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着道楽なので服やアクセサリーはホイホイ買ってしまうが、靴はそんなに数を持っていない。服に興味がない人と比べたらもちろん多いが、服好きにしては多すぎないと思う。靴はお洒落グッズである以上に健康グッズだと思っているので、あまり作りが粗末なものは買いたくないため、わたしの経済力だとたくさんは買えないのだ。それに、一つの種類の靴(スニーカー、とかショートブーツ、とか)を複数持っても管理できないので、ある程度どんな服装にでも合う靴を少数持つのが性に合っている。そこで今回は、手持ちの靴のうち、現役で出番が多い9足を2024年のデッキとして記録しておく。
ADHDの靴選びの条件
日常生活に割けるエネルギーが少ない鬱・ADHDとして、靴は以下の3つの条件に従って選んでいる。
①長時間歩ける
機動力はなにより優先する。この時点で、ヒールの高い靴は選択肢から外れる。素敵な靴はどこにでも連れてってくれる気分になれるが、ヒールが高いと実際はどこにも行けない靴に成り果ててしまう。鬱やADHDを患っているとただでさえ屋外活動が苦痛になるのに、肝心の自分の身体にデバフをかけるべきではないと思う。そして、フォーマルシーンで片方の性別にだけデバフが強制されるのはただしく人権侵害だと思う。わたしはフェミニストとしては石川優実氏を支持しないが、 #KuToo が訴える問題意識はよくわかる。
②季節を問わない
オールシーズンいける色・柄・素材であることが望ましい。節約・省スペースになるし、季節の変わり目に悩まなくて済む。
靴でよくあるのはファーつきやベロア素材だが、秋冬感が強いので避ける。ファーがついてるけどサンダルとかいう意味不明な靴もわたしには高度すぎるので避ける。
内側ボアの靴も不要。南関東在住なのもあってか、今のところわたしは足の冷えに悩んではいないが、いずれ加齢とともに内側ボアの靴が欲しくなる可能性はある。そのときは諦めて冬にしか履けない靴を導入するかもしれない。
③雨天でも履ける
雨天用の靴をわざわざ用意するのではなく、いつもの靴を雨天でもいけるように揃えておくのが楽。
革の靴ならなるべく合成皮革。汚れても水洗いできるのもいい。オールホワイトとか、泥汚れが著しく目立つ色も避ける。
【補足:合皮か本革か?】
近年は環境保護や動物倫理の観点から本革を使わないブランドが増えている。わたしは現時点(2024年8月)では、一律本革を避けることはしていない。靴に関しては合成皮革が好きだが、これは単純に実用性の観点から選んでいる。
本革と合成皮革どちらがよりよい選択なのかは、論点が多く、一概に言えることではないようだ。合成皮革は人工素材の樹脂を使うので土に還りにくく、燃やすと有毒ガスが生じて環境負荷が高い。それなら生物由来素材の本革のほうが環境保護という点では案外マシかと思いきや、本革の中でもクロムなめしと呼ばれる処理方法は大量の水を消費するので環境負荷が高い。引き続き考えて選んでいきたいと思う。
靴9選
それでは、ここからは個人的な靴語り。2024年のデッキを紹介していきます。
1.ランバンオンブルー スニーカー
厚底レースアップスニーカー ブラック
価格:17930円 サイズ:24.5 素材:合成皮革
2023年1月購入
※上記画像は過去記事の使い回しなので今はもうちょっと古びてます。
基本の靴です。たくさん歩くときや旅先はやはりスニーカーが一番。雨濡れOKの合皮で、汚れが目立たない黒色、シックな配色でどんな服にも合わせやすい。厚底で身長が盛れるが、高低差はないので歩きやすい。迷ったらとりあえずこれ。
特徴は、紐を通す部分が4カ所しかなく、それも穴ではないことだ。紐部分が目立たないことでスニーカーらしさ=カジュアルさが抑えられ、ドレスシューズのように見える。カジュアルが不得意でスニーカーが似合わないと感じる人にもおすすめです。ランバンオンブルーの定番品なので入手しやすいと思う。
