敏感肌ADHDが生活を試みる

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2020年5月6日の日記:美容垢のTLを見てると、おこもり美容でキレイになろうとしている人と収入減で首吊ろうとしている人が入り混じってて地獄

 

 

 

夕暮れ空。

 

タイトルの通り、地獄である。雑多なトピックを扱うメインアカウントのほうではすでに顕在化している分断が、美容アカウントにも波及してきたのだ。#PillowChallenge #BlanketChallenge とか、おこもり美容とか、おうち時間を優雅に楽しむアイディアがバズる一方で、リモート不可な業種に就いている人々は今日も感染に怯えながら満員電車に乗り、医療従事者は過労死寸前まで搾取されている。職を失って、自らを吊るす一歩手前にいる人もいるだろう。もう実行した人もいるかもしれない。わかりやすいように美容垢のTLを例に挙げたが、このような分断はどの界隈でも観測できるんじゃないでしょうか。ステイホーム期間を優雅に使って、積ん読に手をつけたり、絵などの芸術を嗜んだり、新しく語学の勉強を始めたりしている人がいるかと思えば、職を失って絶望と焦燥に焼かれている人や、感染の恐怖に怯えながらリモート不可な職場で重労働を強いられている人がいる。なんという分断、なんという格差。そんなわたしは地方の通信制大学生で、幸いCOVID-19の影響を強く受ける立場ではない。でもわたしの大切な人たちは違う。親友の一人は看護師である。寡黙で、自分のことを語らない。いわゆるクローズ就労で、苦しいことはたくさんあるはずなのに、表に出さない。そんな彼女すら、弱音を吐いた。悲痛なLINEが届いて、その日のうちに支援物資を送った。段ボールを大急ぎで準備しながら、自分の鈍感さに歯ぎしりした。もっと早く気づけばよかった。東京の大病院のコロナ急性期病棟で看護師をしていて、大丈夫なはずがなかったのだ。東京では入手不可となっている不織布マスクも、わたしの居住地ではまだ買えるから、箱ごと詰めた。台所をひっくり返して、自分用に備蓄していたレトルト食品とお菓子をありったけ詰めた。でも、こんな大きな荷物はポストには入らない。対面受取しなきゃいけない。そもそも家に帰ることができていなかったらどうする? 再配達を頼む気力すらなかったらどうする? この荷物にウイルスがついていたらどうする? 満杯の荷物をひっくり返して、ウェットティッシュで製品一つ一つを拭いた。こんなウェットティッシュすら東京では品薄らしい。未開封のものを一パック入れる。郵便局に走る。

あまりにも、先が見えない。

この日記にオチはない。祈りの言葉で結ぶ常套手段も使う気になれない。感染症禍には祈ることができるかもしれないが、愚策による人災を前に祈ることができるほど従順にはなれない。

 

***

 

 

 

2020年5月6日に書き散らし、あまりにもオチがないので眠らせていた日記を公開する。
この記事に出てくる看護師の友人とは、過去記事に書いた、音信不通になった友人その人である。つい先日、ひょっこりと連絡が来てやり取りが復活したので、この日記のことを思い出した。普段から多くを語らない彼女のことなので、その心中は窺い知れないが、強いて知る必要もない。生きていてくれたら十分だ。

 

彼女を含む医療従事者の友人から聞いた内容とほぼ一致する証言を貼っておく。このような地獄は、たった3年前に本当にあった。

 

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エッセンシャルワークの美名の下に搾取された尊厳は戻らない。わたしの中では、そしておそらく彼女の中でも、コロナはまだ終わっていない。