過去記事にて、比較的安価で入手しやすいヴィーガンネイルを6個紹介した。
ヴィーガン(vegan)とは、動物性成分を摂取しない主義およびそのような主義の人を指す。多くは食生活において適用されるが、皮革製品や動物実験を行った製品を利用しないなど、生活全般にも適用される思想である。詳しくは上記記事を参照してほしいが、ヴィーガンの思想は脱搾取および持続可能な社会の実現を最終目標とした包括的なものであり、日本語圏インターネットの一部で持たれているような高圧的・偽善的なイメージは誤りである。わたし個人としては、動物性成分を避けることは環境保全の面で有用であり、取り組む価値があるものと理解している。
一方で、ヴィーガンの思想のもう一つの柱として動物倫理・動物福祉の問題がある。動物にも権利を見い出し、人間の都合で動物に苦痛を与えたり殺生したりすることを否とする思想である。主にこの観点でヴィーガンを解説し推奨する論考にはピーター・シンガーの『なぜヴィーガンか?──倫理的に食べる』がある。
この思想に基づき、ヴィーガン製品は動物性成分を利用しないのと同時に、動物実験も行っていない(Cruelty Free、クルエルティフリー)。
わたし個人としては、動物の苦痛には今のところそこまで興味はない。しかしもちろん、動物実験をせずに済むならしないに越したことはないでしょう。そこで、手持ちのネイルの中で動物実験をしていないネイルを集めてみました。動物実験は行っていなくても、ヴィーガンを謳っていないということはなんらかの動物性成分を含有しているので、これらのネイルはおそらくヴィーガンネイルではない(※ヴィーガンの基準が国によって多少ぶれることから、あえて標榜しないケースもあります)。しかし、動物福祉に関心を持つ人にとってはよりマシな選択であるとはいえるかもしれません。
ヴィーガンネイルに比べたら、動物実験フリーのネイルは選択肢が多い。以下5ブランドのネイルは、たまたまわたしの手元にあったほんの一部である。動物実験フリーであると意識せずに買ったくらいなので、比較的入手しやすいブランドが多いのではないでしょうか。
- 1.LA PEAU DE GEM(ラポドゥジェム) ネイルポリッシュ
- 2.OPI(オーピーアイ) ネイルラッカー
- 3.to/one(トーン) ネイルポリッシュ
- 4.FIVEISM×THREE(ファイブイズムバイスリー) ネイルアーマー
- 5.NAILSINC(ネイルズインク) ネイルポリッシュ
1.LA PEAU DE GEM(ラポドゥジェム) ネイルポリッシュ
価格:1540円 容量:10ミリリットル
ラポドゥジェムはオンライン主体のブランドのようで、ZOZOTOWNなどでアパレルやコスメを展開している。
今回使ってみたのはnp-01 ジェムビリーフ。ラメかと思いきや、それ自体には輝きがないブラックのフレークを配合した面白いネイルです。液自体は透明。ホワイトに重ね塗りしたらダルメシアン柄ができそうだ。
紙に出してみたのがこちら。
着画は、過去記事で紹介したヴィーガンネイルであるレブロンのウルトラHDスナップの04 ブルーマイマインドに重ねている。ターコイズストーンっぽくしたかったのに、なんだか野鳥の卵みたいになってしまった。難しいですね。もっと活用したいので今後も試行錯誤することにする。
クルエルティフリー認証マーク:なし
LA PEAU DE GEM nail polish / gem belieflapeaudegem.com
2.OPI(オーピーアイ) ネイルラッカー
価格:1680円 容量:15ミリリットル
OPIは大容量中価格帯ネイルの中ではメジャーなブランドで、バラエティショップで入手できる。ヴィーガンネイルなのはヴィーガンラインであるネイチャーストロングシリーズだけだが、そのほかのラインも動物実験は行っていない。
画像は、7318 テルミーアバウトイトシュッド。青味にも黄味にも寄らないニュートラルなレッドで、まさしくザ・真っ赤な一本です。一度塗りでもしっかり発色する。
クルエルティフリー認証マーク:なし
3.to/one(トーン) ネイルポリッシュ
価格:1980円 容量:10ミリリットル
to/oneはオーガニックコスメのブランドで、オーガニックコスメ・自然派コスメ・ナチュラルコスメとかそのへんを扱うセレクトショップのコスメキッチンやメイクアップキッチンなどで取り扱いがある。過去記事にも書いたように、オーガニックコスメやナチュラルコスメは植物性成分が主原料であることを示す言葉で、動物性成分フリーであることを保証するものではない。また、植物性成分メインだからといって必ずしも肌に優しいとは限らず、食物アレルギーと同じで植物だからこそ刺激を感じる人もいます(これはヴィーガンコスメについても同様)。諸々、厳密な指標ではないので参考程度にするのがよさそうだ。to/oneは動物実験を行っていないことは公式サイトに明記してあるが、ヴィーガンとは書いていないので、なんらかの動物性成分を使用していると思われる。
画像は14 ストロベリーキャンドル。濃いフューシャピンクに近い赤色にも赤色に近い濃いフューシャピンクにも見える綺麗色です。個人的には赤に近いフューシャピンクだと思う。着画はなぜか赤寄りに写ってしまいすみません(画像加工を頑張ってもどうもうまくいかず)。
クルエルティフリー認証マーク:なし
4.FIVEISM×THREE(ファイブイズムバイスリー) ネイルアーマー
価格:2420円 容量:7ミリリットル
日本発コスメブランドのTHREEおよびメンズ向け派生ブランドのFIVEISM×THREEは、動物実験をしていない。ネイルはTHREEのほうが有名だが、わたしは持っていないので手元にあったFIVEISM×THREEを塗ってみました。画像は21 FRRGO9。グレイッシュなターコイズブルーで、ボトルにはわずかにパールが見えるが、塗ると見えなくなる。
FIVEISM×THREEについてはメンズコスメレビュー100本ノックの記事でたびたび触れています。
クルエルティフリー認証マーク:なし
5.NAILSINC(ネイルズインク) ネイルポリッシュ
価格:シリーズにより変動。2000~3000円台 容量:14ミリリットル
ヴィーガンネイルまとめの記事でも紹介したように、ネイルズインクのプラントパワーシリーズはヴィーガンネイルである。しかしほかのシリーズも動物実験は行っていない。
画像はジェルエフェクト ポーチェスタースクエア。血色感のないベージュネイルの記事でも紹介しました。
ネイルズインクはネイルとしては高額だが、カラバリ豊富でハケの質がよく塗りやすいのでつい集めたくなる。プレゼントにもおすすめです。
塗ったことがあるネイルズインクのヴィーガンライン以外の色の例がこちらになります。
クルエルティフリー認証マーク:なし
以上、動物実験をしていないネイル5選でした。
ヴィーガン食の実践についてはこちらから。