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抑うつ持ち必見!予約不要の美容室チョキペタで500円シャンプーを受けてみたレポ

 

 

 

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精神疾患の最もポピュラーな症状は抑鬱である。抑鬱は、ただ悲観的な気分にさせるだけではなく、日常生活にかかるあらゆる気力を失わせる。気力とは、満ちているときはその存在をさほど意識しないが、いざ失くしてみると、ほんの些細な行動にも逐一必要であることを痛感するものだ。

中でも難しいのが入浴である。経験者ならわかるだろうが、気力がないときの入浴は一大事で、すぐそこにあるはずの浴室が千里の道と感じる。今日は、そんな苦痛を一時的に解決する方法として、予約不要の美容室でシャンプーしてもらうことを提案したい。万人向けの選択肢ではないが、可能な人は検討してみてください。

 

 

 

 

1.美容室チョキペタにはシャンプーだけのコースがある

今回おすすめしたいのは、美容室チョキペタのシャンプーコースだ。

チョキペタとは、予約不要と低価格を売りにしている美容室である。2023年10月現在、東京都を中心に埼玉・神奈川・千葉・滋賀・京都・兵庫・大阪に出店している。

店舗一覧はこちら。

 

https://www.chokipeta.com/salonlist

 

基本の価格はカットが1430円、カラーが3190円と安い。髪にお金をかけたくはないが1000円カットよりは凝りたい、くらいの人を対象にしていると思われる。すべてのコースは予約不要で、受付はタッチパネル、乾かすのはセルフと、コスト削減を極めた簡素で洗練されたオペレーションが特徴。

そんなチョキペタには、機械によるオートシャンプーのコースがある。お値段は550円。自宅で行うときの光熱費に比べたらそりゃ高いが、気力がないときに利用するには惜しくない価格なのではないでしょうか。入浴ができないときに、身体はボディシートで拭けば最低限清潔にできるが、シャンプーは難しいのだ。すでに知られている通り、浴室外で頭を洗うものとしては、ドライシャンプーという製品がある。しかし、実際の入浴と比較したときに、ボディシートでの清拭はそこそこいい線を行くが、ドライシャンプーでの洗髪は実際のシャンプーよりも衛生面・精神面ともにはるかに劣る仕上がりになるのは経験者ならわかるだろう。

 

 

 

くたくたに疲れた仕事帰り。帰宅後シャワーを浴びる気力がないのはもう確定しているが、明日も仕事。そんなときに近くにチョキペタがあれば、さっと寄ってシャンプーだけして帰るのはアリだと思います。身体を洗っていなくても1日くらいなら見た目にはわかりにくいが、頭を洗っていないのは皮脂のテカリなどで悟られやすい。以前わたしが適応障害なりかけの予感を感じながら労働していたときにこれを知っていたら、利用したと思います。当時は朝に慌ただしくシャワーを浴びたり、それすらできずにそのまま出勤したりしていた。

 

 

 

2.オートシャンプーを利用してみた

店舗を調べてみたところ、残念ながら家の近所にはなかったが、たまに通りかかる場所にあったので行ってみました。

それでは、レポしていきます。

 

①来店受付

来店すると、玄関に発券機があるのでコースを選んで受付する。券にはQRコードが印字されており、読み取れば残り人数がわかります。

わたしは開店直後の朝9時20分に来店して、6人待ちの15番だった。予約不要なので待ち時間が発生するのは仕方がない。店内外に椅子が置いてあるので待ちます。その場を離れて待つことも可能。その場合はQRコードをチェックして順番までに戻ること。

 

②呼び出し、前会計

10時20分に呼ばれました。待ち時間は1時間。入浴の精神的コストとどちらが高いと感じるかは人によるでしょう。

会計は前会計です。店員さんがコースを再確認してタブレットに入力後、セルフレジで550円を支払い。

 

③荷物をロッカーに預ける

ロッカーの鍵を渡されるので荷物をロッカーへ。眼鏡とマスクも預けるように促されます。眼鏡の人は注意。

 

 

 

④シャンプー台に寝る

シャンプー台に案内され、座ります。わたしの場合、軟骨ピアスに触っても痛くないかの確認がありました。

首元にタオルを巻かれるのは普通の美容室と同じですが、チョキペタではタオルの上からビニールを巻いて、さらにもう1枚タオルをかけられます。襟元が濡れないようにするためだと思われる。

台が倒れて、目隠しの紙を乗せられる。でっかいヘッドホンみたいな器具で耳周りを固定される。

足にはひざかけをかけてもらう。

 

