わたしは基本的に強い色のネイルが好きだが、強い色の欠点は、塗ったあとにはエネルギーを与えてくれるが塗る前には逆にエネルギーを消費することだ。強い色は、纏うにも多少の気力が必要なのだ。名前を失念したが有名なミュージシャンか誰かが「ウブロは元気がないとつけられない」と言っているのを見たことがあるが、それに似ているかもしれない。ウブロは100万円は下らない高級腕時計で、つけたらさぞかし気分がいいだろうが、身を守るための鎧がそれ自体重たいのと同じで、つけるにもエネルギーが要るのである。
エネルギーを得るためのわずかなエネルギーすらない気分のとき、わたしはよく緑のネイルを塗る。赤や黒は意味を主張するので疲れる。クールダウン色の青ですら「静かな色」という意味がある。緑が一番、語りかけてこないのだ。色相でいうウォームトーンの黄色とクールトーンの青色の中間で、季節感が薄く、ジェンダーステレオタイプに結びつけられることも少なく、究極の安心・調和・中庸の色だと感じる。
今回は、おすすめのグリーンのネイルを4つ紹介します。黄緑やターコイズやカーキではなく、ど真ん中のグリーンに近い色を集めました。
- 1.ネイルマティック NMピュアカラー マイキー
- 2.ネイルズインク ネイルケール ブルトンミューズ
- 3.RMK(アールエムケー) ネイルラッカー 15 トロピックグリーン
- 4.アンドバイロムアンド グラッシードロップネイル GN01 アボカド
- 補足 BDS運動とコンビニコスメ
1.ネイルマティック NMピュアカラー マイキー
価格:2310円 容量:8ミリリットル
1本買うならこれがおすすめ。ネイルマティック(nailmatic)はヴィーガンネイルブランドで、製品はすべて動物性成分フリー・クルエルティフリー。マイキーは定番色で、やや青味の濃いグリーン。速乾かつ1度塗りで発色するので疲れているときも楽。画像はトップコートなしの1度塗りだがツヤも十分。
ハケは幅広ラウンドカットで、ワンカラーネイルには最適。本当に速乾なので、ベースもトップもなしにサッと塗ってすぐ外出することもできる。
製品情報はこちら。
寄付できるコスメの記事でも紹介しました。ネイルマティックは毎年10月の乳がん啓発月間に合わせてチャリティネイルを発売している。
その他のヴィーガンネイルのまとめはこちらから。
2.ネイルズインク ネイルケール ブルトンミューズ
価格:3080円 容量:14ミリリットル
黄味寄りのグリーンが好みならこっち。常緑樹の硬い葉っぱみたいな暗めグリーン。1度塗りで高発色。
ハケは幅広ラウンドカットで塗りやすさ満点。
製品情報はこちら。
NAILKALE Bruton Mewsnailsinc.jp
ネイルズインクのほかの色やサービスは過去記事でレビューしています。ちょっといいネイルはプレゼントにもおすすめ。
3.RMK(アールエムケー) ネイルラッカー 15 トロピックグリーン
価格:2200円 容量:8ミリリットル
透け感が美しいやや青味・ややくすみのダークグリーン。
左から1度塗り・2度塗り・3度塗り。
二重蓋構造で液が劣化しにくい。ハケは先端が直線カットのタイプ。小回りが利くのでネイルアートにもよさそうだ。
製品情報はこちら。
4.アンドバイロムアンド グラッシードロップネイル GN01 アボカド
価格:550円 容量:5ミリリットル
アンドバイロムアンド(&nd by rom&nd)は韓国コスメブランドロムアンドのローソン限定ブランドである。仕事帰りにワンコインで気軽に買えるネイルといったらこれ。大人気で一時期は品薄だったが、2024年1月現在はだいぶ手に入りやすくなっている。
GN01 アボカドは前項のRMKと同じ透け感タイプだが、白味がありミルキーに発色するのが相違点。キュートな印象になる。
左から1度塗り・2度塗り・3度塗り。
ハケは小さいながらも毛量多めで塗りやすい部類。
製品情報はこちら。どうしてもピントが合わなくてすみません。
以上、おすすめのグリーンのネイル4選でした。
ほかにもネイル関係の記事はたくさんあるので見て行ってください。
補足 BDS運動とコンビニコスメ
単体では中庸の色と感じられる緑も、実生活においては文脈によってさまざまな意味を帯びる。パレスチナの旗においては、汎アラブ色と呼ばれる4色のうちの1つとしてアラブ世界の歴史を表現している。
2023年10月から進行しているイスラエルによるパレスチナの民族虐殺に対して、日本にいる人間としてできることの一つが、イスラエル支援企業に対するボイコットである。BDS運動(Boycott, Divestment, and Sanctions/ボイコット、資本引き揚げ、制裁)と総称されるこの活動をより効果的にし、また日常生活と両立して持続可能なものにするため、ある程度優先順位を決めてボイコット先を絞って戦略的に行う必要がある。BDS Japan Bulletinが発信する情報によると、伊藤忠の子会社である伊藤忠アビエーション株式会社は、イスラエルの軍需産業を支える最大手企業エルビット・システムズと戦略的協力覚書を締結し、イスラエルに武器・軍事テクノロジーを提供している。よって、伊藤忠関連会社であるファミリーマートの自社ブランド製品のボイコットが呼びかけられている。
上記記事に挙げられているブランドはファミマル・コンビニエンスウェア・FAMIMA CAFÉであるが、ファミマ限定コスメブランドであるソポも自社ブランドの一つであろう。
また、セブンイレブンはイスラエルに出店し、現地ではイスラエル兵士の身分証明書を提示すると食品を50%オフにするキャンペーンも10月以降実施されている。アメリカ資本のフランチャイズ契約なので日本のセブンイレブンと直接的な関係はなく、ボイコットしても効果が薄いためか、BDS Japan Bulletinによる優先ボイコット対象とはなっていない。
セブンイレブンにも限定コスメブランドのパラドゥがある。
今回紹介したローソンも三菱商事の子会社であり、三菱は三菱UFJイノベーション・パートナーズ(MUIP)としてイスラエル企業に資金提供をしている。ローソンも、ファミリーマートの伊藤忠のほうがより直接的に関与しているためか優先ボイコット対象とはされていない。
おのれの便利な生活が誰かの屍の上に成り立っていることは、広くリベラルを自認する人なら薄々感じるところであっただろう。感じつつ見て見ぬふりをしてきたのを、いよいよ見て見ぬふりできなくしたのは、2020年からのCOVID-19禍であったとわたしは思う。医療従事者やエッセンシャルワーカーと呼ばれる人々の過酷すぎる労働環境は、それまで見過ごされてきただけで以前からあったのだ。しかし「コロナ明け」ムードが蔓延して久しい2023年、いい加減底が抜けたと感じていたあのころよりもさらに痛ましい形で、足元を流れる血の量を実感することになるとは思っていなかった。
ジェノサイドの一刻も早い停止を願っている。