最終更新:2023.4.29
前回の記事に引き続き、Twitterの美容垢界隈における一昔前(ざっくり2017~2018年ごろ)の流行を振り返っていく。流行というものは、数十年前まで遡るとまとまった論考も出てくるのだが、地平線に没したばかりの近過去を振り返るのは何気に難しいのだ。そこで、今となっては懐かしい「あの頃」の流行について、記憶に新しいうちに文章にまとめてみた次第である。ソースはわたし個人の記憶なので、正確性は保証できないし、個人の観測範囲を越えるものではない。美容にちょっと関心がある一個人の思い出語りとして読んでいただけると幸いです。
前回の記事はこちら。
なお、前回の記事同様、主にスキンケアの流行を集めてある。コスメ編はまたいずれ。
- 1.LUSHのフレッシュフェイスマスク
- 2.ルルルン、毛穴撫子など安価なパックを毎日使いする風潮
- 3.サボリーノが覇権を取る
- 4.スキンフードのブラックシュガーのスクラブ
- 5.オバジの酵素洗顔パウダー
- 6.アベンヌのスプレー化粧水
- 7.ワセリン最強説(サンホワイト推し)
- 8.クリーム肌水
- 9.美顔水、オイデルミン、ホルモンクリームなどのレトロコスメが実はいい! みたいな風潮
- 10.無印のホホバオイル
- 11.ベビーオイル
- 12.黄緑色のパッケージのアロエジェル
- 13.フローフシのリップ38℃美容液
- 14.唇のかさつきにはモアリップ
- 15.レブロンのリップスクラブ
- 16.リップケアにヴァセリン
- 17.エテュセのネイルケアコート
- 18.アルビオンのスキコン
- 19.肌ラボの白潤シリーズ
- 20.菊正宗の日本酒の化粧水
- 21.ダイソーの酒しずく化粧水
- 22.ダイソーのスポイト式のたくさん種類ある美容液
- 23.ダイソーのシリコンマスクをフェイスパックの上に重ねて保湿力アップ
- 24.ホワイトコンクのボディシャンプー
- 25.ボディクリームはニベア(リニューアル前)
- 26.前髪にベビーパウダー
- 27.DHCのはとむぎサプリ
- 28.目の充血取りにはスマイルホワイティエの目薬
- 29.濡れタオルをレンチンして蒸しタオルを作る
- 30.はちみつやキュウリなど食べ物でパックするのがよいと都市伝説的に流行った(実践した人の話はあまり聞かない)
- 31.結局睡眠が一番美肌になる
- 32.水を2リットル飲む
- 33.豆乳を飲む
- 34.耳に輪ゴムをかけるとむくみが取れる
- 35.メディキュットをつけて寝る
- 36.むくみ取りに当帰芍薬散
- 37.脂肪燃焼スープ
- 38.シルクのナイトキャップ
- 39.エヌドットのヘアオイル
- 40.ドライヤーはパナソニックのナノケアかダイソン
- 41.日傘は絶対サンバリア
- 42.紫外線対策をガチりすぎるとビタミンD不足で情緒不安定になるよ→ビタミンD生成に必要な紫外線は手のひら大の面積に15分程度照射で足りるから心配しなくていいよの流れ
- 43.足パカなどの謎の体操やストレッチ
- 44.自分がスタバのフラペチーノを飲んでいる間に可愛いあの子は努力しているという風潮
1.LUSHのフレッシュフェイスマスク
クレイ(泥)配合の粘土っぽいマテリアルを顔に塗りたくって汚れを吸着させて洗い流す、奇妙なネーミングのマスクが流行った。小豆配合の「パワーマスク」、ブルーベリー配合の「ベリーお元気?」、ニキビに効く「乙女の戦士」あたりが人気。
なお「乙女の戦士」は2020年に「コスメの戦士」へとネーミング変更されている。LUSHの商品のネーミングはその他にも、オリエンタリズムを感じさせる「東方美人」が「艶髪香花」、特定人種を連想させる「ソーホワイト ボディスプレー」が「ワンスアポンアタイム ボディスプレー」、ジェンダーが限定されている「ミスゴージャス」が「ゴージャス」になるなど、よりインクルーシブなネーミングへと変更されている。
