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日記:山口小夜子ネイルで山口小夜子展を観に行く

 

 

 

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1.「未来を創る 山口小夜子展」

資生堂が運営する複合施設S/PARK(エスパーク)で開催中の「未来を創る 山口小夜子展」に行ってきました。山口小夜子は日本の元祖スーパーモデル。白人中心だったパリコレの世界に東洋人らしい美を広め、世界的に活躍した。1973年に資生堂と専属契約を交わし、以降資生堂のアイコンとなる。本展は写真家・横須賀功光(よこすかのりあき)とのタッグによるアートパネル、当時の貴重なネガ、山口小夜子の身体を石膏で写し取った横須賀ディレクションによる彫刻作品、過去の資生堂のポスターなどを展示し、山口の唯一無二のクリエイティビティに迫るもの。

 

 

山口小夜子と資生堂のイメージは、リアルタイム世代ではないわたしでも知っているくらい有名だ。そのイメージは黒い直毛のおかっぱ頭に幽鬼のごとく白い肌、切れ長の一重に赤い紅といったもので、いかにも「エキゾチック」で「オリエンタル」な東洋美である。わたしは日本生まれ日本育ちの日系日本人だが、それでも山口小夜子を称賛しようとして出てくる言葉はどこか西洋中心主義的だ。あるべきとされる美が今よりもずっと白人寄りだった時代に唯一無二の世界観を打ち立てた功績は大きいが、優れたクリエイターは常に既存の枠を超えていくものであり、山口小夜子のクリエイティビティにしても、そもそも白人との比較に拠らない見方もあり得たのではないかと思わずにはいられなかった。山口小夜子の時代から半世紀遡った1920年代、ハリウッドで活動した中国系アメリカ人の俳優アンナ・メイ・ウォンは、妖艶でミステリアスなヴァンプといったステレオタイプな役ばかり演じさせられることに苦悩したという。山口小夜子はどうだったか。今回は資生堂の企画ということで昔の写真が多く、ウェアリスト(着る人)と名乗って自由闊達な表現を行った晩年の仕事について手薄なのは仕方ないことではあるが。

 

 

 

 

人は見たいものしか見ようとしない。山口小夜子がすでに名声の定着した故人であればなおさらである。漆黒の極太アイラインで涼しげな一重のイメージがついている山口が、よくよく見ると実は二重であったように、べつの見方の展示も観てみたいと感じた。

 

「未来を創る 山口小夜子展」は横浜・みなとみらいの資生堂S/PARKにで2023年12月9日まで開催中。入場無料。写真撮影可。

ちなみにわたしが行ったときはすぐ隣のスペースでエアロビのワークショップが開催されており、終始陽気な音楽とかけ声が聞こえていてシュールでした。

 

spark.shiseido.co.jp

 

併設の常設展は資生堂の歴代のブランドのアーカイブが興味深かった。1967年の元祖メンズコスメも見られる。

 

 

あと、説明イラストがフェイスパックの「ごめんね素肌」のパッケージに似てた。ごめんね素肌(罪悪感商法的なネーミングで好きじゃないです)はコーセー系列なので別人かな? こういうテイストは常時需要があるのかもしれない。

 

 

 

 

 

2.山口小夜子ネイル

過去記事で、イヴ・サンローラン展にサンローランのドレスにもなったモンドリアン柄のネイルで行った話をした。

 

 

www.infernalbunny.com

 

着道楽のおたくは、目的地にリンクした装いをするチャンスを常に窺っているのです。

今回も、山口小夜子イメージのネイルアートを頑張ってみた。

 

 

資生堂のアイコニックな赤に、漆黒とベージュで和モダンな感じにしてみました。

 

 

 

 

レシピは、赤がネイルズインク ジェルエフェクト セイントジェームズ、ベージュがレブロン ウルトラHDスナップ  012 ドリヴン

 

GELEFFECT St Jamesnailsinc.jp

 

 

黒はバーキュリー メンズマニキュア ブラックでおおまかに描き、細部をネイルホリック アート BK081で修正しました。

 

 

 

バーキュリーのマニキュアは過去記事でレビューしています。

 

www.infernalbunny.com


以上、山口小夜子展に行った話でした。

以下、資生堂について補足。タレントの性被害に言及する。

 

 

 

3.メモ:資生堂というブランドについて

2018年4月、舞踏家のKaoRiが、写真家の荒木経惟(あらきのぶよし)から長年に渡り性被害を受けていたことを告発した。この件に言及する形で、ファッションモデル・俳優の水原希子も、過去のモデルワークにおける性被害を告白した。上半身裸の写真を求められた際に、撮影に不要と思われる男性社員20名が入室してきて、取り囲まれた状態での撮影を強要されたという。水原は会社名には言及しなかったが、時系列から、荒木経惟撮影の資生堂の広告であることが推察された。疑惑に対し、資生堂は「当社での広告撮影時に起きた出来事かどうかについては分かりませんでした」と発表。事実関係を明確にしないまま逃げ切った形になる。

 

www.j-cast.com

 

わたしは不買しているブランドを公言しない方針でいる(理由は過去記事に書いた)が、今回資生堂の施設を訪れたことからわかるように、資生堂は今のところ不買していない。しかし上記の荒木経惟と資生堂の件は記憶しているし、今後さらにイメージが悪化することがあれば不買を選ぶ可能性はあるので、自分用メモとして記録しておく。わたしにとって不買は社会の問題である以上に、矜持とか魂の問題である。もちろん、矜持も魂も社会(政治)から自由ではないのは言うまでもないが。