、28歳の悠里さんに向かって、31歳の加南さんと36歳の奈央さんが「顔立ち変えるためにメイクしてるようじゃまだひよっ子だよ」「大人の女はすこしでも健康ぶるために化粧するのよ」と力説するシーンがある。わたしは20代前半で、悠里さんよりも歳下だけど、加南さん、奈央さん、あなたたちの言葉が少しはわかります、と言わせてください。


しかし、上からメイクをするなら微々たるカバー力には意味はないし、むしろアイメイクがヨレてしまった。決してコンシーラー代わりにはならない。あくまで、ちょっとしたすっぴん補正程度でしょうか。少々使いどころに悩む商品でした。

 

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▲腕に伸ばしてみたところ。出しすぎた感が伝わりますでしょうか。乳液並みに伸びがいいので、ほんの少しで十分です。

 

4.おまけ CHANEL ブルーセラムアイ 目もと用美容液

シャネル CHANEL ブルー セラム アイ 15mL [並行輸入品]

シャネル CHANEL ブルー セラム アイ 15mL [並行輸入品]

 

公式サイト ブルー セラム アイ 目もと用美容液 - スキンケア - CHANEL


サンプルをいただいたもの。本家は15ミリリットル8000円で、みんな大好きポンプヘッド容器なので取り上げてみた。
刺激とまではいかないが、微かな清涼感があり、保湿感は少ない。エタノールが高配合(水・グリセリンに次いで3番目に記載)で、敏感肌としては目元に塗り続けるのは躊躇われました。


CHANELのブルーセラムシリーズはコンセプトが凝っていて、

ブルー ゾーン。それは、世界のどこよりも人々が健康的に長く生きている、4つの特別な場所。コスタリカのニコジャ半島、イタリアのサルディーニャ島、ギリシャのイカリア島、そして日本の沖縄のことを指します。シャネルは、ブルーゾーン由来の3つの植物から有用成分を高濃度で抽出。それらを繊細な目もとの肌の為に開発された成分、アイコンプレックスと合わせ、初めて一つの目もと用美容液に配合しました。(公式サイトより)

とのことで、よくわからないが、とてもすごいってことみたいです。隅々までストーリーを詰めて消費者の気持ちを盛り上げてくれる姿勢が最高。これだからデパコスは楽しい。

 

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▲CHANELの一番いいところは、顔面にCHANEL塗ってる人になれるところなんでね。効くとか効かないとかはまったく別次元の話です。


以上、アイクリーム3種(+おまけ)を使ってみた感想でした。

 

そもそもアイクリームは必要なのか

そもそも、目元の保湿は必要だとしても、アイクリームという専用アイテムを使う必要はあるのかという疑問がある。普通の乳液やオイルを、全顔に塗ったあとに目元に重ね塗りするだけではだめなのか。
ざっと調べてみましたが、目元の皮膚は繊細なのでとりわけ刺激に弱いこと、皮膚が薄いので重い油分は馴染まない可能性があることが、アイケア専用アイテムの存在意義となっているようですね。それでも、敏感肌用で自分の肌に合う軽めの油分を意識的に与えるのではだめなのか? という疑問は消えない。継続して買うとなると、今のわたしにとっては高い買い物だし。
よって、今あるものを使い切ったらアイクリームを買うのはいったんやめるという暫定的な結論にて、とりあえず過ごしてみることにしました。試してきた3つが今の自分には合わなかったのかもしれないし、今後また欲しくなったときに改めて検討することにした。ただ、アイクリームを経験したことで、目元を意識して保湿する習慣が定着したように思う。これは成果でした。

 

加齢は悪なのか

目頭にシワを発見したのは21歳のときだ。わたしが顔をしかめたときの表情の通りにくっきりと刻まれている、いわゆる表情ジワというやつ。わたしはそんなに頻繁に顔をしかめていたのだろうか。まあ、21歳のときは人生がうまくいってなくて二度も入院したりしてたので、当然かもしれませんか。

それでも、ショックでなかったと言ったら嘘になる。まだ若者の範疇であるはずの21歳だったからショックだったのではなく、最初のシワは何歳であっても多少はショックに感じただろうと思う。女は若ければ若いほど価値があるとか、25歳を過ぎたら売れ残りとか、その手の呪詛がいまだにわたしの中から消えていない証拠のように思えて、それも嫌だった。


いまだに消えていない、というのは、人権感覚のアップデートを歴史の流れとして考えたときに、仮にも平成生まれの自分の中にすらいまだに、という意味です。

平成生まれだろうがなんだろうがこの国に生まれたからには、さまざまな差別や、固定観念や、偏見や、セルフ呪詛や、諸々のどろどろしたものからは逃れ得ない――加害者としても被害者としても――と、自覚していたはずだった。それでも、どこかで自分だけは自由になれたつもりだったのかもしれない。

 