当ブログ記事で振り返っている2017~2018年ごろは、ポリティカルコレクトネスという概念はすでにあったが、SDGsやエシカル消費という言葉はまだ普及していなかったように思う。「乙女の戦士」はちょうど狭間の時期に流行り、美肌を目指す乙女や乙女ではないジェンダーの者たちに愛用されたのだ。
LUSHは洗顔料の「ブラックダイヤ」、クレンジングの「俳句」も定番である。
2.ルルルン、毛穴撫子など安価なパックを毎日使いする風潮
フェイスパックは週1回のスペシャルケアとして使われがちだったが、日々のスキンケアの最後に安価なものを毎日使う美容法が普及したのがこのころ。ルルルン、毛穴撫子、クリアターンなどの安価で高品質なフェイスパックが好まれた。
3.サボリーノが覇権を取る
フェイスパックの毎日使いといえばサボリーノの朝用パックの大流行は外せない。2016年販売開始、顔に60秒張るだけで洗顔から保湿下地まで済むというフェイスパック界の革命児。洗顔という「落とす」ケアと保湿という「与える」ケアを同時に行うなんで、冷静に考えたらそんなわけねえんだが、真偽はともかく力強く断言されると愚かな大衆は買ってしまうんですねえ。わたしももちろん買いました。
4.スキンフードのブラックシュガーのスクラブ
韓国コスメ・韓国スキンケア流行の流れで売れたやつ。スクラブは、ボディにはサボン、ヒップには恋するおしり、そして顔にはスキンフードのブラックシュガーが定番だった。
5.オバジの酵素洗顔パウダー
毛穴ケアにいいとされた。週何回やればいいのかは所説あり。
6.アベンヌのスプレー化粧水
アベンヌ地方(フランス)の温泉水をボトリングしたもので、要はほぼ水なんですが、なぜか大人気。肌が敏感なときも使えるらしい。そりゃただの水だからな。わたしももちろん使ってました。
7.ワセリン最強説(サンホワイト推し)
こちらも肌が敏感なときのスキンケアの蓋として大人気。
8.クリーム肌水
昔からある化粧水ですね。2023年現在は生産終了しています。
9.美顔水、オイデルミン、ホルモンクリームなどのレトロコスメが実はいい! みたいな風潮
クリーム肌水もそうなんだが、何十年も愛されてきた化粧品にはそれなりの理由がある! みたいなツイートが定期的にバズっていた。
10.無印のホホバオイル
スキンケアにもヘアケアにもなんでも使えると大人気。
11.ベビーオイル
こちらも、酸化しにくい安全なオイルとしてボディケアなどに愛用されていた。そりゃ鉱物油だから酸化しにくいだろう(ただし肌にも浸透しない)。ちなみに美容系インフルエンサーが「ベビーオイル洗顔」を提唱して流行ったり炎上したりするのはもうちょっとあと、2020年ごろのことである。
12.黄緑色のパッケージのアロエジェル
多分ネイチャーリパブリックが本家なんですが、類似品が多すぎて定かではない。どこも黄緑色の半透明のジャー容器かチューブ容器で出しとる。
13.フローフシのリップ38℃美容液
2018年末にブランド終了した(終了間際にちょい炎上した)フローフシのリップ美容液兼グロス。体温が上がったような色気! みたいなコンセプトでしたね。COVID-19 なんて影も形もないころなので比喩に発熱を用いることに違和感がなかったが、今ならどうでしょうね。フローフシは現ウズとしてリニューアルし存続しています。
14.唇のかさつきにはモアリップ
荒れた唇が一晩で劇的に治る! とバズったが、そりゃ医薬品だからな。リップクリームみたいに常用するべきではないです。
15.レブロンのリップスクラブ
砂糖でできたリップスティックのようなもので、砂糖のざらつきでやすりみたいに唇の角質を除去するすごいやつ。2021年にはキャンメイクから類似品が出て選択肢が広がったが、2017~2018年当時はレブロン一択だった。
16.リップケアにヴァセリン
リップクリームも追いつかない乾燥にはヴァセリン直塗り。使いにくい小さな容器をなぜかみんな使っていた。ラップを重ねてパックするのも流行った。
17.エテュセのネイルケアコート
塗ってるほうが爪にいいらしいが、本当か?
