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日記:スキャパレッリネイルでコスチュームジュエリー 美の変革者たち展を観に行く

 

 

 

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展覧会にちなんだネイルで行くシリーズです。

過去回はこちら。

 

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今回はコスチュームジュエリー展に行った話です。

 

 

 

 

1.コスチュームジュエリー展

 

パナソニック汐留美術館の開館20周年記念展『コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、スキャパレッリ、ディオール』を観に行きました。コスチュームジュエリーとは、宝石や貴金属(ゴールド、プラチナなど)といった高価な素材に限定されず自由に素材を選定して作られるジュエリーのこと。20世紀初頭の当時、宝石や貴金属を使うファインジュエリーが富の顕示の意味合いを含んだのに対して、コスチュームジュエリーは純粋に衣服との取り合わせを優先して自由闊達にデザインされるため、パリのモード界では必要不可欠な要素となりやがてアメリカへと伝播した。今回の展示は、コスチュームジュエリーの展開を包括的に紹介する日本初の展覧会だそう。

公式サイトはこちら。本記事公開時点で会期はすでに終了。

 

panasonic.co.jp

 

着道楽なので、キラキラしたものをいっぱい見るぞ~ってな軽い気持ちで行ったんですが、解説が思いのほか充実していて非常によかったです(文体がちょっとカジュアルすぎる気もしたが)。ポール・ポワレが嚆矢となりココ・シャネルが普及させ、エルザ・スキャパレッリやクリスチャン・ディオールが続いたコスチュームジュエリーの系譜が丁寧に説明されている。従来使われてこなかったような多様な素材を使う性質上、ガラスの彩色技術や新素材であるプラスチックの開発など、当時の工業的発展とも密接に関連していた歴史的背景もわかりやすかった。ジュエリーの伝統を持たないアメリカで急速に受け入れられたというのも納得である。

コスチュームジュエリーの歴史は1930年代以降の話なので、美術館で取り上げられるような事象としてはごく最近の話であるにも関わらず、生没年不詳のデザイナーが複数いたのが印象的。コスチュームジュエリーはファインジュエリーより日用品に近いものとして扱われ、また素材自体には価値がなく投機的役割も果たさないため、ブランドやデザイナー名があまり重視されておらず残っていないのだろうか。

 

 

 

シシィ・ゾルトフスカやリダ・コッポラといった女性デザイナーの活躍も有意に目についた。シャネルやスキャパレッリといった偉大な先人がいるとはいえ、オートクチュールの世界は男社会な印象があるが、先述したように技術の発展と関係し芸術よりも「手仕事」に近いコスチュームジュエリーの世界では女性が参入しやすかったのではないだろうか。名前を読んだだけでは性別がわからず、解説を読み進めて「夫は~」などの記述を見つけて初めて女性であったと気づくこともあり、自分の中のジェンダーバイアスを反省した。

明治期に製糸産業に従事した女工の例を引くまでもなく、日本で「手仕事」は女性のものとされてきたが、これは全世界的な傾向なのだろうか。日本の手仕事をフェミニズムの視点から読み解いた本を挙げておきます(気になりつつ未読)。

 

seorishobo.o.oo7.jp

 

www.jimbunshoin.co.jp

 

また、素人考えでは、ダイヤの代替品たるスワロフスキー社の高輝度クリスタルがコスチュームジュエリーに果たした役割は大きいと思うのだが、とくに説明なくぬるっと登場したのが面白かった。あとから調べてみたらスワロフスキーは1895年創業で、コスチュームジュエリーが生まれる遥か昔からあったんですね。そりゃ解説年表に載ってないはずである。

 

 

 

展示品はおおむねカラフルかつデコラティブで、当時のアールヌーボーやアールデコの流行を反映している。実際古いのだから当然だが古めかしく感じられ、自分が実際に身につけるジュエリーとして考えるとさほど好みではなかったが、リダ・コッポラのワイヤーネックレスはちょっと欲しかった。

 

 
 
 
 
 
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ほかには、ファインジュエリーではあまり見ない昆虫や爬虫類・両生類のユニークなモチーフが楽しかった。カメもいました。

 

 
 
 
 
 
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満足度の高い展示だったが、惜しむらくは、歴史の流れを踏まえたメリハリの利いた解説とは裏腹に、展示品のチョイスと配置が冗長に感じられたことである。400点におよんだそうだが、展示品と展示品の間隔が狭く、ネームカードも重ならんばかりで、明らかに詰め込みすぎである。そのせいか観客の流れもあまりスムーズではなく、観客同士の距離も会場の規模に比べると異様に狭かった。今回の展示物はコスチュームジュエリーのコレクター/研究家にして実業家の小瀧千佐子氏のコレクション だそうである。小瀧氏は監修も務めたということで、もしかしたら学芸員の権限が一般的な展覧会よりも少なかったのではないだろうか。

 

 

 

2.スキャパレッリネイル

わたしがこの展示に興味を持ったのは、スキャパレッリの名前がクレジットされていたからである。エルザ・スキャパレッリは、1930年~40年代にココ・シャネルと人気を二分したファッションデザイナー。保守的なヨーロッパで、前衛芸術を取り入れた大胆奇抜なデザインを生み出し、シャネルとは違った手法でレディースファッションを改革し女性を解放した。香水の容器に用いた激しいピンク色は「ショッキング・ピンク」の語源にもなっている。

過去記事では、スキャパレッリにインスパイアされたパッケージの保湿クリーム「ル・ショック」を紹介しています。

 

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エルザ・スキャパレッリは現在ではココ・シャネルに知名度が劣るため、スキャパレッリのデザインを実際に見たことはなかったので、いい機会だと思いました。ネイルもスキャパレッリをイメージして作ったのがこちら。

 

 

ダークブラウンにショッキングピンクとシルバーラメをフリーハンドで乗せて、かっこよさやアートっぽさを目指しました。

 

 

 

 

ダークブラウンはネイルズインク レッツゲットヌード バックンガムゲート。ショッキングピンクはル・ショックの記事でも使ったKATE(ケイト) ネイルエナメルカラーN PK-3。シルバーラメはネイルホリックのアート用の細筆シリーズ、ネイルホリック アート SV082

 

LET'S GET NUDES Buckingham Gatenailsinc.jp

 

 

 

以上、スキャパレッリネイルでコスチュームジュエリー展に行った日記でした。

 



『コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、スキャパレッリ、ディオール』は2023年10月から12月までパナソニック汐留美術館で開催(本記事公開時点で会期終了)。

例によって、精神障害者手帳提示で2名無料でした。

 

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