君の名前で僕を呼んで、と大型犬は言った

Lから食事の誘いのLINEが来たので、また少し彼の話をする。

 

最初に書いたLの話

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Lと初対面したときの話

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家の近所に美味しいチュニジア料理の店を見つけたので一緒に行こう、という誘いだった。

Lの家から1駅のところには大きな外国人街がある。だからか、Lの家の近くにも、馴染みのない国のレストランがびっくりするくらい沢山ある。ファミレスは1軒もないがベトナム料理の店なら至近距離に3軒もある。その上今度はチュニジア料理!わたしはチュニジアがどこにあるのかも正直よくわかっていない。

 

異国に囲まれた暮らしはLに似合うと思う。

LINEでのLは、ちょっと変わったハンドルネームを名乗っている。読み方さえもよくわからないそれは、ある国の言葉で「無」を表す言葉だそうだ。

親や、社会や、わたしのようなお節介な他人に奪われてきたものを取り戻すために、自分で自分を定義し直しているL。そんな彼を表す名として、その文字列はとても心地よく感じられる。

 

異国の文字を背負って、異国の料理の香りに包まれて、Lは今日も生きているはずだ。生きているといい。

わたしはいつか、彼の本名を呼びたい。親が与えた名でなく、彼がいずれ自分自身に名づけるであろう、彼の真名を。

 

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