18.アルビオンのスキコン
薬用スキンコンディショナー、通称スキコン。1974年発売ですってよ。お母さんが使ってて知った子も多かったように思う。
19.肌ラボの白潤シリーズ
安上がりな「美白」ケアといえばこれ。シロジュンと読みます。
20.菊正宗の日本酒の化粧水
これも「昔ながらの化粧品が実はいい」の流れかもしれない。
21.ダイソーの酒しずく化粧水
22.ダイソーのスポイト式のたくさん種類ある美容液
23.ダイソーのシリコンマスクをフェイスパックの上に重ねて保湿力アップ
ダイソーが実はスゴい! みたいなこたつ記事、親の顔より見た。
24.ホワイトコンクのボディシャンプー
「美白」効果があるらしい。インフルエンサーが腕のビフォーアフター画像をツイートして、リプ欄で「加工しただけ」「照明が違うだけ」とボコボコにされるまでがセット。ちなみにTwitterにリプライ非表示機能が実装されるのは2019年のことで、2017~2018年はまだなかった。
25.ボディクリームはニベア(リニューアル前)
今とパッケージが違うやつ。
26.前髪にベビーパウダー
あるいはイニスフリーのノーセバムミネラルパウダー(旧パッケージ)。みんな前髪の脂を抑えてフンワリ状態を保つのに命かけてた。
27.DHCのはとむぎサプリ
むくみが取れるらしい。DHCの企業姿勢が広く問題視されて炎上・不買運動に発展するのは2021年のことで、この頃は気にせずに買っている人も多かった。
28.目の充血取りにはスマイルホワイティエの目薬
血管収縮剤が入っているので一時的に充血が改善するが、多用すると目が酸欠になるのでよくないらしい。
29.濡れタオルをレンチンして蒸しタオルを作る
温めすぎるとアチアチになるので自宅のレンジと相談。
30.はちみつやキュウリなど食べ物でパックするのがよいと都市伝説的に流行った(実践した人の話はあまり聞かない)
かぶれたりアレルギーの原因になったりするのでやめたほうがいいと思います。
31.結局睡眠が一番美肌になる
せやな。
32.水を2リットル飲む
もっと美容に力を入れている人は冷たい水ではなくて白湯を飲んでいた。
33.豆乳を飲む
痩せるらしい。
34.耳に輪ゴムをかけるとむくみが取れる
授業中もできちゃう美容法。
35.メディキュットをつけて寝る
スリムウォークよりメディキュットのほうが有名だった。
36.むくみ取りに当帰芍薬散
脂肪燃焼作用がある防風通聖散が流行るのはもう少し後。ラヨン漢方などの韓国系インナービューティーもまだ未上陸だった。いずれにせよ医薬品だからそんな気軽にバズらせるもんでもない。
37.脂肪燃焼スープ
野菜やオートミールなど材料は所説ある。グッズグズに煮込んで飲む。腹持ちがいいらしい。
38.シルクのナイトキャップ
枕カバーと髪の摩擦で髪が痛むのを予防する。外見はかなりステラおばさん。
39.エヌドットのヘアオイル
40.ドライヤーはパナソニックのナノケアかダイソン
41.日傘は絶対サンバリア
もしくはロサブラン。どちらも1本1万円を超える高級日傘である。Wpcがより安価な選択肢として広まるのはもうちょっと後だったような。シンプルなデザインも2018年前後はまだ少なく、日傘男子には受難の時代でした。
42.紫外線対策をガチりすぎるとビタミンD不足で情緒不安定になるよ→ビタミンD生成に必要な紫外線は手のひら大の面積に15分程度照射で足りるから心配しなくていいよの流れ
親の顔より見た、皮膚科医や化学者やコスメ開発者や美容家を名乗るインフルエンサー同士のレスバトル
43.足パカなどの謎の体操やストレッチ
ふつうに有酸素運動したほうが絶対よかったよな
44.自分がスタバのフラペチーノを飲んでいる間に可愛いあの子は努力しているという風潮
可愛いあの子はセザンヌでお化粧してフラペチーノ飲んでるのに、ブスな私はデパコス使って空腹に耐えて白湯飲んでて虚しい……みたいな闇落ちバージョンもあり。