「『BOY』のような『SHE』」をコンセプトとするファッションブランド・BOYSHE(ボーイシー)のスーツを購入したのでレポしてきます。
BOYSHEは2023年12月9日・10日・27日に要予約の試着会を東京で、12月16日・17日に予約不要のポップアップを大阪で開催中。
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楽天にも公式ショップあり。
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✨くびれのないボーイッシュスーツ✨
— BOYSHE (@Boyshe_official) 2023年12月3日
BOYSHE SUIThttps://t.co/tHnS0fdQEm#boyshe #ボーイシー #boyish #ボーイッシュ #ユニセックス #メンズライク #ジェンダーレス #ボーイッシュスーツ #ジェンダーレススーツ #スーツ #メンズライクスーツ #くびれのないスーツ #スーツ女子 #成人式 #卒業式 pic.twitter.com/qljSbjLwLy
1.BOYSHEとは
BOYSHEは、公式サイトによると「性別や体型に捉われなく、自然体でファッションを楽しめる他にないアイテムを提案するユニセックスファッションブランド」。オリジナル商品とセレクト商品を扱い、オリジナル商品ではメンズスーツのようなくびれのないシルエットが特徴のセットアップスーツが目玉。今どきのブランドにはありがちなことだが、公式サイトには情報が少なく、インスタグラムのハイライトに細かい情報がある。それによるとブランド開始は2020年で、代表はLGBTQ当事者のペ・ヨンア氏(具体的なSOGIは非公表だがパートナーは女性であるそう)。自身がファッションに悩んできた経験から、ブランドの創業に至ったそうである。
ターゲットは「BOYのようなSHE」「ボーイッシュ女子」だそうだが、下記インタビューによるとトランスジェンダーも想定されている。ただし、明らかに「トランスジェンダー男性」を指す文脈で「トランスジェンダー女性」となっているのが気になるところではある。トランスジェンダーであり、身体的には女性である人、という意味なのは文脈でわかるが(わたしが試着会でお会いしたペ・ヨンア氏は日本語が堪能だったのでインタビューはおそらく日本語で行われており、翻訳の問題ではない)。
BOYSHEは何方かと言えばトランスジェンダー女性の方を主なターゲットにしています。
「女性らしい服装には抵抗がある」「カッコイイ服を着たい」そういった方の為にサイズ感を重視した商品をセレクトしたり、メンズ服を女性の身体に合うサイズにリサイズしています。
基本的に自分自身がオーバーサイズで、体型カバーできる服が好きなのでセレクト商品にはオーバーサイズが多いです。ご購入の際はサイズの確認を必ずしていただきたいです。
また、公式の着用画像も、「中性的」「ボーイッシュ」なモデルもいるが、どちらかというと、むしろフェミニンさ・レディライクを強調したヘアメイクが目を引く。
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ブランドとしては、ファッションスタイルとしての「ボーイッシュ」「マニッシュ」「ジェンダーレス」志向の女性をユーザーに想定しており、トランス男性やノンバイナリーなどのジェンダークィアはその中に包括されるとする立場のようだ。ジェンダークィアは圧倒的に数が少ないので経営判断としては妥当であろう。もちろん、レビューやインスタにまとめられている愛用者の声の中にはトランスやFtMと自己紹介しているユーザーもいた。過去記事でトランス男性・ノンバイナリー向けと明言しているアパレルブランドのOPT(オプト)のスーツをレビューしたが、OPTとは別物と感じた。
トランス男性・ノンバイナリー向けブランドOPTの着用レポはこちらから。本記事後半では比較写真も載せています。
今回わたしは、2023年12月9日の予約制試着会にて、BOYSHE Basic Suitシリーズのスーツを購入した。
2.スーツ着用レポ
着用レポしていきます。
前提として呉樹の体型は以下の通り。
身長:169センチ 体重:63キロ BMI:21.7
骨格タイプ:骨格ナチュラル(3分類法 プロ診断)
バストサイズ:最後に計測したときはD75だったが、その後やや縮んだ気がするのでC75くらいと思ってもらえれば
特徴:肩幅広め、上半身薄め、下半身太り、一般的なレディースブランドのボトムスは最大サイズまたは最大サイズでもきつい
わたしが購入したのは、シングルブレスト&スリムスラックス【セットアップ】グレーである。ジャケットはMサイズ、パンツはLサイズ。定価24321円(試着会特別価格で23000円で購入できた)。
《BOYSHE original》くびれのないスーツ
【商品説明】
BOYSHEのオリジナルスーツ、新色が登場!