基本的に靴は一つの種類ごとに複数は持ちたくないので、スニーカーはこれだけ。
2.メゾンマルジェラ タビレースアップシューズ
タビ ミラー レースアップシューズ
価格:10万8900円(定価18万8100円) サイズ:38 素材:カーフレザー
2023年9月購入
なんだかんだ一番出番が多いのはこれ。メゾンマルジェラのアイコニックなタビの、レースアップバージョンです。シルバーのブロークンミラーは2022年ごろに出たシリーズ。
二次流通とはいえわたしにとっては非常に高い買い物だったが、一生履き続けるつもりで思い切った。マルジェラの有名なホワイトペンキにも通じる、経年変化で剥がれ落ちてもさまになりそうなデザイン。わたしはジョン・ガリアーノ期のアイテムしか持っていないが、マルジェラを好きになったきっかけは初代マルタン・マルジェラの美学なので、マルタンに通じるデザインなのがちょっと嬉しい。
ちなみに上記の置き画は2024年8月撮影で、下記の着画は買ったばかりの2023年10月撮影。
買ったばかりのほうが、亀裂が浅くて表面がつるっとしている感じがする、気がする。
この表面感だとスムースレザーと違って傷みや汚れが目立たなそうなので、雨の日も履いているが今のところ問題ない。本革シューズの運用は、家を出るときにすでに雨天なら避けるが、降水確率60%くらいならかまわず履いちゃう感じです。おそらく人生最高額の靴だが、全然かかととか踏んでます。服も靴も使い倒してなんぼ。遠慮して思いっきり使えないような価格のものは最初から買わない。
ソールまでオールレザーなので、伊勢丹新宿のシューズリペアカウンターに持ち込んで裏張りをした。レザーソールは美しいが実用性には著しく欠けるので、さっさと裏張りする派です。リペア代はハーフソールで3850円でした。
特殊なタビ形状なのでとりあえず確実と思われる百貨店カウンターに持ち込んだが、一般的な街のリフォームショップでもメンテできるのなら次からはそうしたい。情報求む。
裏張りして履きはじめたのが2023年9月で、現在2024年8月の様子がこちら。やや剥がれ気味。
裏張りは爪先部分だけなので、裏張りしてもなお、手持ちの靴の中では滑りやすいほうである。とりわけ、JR新宿駅東口の大戸屋の床はめっっっちゃ滑ったのでタビシューズの人は気をつけてください。タビシューズを履くような人は大戸屋など行かないのかもしれませんが……。
惜しむらくは革が硬くて靴べらなしでの着脱が難しいことで、普段使うバッグの中身に携帯用靴べらを加える羽目になった。服屋で試着するときに、靴べらなしだと本当に履けないことがある(靴べらが設置してある靴屋もあるが、ないところも多いので)。
マルジェラのブランドバリューといい、ギラギラの銀色といい、主張の強いアイテムではあるが、わたしは普段の服装がオールブラックなので比較的なんでも合います。ジョンローレンスサリバンのジップデニムのスリットから覗かせてカマすのが一番アガる。下記はX(Twitter)のフォロワーさんとタビ合わせしたところ。タビはマルジェラの代表作として数十年に渡って多彩なバリエーションが発売されており、服好きの人の所有率も高いので、SNSで検索するといろんな人のタビが見られて楽しい。
一般個人によるお買い物エッセイの題材にもなりやすく、いろいろ読めて楽しい。わたしが好きなのはエッセイ漫画家の草野さんの作品(有料記事)。タビブーツはコハゼが外れやすいことなど、ときめきだけでは終わらないリアルな話が詰まっている。
過去記事でも書いてきたように、靴下は黒のシンプルなもの1種類をまとめ買いする派だったが、このタビシューズをデッキに加えたことで足袋ソックスを導入せざるを得なくなった。通常の靴下と同じく、同じ個体をまとめ買いしている。通常の靴下とは違って、左右を揃える手間はかかる。