⑤人力によるシャンプー

まずは店員さんが頭にお湯をかけ、シャンプー剤をつけ、シャンプーしてくれます。

「かゆいところないですか」みたいな茶番のやり取りはなく、終始無言。

普通にシャンプーされたあと、ざっとお湯をかけてすすがれる。ここまでは普通。

 

⑥機械によるすすぎ

ここから機械ですすがれます。オートシャンプーという名がついているが、実態はオートすすぎに近い。

耳に綿を詰められる。先ほどつけたでっかいヘッドホンみたいな器具の隙間にさらにタオルが詰められる。耳に水が入らないように徹底ガード。

ガードが完了したら、フルフェイスのヘルメットみたいに蓋を閉められて(密閉されるわけではない)、機械の中へ。ぐぁんぐぁん音がする。

勢いのあるシャワーみたいな水流の束が頭にかかります。何度も角度を変えてかけられる。マッサージみたいでとても気持ちいい! 水圧で毛穴まで洗われてる感覚があります。これがドライシャンプーには絶対に無理で、シャワーを用いたシャンプーにしかできないんですよね。

 

⑦トリートメント

すすぎが終わったら「お疲れ様でした」と言われて機械の蓋が開く。

店員さんがトリートメントをしてくれる。トリートメントのすすぎは人力。

 

 

 

⑧ドライヤースペースに案内される

トリートメントのすすぎも終わったらシャンプー台が元の位置に戻り、起き上がります。

店員さんが頭にタオルを巻いてくれる。

その状態で店内を歩いてドライヤースペースに案内されます。

ドライヤースペースは銭湯と同じで、鏡の前にドライヤーが設置してある。空いた席に案内されて、ここまで店員さんによるサービスは終了です。

 

⑨自分でドライヤーする

ドライヤースペースにはアウトバストリートメント(スプレーとオイル)と、スタイリング剤(スプレー、ジェル、ムースなど4種類ほど)があります。

ドライヤーの機種は失念しましたが風量は十分にある。使い方に迷っても説明書が置いてあるので安心。

ちなみに追加で550円払って店員さんにドライヤーしてもらうことも可能。受付時にタブレットで選択しよう。

 

⑩退店

気が済むまで乾かして、必要に応じてスタイリング剤をつけたら退店します。

頭に巻いていたタオルは、ドライヤースペースの足元の使用済みタオル入れへ。

退店のときは店員さんに断る必要はありません。会釈しながらぬるっと出ましょう。

 

以上、オートシャンプーの流れでした。

 

9時20分に来店して、10時20分に呼ばれて、退店は10時40分でした。待ち時間は来店時間によっても違ってくると思う。

 

 

 

3.まとめ

X(Twitter)を見てみると、このオートシャンプーコースは、白内障の術後やICL(眼内コンタクトレンズ装着術)の術後など、顔を濡らしてはいけないときに利用されているようだ。四十肩やちょっとした怪我など、腕が上がらないときにもいいかもしれない。それに加えて、身体的な不具合はないが、精神的な理由で洗髪が難しい人にもいいんじゃないでしょうか。

 

デメリットとしては、オートシャンプー中は閉鎖感と騒音があるので、人によってはパニック発作を誘発するかもしれない。MRIが苦手な人は注意したほうがいいかもしれません(もちろん閉鎖感も騒音もMRIほどではないし、時間も5分程度で済むが)。
また、オートシャンプーのすすぎがくすぐったい・痛いと感じる人もいるようだ。個人的にはとても気持ちいいと感じたが。

オートシャンプー中も店員さんは近くに待機しているので、無理だなと思ったら声を出して止めてもらうことは十分に可能です。オートシャンプーの機械の蓋は閉めても完全に密閉されるわけではないので、周囲の声も聞こえるし、自分の声も届きます。Xで口コミを調べたところ、オートシャンプーを途中でギブアップした場合は人力に切り替えてもらう形になるようだ。

 

総じて、個人的には満足度の高いサービスでした。

わたしは今は無職ですが、今後再就職して、仕事帰りに寄ることができる場所にあったら利用すると思う(そもそも入浴すら難しい状態であっても労働をしなければならない/入浴もできなくなるほど負荷の高い労働をしなければならない社会構造が悪いというのは置いておいて)。

もちろん、精神状態が悪化して再就職どころではなくなる可能性もあるが(精神障害者は常にそのようなリスクと隣り合わせで生きている)、そうなっても精神科とGID外来への通院だけはしなければならないので、最低限の外出のついでに寄るのもよさそうだ。

 

以上、チョキペタの550円のオートシャンプーのレポでした。

 

 

 

 

抑鬱を生存するための、部屋の中でできる工夫についてはこちらから。

 

www.infernalbunny.com