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過去記事で、ヴィーガンネイルを紹介してきた。
ヴィーガン（vegan）とは、動物性成分を摂取しない主義およびそのような主義の人を指す。多くは食生活において適用されるが、皮革製品や動物実験を行った製品を利用しないなど、生活全般にも適用される思想である。詳しくは上記記事を参照してほしいが、ヴィーガンの思想は脱搾取および持続可能な社会の実現を最終目標とした包括的なものであり、日本語圏インターネットの一部で持たれているような高圧的・偽善的なイメージは誤りである。わたし個人としては、動物性成分を避けることは環境保全の面で有用であり、取り組む価値があるものと理解している。
一方で、ヴィーガンの思想のもう一つの柱として動物倫理・動物福祉の問題がある。動物にも権利を見い出し、人間の都合で動物に苦痛を与えたり殺生したりすることを否とする思想である。主にこの観点でヴィーガンを解説し推奨する論考にはピーター・シンガーの『なぜヴィーガンか？──倫理的に食べる』がある。
この思想に基づき、ヴィーガン製品は動物性成分を利用しないのと同時に、動物実験も行っていない（Cruelty Free、クルエルティフリー）。
わたし個人としては、動物の権利には今のところそこまで興味はない。しかしもちろん、動物実験をせずに済むならしないに越したことはないでしょう。そこで、手持ちのネイルの中で動物実験をしていないネイルを集めてみました。動物実験は行っていなくても、ヴィーガンを謳っていないということはなんらかの動物性成分を含有しているので、これらのネイルはおそらくヴィーガンネイルではない（※ヴィーガンの基準が国によって多少ぶれることから、あえて標榜しないケースもあります）。しかし、動物福祉に関心を持つ人にとってはよりマシな選択であるとはいえるかもしれません。
ヴィーガンネイルに比べたら、動物実験フリーのネイルは選択肢が多い。過去記事では9ブランドを紹介した。
今回は新たに3ブランドを紹介していきます。
1．uka（ウカ） ネイルポリッシュ ピースフォーウクライナ
価格：5500円 容量：10ミリリットル×2
ukaはネイルやヘアケア、カフェ事業などを展開するトータルビューティーブランド。ネイルは一部のカラーがヴィーガン処方である。過去に紹介した中では、ネイルポリッシュ ゴールドリボンとネイルポリッシュ ウカストアゲンテイがヴィーガンネイルにあたる。
ヴィーガン処方の商品は、公式オンラインショップの「ヴィーガン処方」タグから探すことができる。
ukaは動物実験を行わないことを公表しているので、ヴィーガン処方ではないネイルも、クルエルティフリーには該当する。上記着画はネイルポリッシュ ピースフォーウクライナ カラーウィート／スカイブルー。1度塗りでパキッと発色する不透明な黄色と青。
ハケは先端が扇形の平筆。そこそこ塗りやすい。
チャリティ商品であり、売上金の全額が、ロシア連邦の侵略を受けているウクライナへの人道支援に寄付される。過去記事でも詳しく紹介しました。
2023年5月数量限定発売商品だが、11月現在まだ店頭では見かけるのでおすすめです。
2．THREE（スリー） ネイルポリッシュ
価格：1980円 容量：7ミリリットル
THREEは2009年日本発のコスメブランド。「NEW ATTITUDE FOR BEING NATURAL（ナチュラルはこんなにも自由になれる）」をコンセプトに、自然由来成分メインのオーガニックコスメを展開している。ネットの情報によると一部商品にミツロウ（ハチ由来成分）を使用しているとのことなので、ヴィーガンとは謳っていないようだが、クルエルティフリーに該当する。
画像は2020年のホリデーコフレから、X41 インターステラー。公式によると「色も形も様々な星がひしめく、スターリースカイ・フレークネイル」。六角形～不定形の大小のラメが配合されたシアーなブルー。過去記事で紹介したマジョリカマジョルカの海の底に似ている。
ハケは先端が直線カットのタイプ。扇形に広がるタイプでもなく、しなりが悪い。2000円オーバーのネイルとしては不満が残る。
2020年のTHREEのホリデーのテーマは「メタリック ミューズ(METALLIC MUSE)」で、70年代のグラムロックからインスピレーションを得た煌びやかなコレクションが展開された。インターステラー（INTERSTELLAR）とは2014年のクリストファー・ノーラン監督映画の引用だろうか。SF映画とグラムロックといえば、2015年のリドリー・スコット監督『オデッセイ』にデヴィッド・ボウイの「スターマン」が引用されたのも印象に残っている。
3．クリスチャンルブタン マットネイルカラー
価格：7590円 容量：13ミリリットル
クリスチャンルブタン（Christian Louboutin）は1992年フランス初のラグジュアリーブランドである。スタッズが施されたバッグや、靴底が赤いハイヒールが有名。とくに、赤い靴底は「レッドソール」と呼ばれてルブタンを象徴するアイコンである。
赤と黒を基調にしたかっこいい配色といい尖り具合といい、個人的には好みのデザインなのですが、外反母趾なのでハイヒールは履けないし、バッグもお値段的に手が出ない。しかし2012年スタートしたコスメラインは、ルブタンらしいデザインを採用しつつアパレルよりは手に取りやすいのが嬉しい（それでもデパコスの中でも高額なほうだが）。
ネイルは2023年11月現在全23色で、ヌードカラーとレッドのみというストイックなカラバリ。画像はマルチミス 008Ｍで、14色もあるレッドのバリエーションのうち、マット仕上げのディープな赤。今年の誕生日プレゼントにお友達からいただきました。
マットコートなしでも艶消しに仕上がる。画像は1度塗り。
あまりにもとんがりすぎているキャップは、クリスチャンルブタンの中で最も高い8インチヒールのバレリーナウルティマをイメージしているそう。ガラス瓶も切子カットで高級感マシマシ。
先端は先細りではあるがキンッキンに尖っているわけではなく、丸いので、誤って触れても怪我する心配はありません。
キャップは二重蓋構造ではないので、そのままハケの持ち手になる。長いことのメリットはとくに感じなかったが、塗るときに邪魔になることはないので問題ない。人間工学に基づいて手に馴染むように作られているらしい。
ハケは幅広ラウンドカットの平筆で塗りやすい。見た目だけじゃなくて機能的！
パッケージも高級感マシマシ。
アガる見た目も塗りやすさも兼ね備えたネイル、自分へのご褒美におすすめです。
お友達からはスタッズデザインのアイシャドウもいただいたのでいずれ紹介します。
ルブタンビューティーのインスタは眺めてるだけでも楽しいのでおすすめ。
以上、クルエルティフリーのネイル3選でした。