様々な体型に一番添うスタイルのために考案した、トレンドに左右されないベーシックスーツです。
定番のビジネスシーンからキレイめカジュアルコーデに使えるシングルブレスト×スリムスラックスのセットアップです。
ジャケットはナチュラルショルダーで、シェイプのないストレートなシルエットがポイントです。単品でも着れる絶妙な着丈のバランスで、スマートに見えます。
パンツは裾に向かって細くなるスリムテーパードシルエット。
すっきりとしたキレイなレッグラインがポイントで、ベルトレスでも着用可能な、両サイドゴムになっています。素材はストレッチ性の高いポリエステルをブレンドした生地を使用し、ドライ感とハリ感がありながらも着心地が快適です。軽量性のある生地でしっかりとした生地感です。
ビジネスシーンでは勿論、キレイめカジュアルスタイルにも対応し、様々なシーンで活躍する事間違い無しです。セットアップでも単品でも着まわせるユーティリティ性が魅力的です。
ジャケット
ベーシックな2ボタンのシングルジャケット。くびれがないストレートなシルエット。メンズスーツと同じ右ボタン式。
ポケットは合計4つ。裾部分に加えて胸と内側にもある。内ポケットには予備ボタンつき。
ポケットは十分な深さがあり、スマホは完全に隠れ、文庫本の付箋が覗くくらい。
袖ボタンは飾りで、外すことはできない。
背面は、動きやすくするためのスリットが中央ではなく両サイドについている。
わたしの着画はこちら。ヒップを覆う丈なのがいいですね。
わたしはMサイズでまったく窮屈さがなく、ちょうどよかった。
写真によってグレーの色味に差が出てしまったが、ハンガーにかけた写真が一番肉眼に近いです。
パンツ
センタープレスのテーパードシルエット。ベルトフープつき。ポケットは4つ。
両サイドゴムで、着心地よく後ろ姿もスマート。
わたしの着画はこちら。
わたしはLサイズで窮屈さなし。169センチで標準体型やや下半身太りのわたしがちょうどいいので、スリムシルエットとはいえ対応サイズは狭くはないと思われる。
代表者インタビューにもあるように、作りは大きめのようだ。
素材・洗濯について
素材はポリエステル96%・スパンデックス(ポリウレタン) 4%で、ドライクリーニングのみ表示がついている。
しかしウール混紡ならまだしも、ポリエステルメインなので、水につけることは不可能ではないと思う。手洗いはできそうだし、洗濯に勘所のある人なら洗濯機のおしゃれ着モードで洗えないこともないのではないか。わたしは自己責任で洗濯機洗濯してみるつもりだ。
生地の質感についてだが、この価格帯にしてはお世辞抜きで高級感があると思いました。前提としてわたしは服のおたくで、5つのファッション通販アプリを1日25時間巡回しており、5万10万50万レベルの服を百貨店で毎週のように触っている(※買っているとは言っていない)人間である。なので、2万円台のセットアップに過剰な期待をするほうが間違いであるとする立場なのですが、それでもめちゃくちゃいいと思います。普段のオフィスカジュアルとしてはもちろん、晴れの日でもOKだと思う。もちろん、今日びスーツはユニクロで1万円ちょっとで手に入るし、就労に課題のある精神障害者としても、安い金額とは思わないが。
3.一般的なレディースジャケットとの比較
手持ちのレディースジャケットと比較してみる。
こちらは20代後半~のオフィスワーカー向けブランドのTheory(セオリー)で購入した。パンツと合わせて78000円でした。ブランドの規模も価格帯も全然違うので本来比べるものでもないのだが、せっかくなのでやってみます。
ボディラインを隠すシルエットを志向しているBOYSHEと比べると細身志向で、胸部にダーツが入り、ボディラインに沿うようになっている。ボタンは左ボタン。
内ポケットはなく、外のポケットも浅い。スマホは頭が覗き、文庫本も収まりきらない。
4.OPTのジャケットとの比較
前半で触れたトランス男性・ノンバイナリーブランドのOPTのジャケットと比較してみる。ジャケットだけで21120円。
明確にトランスジェンダー向けなので、おそらくは胸部の厚みを目立たなくするためだろう、側面が立体的な縫製になっているのが特徴。
OPTはBOYSHEよりもさらに小規模なブランドであり、また普段着を強く志向しているので、こちらも本来比べるものではないことは前提だが、生地はBOYSHEのほうが高級感がある。
以上、BOYSHE着用レポでした。
公式サイトやインスタグラムではスタッフの身長別の着画が載っているので覗いてみてください。今から買えば、成人式や同窓会や就活にも間に合うのではないでしょうか。
ちなみに公式着画ではナベシャツは着用していないそうである。
現在実店舗展開はしていないが、2023年は12月27日(水)に要予約の試着会が東京で、12月16日(土)・17日(日)に予約不要のポップアップが大阪で開催される。わたしが行った時間予約制の試着会は、狭いレンタルスペースの一室で2名のスタッフと二対一にはなるので、引っ込み思案な人にはハードルが高いかもしれない。しかし買わないと帰れない雰囲気ではなかったので、着てみるだけでもいいと思います。ポップアップは予約不要なのでもっとハードルは低いはずだ。
BOYSHEのスーツはカラバリが華やかで、結婚式等のハレの場にもいいと思います。しかしスーツだと人目が気になる、でも一般的なレディースのパーティドレスは苦手という人におすすめのブランド・HAREの紹介はこちらから。レディースだけどフェミニン過ぎないオケージョン着が買えます。
わたし流の服の選び方はこちらから。こちらはクィア目線というよりは精神障害者目線で書いています。
わたしのブラジャー事情についてはこちら。