ADHD流の靴下管理については過去記事をどうぞ。
3.ecco(エコー) レースアップシューズ
ECCO MODTRAY WOMEN'S DERBY
価格:27500円 素材:本革
2022年3月購入
※上記画像は過去記事の使い回しなので今はもうちょっと古びてます。
スニーカーよりはきれいめにしたいが、マルジェラのシルバータビほど主張させたくないときはこれ。一見オーソドックスな外羽根式・プレーントゥの革靴だが、ソールがゴツいタンクソールになっているのがアクセント。フォーマルになりすぎずパンチを足せる。
とはいえ上から見るとごく普通の革靴なので、就活も弔事もこれで乗り切っている。フォーマルシーンのパンプスは女性ジェンダーのみに課せられる抑圧なのでなるべく拒否したい。
4.ダイアナ サンダル
商品名失念
価格:12000円(セール価格) サイズ:24 素材:本革
2019年7月購入
※上記画像は過去記事の使い回しなので今はもうちょっと古びてます。
爪先が露出する、サンダルらしいサンダルはこれ一足。黒のマジックテープで留めると白黒のブロッキングデザインみたいになるのが気に入っているが、長距離歩くとやや靴擦れすることに数年越しに気づいた。普段使いなら許容範囲だが旅行には不向きだろう。
最近の個人的なポリシーで、爪先が露出するならペディキュアを塗っておきたいので、ペディキュアを塗っているときしか履けない。自分のポリシーで自分の機会を減らす、謎の自縄自縛。
5.トゥデイフル スリッポン
レースアップレザーシューズ ブラック
価格:25300円 サイズ:38 素材:牛革、合成底
2024年8月購入
ここまでのラインナップを見ての通り、わたしは足元にボリュームを出すスタイルが好きである。手持ちの靴の多くは、厚底だったりデザインが尖っていたりして重めである。ほとんどの服装には重めの靴でかまわないが、ごく稀に足元を軽くしたほうがバランスがいいと感じるときがあるので、今年になって新規導入したのがこのレザーシューズ。厚底ではなく、切りっぱなしの薄手の本革で軽やかさがあるが、オールブラックなので普段のわたしの服装にも相性は悪くない。素足でかかとを踏んでバブーシュとして履いている。オープントゥではないので夏以外もいける。
ソールが薄いので、長距離歩くと足裏がやや疲れやすい。普段使いなら許容範囲だが旅行には不向きと思われる。
なお、カラバリにはメタリックイエローもある。商品名はゴールドだが、温かみのある黄金色というよりは蛍光イエローがメタリックになったような鮮やかさを感じるのが珍しいと思う。これも欲しかったが、カラーシューズは着回し力が低いので、節約のために断念。
バブーシュとしては本当はメゾンマルジェラのタビバブーシュも欲しかったが、こちらも節約のために断念。タビはたくさん集めている愛好家も多いが、わたしの経済力だとそれは不可能だ。ブロークンミラー1足を大事に履き続けることにする。
6.ナイキ アクアリフト シルバー
アクアリフト シルバー
価格:22000円(定価14300円) サイズ:25 素材:合成樹脂+合成皮革、合成底
2023年5月購入
分類としてはサンダルだが、厚底かつほとんど肌が露出しないのでサンダル特有の軽やかさはない。単に「銀色のややカジュアルな靴」として利用している。
2020年に限定販売されて即完売したカラーで、フリマアプリで見つけて回収した。購入時すでに使用感があった上に2023年にヘビロテしたので、かなりヨレヨレではある。
経年変化が味にならずに劣化していくタイプの素材感なので、いずれ見切りをつけるしかないだろう。
現在のSNSアイコンが履いているのもこれなので思い入れがある(斉藤鳩さんに描いていただいた似顔絵)。
7.R&E ショートブーツ
厚底トラックソールレースアップショートブーツ
価格:7900円(セール価格) サイズ:L 素材:合成皮革