わたしは恵まれていた。
ド田舎の二世帯住宅で、母親を素で「家来」と呼ぶ父親(昭和20年代生まれ)の元に育ったが、幸いにも家族仲が非常に険悪だったため、母の味方だったわたしは、父親や祖父母の価値観をあまり鵜呑みにせずに済んだ。
ド田舎ではあったが、図書館が近所にあった。父親の前で本を読んでいると怒鳴られたが(女に学問は必要ないため)、図書館へ行けば邪魔されない。まずは本に足元を舗装してもらった。それから、音楽に寄り添われ、絵画に洗われ、演劇に鼓舞され、映画に導かれて、わたしは実家を生き延びた。セルフケアできるだけの自己肯定感を回復してからは、ファッションとメイクにも勇気をもらった。髪を金髪に染めて帰省したときには、父親に「そんな頭では呉樹家の敷居は跨がせない」と怒鳴られた。しかしその頃には、「じゃあブルドーザーで帰省して敷居という概念を無くせばいいんじゃない?」と言って慰めてくれる友人を得ていたから、耐えることもできた。
偉大な先達もいた。フェミニズムという言葉が一応は浸透した時代で、本の中で彼ら彼女らに教わることができた。ネットのおかげで、先駆者の生き方を垣間見ることもできた。たとえば、10代の頃にkemioを知ることはできなかったけれど、10代の頃に雨宮まみを知ることはできていた。


女として生まれたことで、つらいことにも、悲しいことにも、悔しいことにも、理不尽な目にも、決して誰にも言えないような目にも、人並みに遭ってきた。それでも、心の中には仲間がいて、わたしは一人ではなかった。
わたしは恵まれていた。

 

それでも、シワができるのは嫌なことだった。歳を取るのは怖いことだった。
ここが、わたしの限界だった。

 

しかし、「平成生まれ」が若年層である時代も終わりつつあるのだ。あっという間に令和生まれが物心つき、成人し、社会を動かす時代になる。
社会が飛び石を踏むように進歩していくのだとしたら、わたしは、わたしという石をできる限り遠くまで飛ばしておきたい。
大した飛距離でなくてもいい。わたしはわたしの行けるところまでを進む。わたしを踏んで、若い世代が先を行く。わたしが、数々の先達を踏んできたのと同じように。


もしかしたらわたしは、自分自身を完全に救済することはできないまま寿命を終えるのかもしれない。呪詛を解毒しきれないまま力尽きるのかもしれない。

それでも、わたしは飛び石なのだとしたら、前に進む努力をやめる理由にはならないのだ。

 

アンチエイジングではなく、ウェルエイジングのために

最近、ウェルエイジングという言葉を知った(どこで知ったのかは失念)。アンチエイジングの言い換えではなくて別個の意味があるようだが、個人的には、アンチエイジングという言葉を避けるための代替品として気軽に使っている。
ウェルエイジング。Well Aging.
このなめらかでかろやかな響きが、今のわたしの宙ぶらりんな気持ちには合っている気がする。

 

歳を取ることは怖いことでも嫌なことでもないと、わたしはとうに知っている。年齢を重ねるごとに自由になって 、足取りが軽くなるのだと知っている。数々の先達がそう言っているのを見てきたから。それが見栄でも建前でも誤魔化しでもない、それぞれの人生をかけて獲得した真理なのだということがちゃんと伝わってくるから。

 

憧れのあの人たちの真理が、早くわたしの真理にもなりますように。

焦っても仕方がないから、せめてじっとして待っている。目元の保湿とかしながら、待ち続けている。

 

 

 『地獄のガールフレンド』は、教科書とかに載って全国民の必読書になってほしいなと思います。引用した「顔立ち変えるためにメイクしてるようじゃまだひよっ子だよ」「大人の女はすこしでも健康ぶるために化粧するのよ」のエピソードは、第2巻に収録。女はいつでも健康ツヤツヤでいなきゃダメなんで誰が決めたんだよー。疲れた顔しててもべつにいいじゃんね。人間だもの。

 

 

公式サイト ザ セム カバーパーフェクション チップコンシーラー 6.5g 全8色 ザセム公式オンラインショップ

 

クマ隠しのコンシーラーは、ザセムの有名なやつを使っている。今やプチプラのコンシーラーの大定番ですね。少し前までは資生堂のスポッツカバーファウンデイションが王道だったような記憶。

 

 

ヴィセ リシェ コンシーリング ベース 肌になじむベージュ 25g

ヴィセ リシェ コンシーリング ベース 肌になじむベージュ 25g

 

公式サイト 化粧下地 コンシーリング ベース | Visee<ヴィセ>

 

ザセムのような、クマもシミもニキビも毛穴も、あの日の悲しみさえあの日の苦しみさえ、そのすべてを隠してくれる系のハイカバーなコンシーラーがなんとなく気分じゃないときは、ヴィセのコンシーリングベースを使っている。コンシーラーと下地の中間という珍しいアイテムで、BBともファンデとも下地ともつかない、絶妙なカバー力と素肌感がいい。ややマットな仕上がり。少し乾燥するので保湿はしっかり。白井瑶さんがおすすめされていたので買いました。

 

*1:厚生労働省の承認を得て正式に「真皮シワの改善」を謳っているクリームは、2019年7月現在、ポーラのリンクルショット・エリクシールのエンリッチドリンクルクリーム・ONE BY KOSÉのザ・リンクレスの3つだけ。いずれも医薬部外品で、めちゃくちゃ高価。根気よく続ければ本当にシワが浅くなるらしいが、費用対効果としてはどうなんでしょうね。
バイブスを得たいだけならもっと安いクリームでいいし、本当にシワを消したいなら化粧品代を貯金に回してレーザーとか打ったほうが確実な気がするので、今のところ手を出す予定はない。