2021年11月購入
昔は夏以外年中ショートブーツの人間だったが、最近は気分ではないので使用頻度はやや低い。同じようなデザインの合皮レースアップショートブーツをいくつも履き潰してきて、ここ3年はR&Eにお世話になっている。雨天時は実質長靴としても使えるのでずっと合皮を選んでいる。
8.ディーゼル サイハイブーツ
レディース フェイクレザー サイハイブーツ
価格:39325円(定価約70000円) サイズ:38 素材:ポリウレタン73%、カーフレザー27%
2024年1月購入
ロング丈のボトムスが好きなのでロングブーツが必要になることは少ない。しかし、ロングブーツというアイテム自体がかっこいいため(オタク的感性)、たまに履きたくなるので常備はしておきたい。ここ数年はエスペランサの6センチヒールとローヒールクロコ型押しで回していたが、それぞれ一長一短であるため、新たに探すことにした。
エスペランサの2足は膝下丈だが、わたしの身長や体型のバランスからすると膝上の長さは長いほど似合うと気づいたので、膝上丈で探した。商品名としてはニーハイブーツやサイハイブーツとなる。しかしそこまで長いロングブーツは日本のプチプラ寄りブランドだと皆無で、海外通販を中心に探すことになった。一番惹かれたのは、買わなかったもの紹介記事でも触れたMM6メゾンマルジェラのもので、筒丈が76センチもある。ほかのブランドは長くても60センチ台だ。しかしMM6の日本の実店舗では見つからず、10万円オーバーの靴を試着なしで買いたくないので諦めた。たまにしか履かないアイテムに出す金額としても高すぎる。
最終的に、ZOZOTOWNのセールでディーゼルのロングブーツを購入した。これも試着なしなので賭けではあったが、10万円失うよりは呑み込める額であると判断した。最悪リセールできる。ちなみにわたしはADHDとして、返品交換機能は最初から存在しないものとして生きている。そのほうが気が楽。
果たして、足の部分はめでたくフィットしたが、わたしの太ももが太くて筒がかなりきつかった。そこで、筒の履き口裏を切り裂いて(筒部分は合皮)、キリで穴をあけて百均のゴム靴紐を通して、バックレースアップデザインにリメイクした。
これで余裕ができて、首尾よく太ももが入るようになった。
素材としては筒が合皮、アッパーが本革。全部合皮でもよかったんだけどなー。表面の仕上げが筒とアッパーで違って、筒がセミマット、アッパーがグロッシーなので、せっかくの超ロングブーツなのに、ショートブーツに黒タイツを履いたみたいに見えなくもない。とりあえず当面はロングブーツはこれでいくが、将来的には乗り換えるかも。
9.ザノースフェイス サンダル
The North Face Men’s Base Camp Slides III - Pride
価格:6999円(たぶん定価もこれぐらい) サイズ:US8.0(26センチ) 素材:合成素材
2024年2月購入
日常にさりげなくプライドフラッグを取り入れようシリーズです。これはザノースフェイスのLGBTQプライドコレクション。日本未発売品。有名ブランドでもプライドコレクションは日本に入荷しないことがよくある。悲しい。
ただの虹色ではなく、トランスジェンダーフラッグカラーがプラスされているのが可愛い。
最初はご近所履きのつもりで買ったが、暑すぎてお洒落する気力が少ない日にはお出かけのときも履くようになった。今年の夏は暑すぎてオムプリッセのゆるゆるパンツにサンダルをつっかけるので精一杯。
ダイアナのサンダルと同じく、爪先を露出するならペディキュアを塗っておきたいポリシーがあるので、お出かけに使うならペディキュアを塗っているとき限定。
以上、2024年現在の靴デッキでした。
冠婚葬祭用など特殊用途を除けば、日常はこの9足で回している。今年に入ってからなんだかんだ3足も買ってしまっていることに驚いた。もう今後は買いません。