少しだけ罪人のような気持ちで本を買う

 

本が増えすぎて部屋がいよいよ狭くなってきたので、少しずつ売って減らしている。わたしの家の近くにはちゃんとした古書店などないから、全国チェーンの古本屋に、CDやDVDと一緒に十把一絡げで引き取ってもらう。

 

本を売るのは苦手だ。作家の魂を僅かばかりの小銭に換えるなんて、許しがたい罪悪のように思えてならない。でも本当の本当の本音を言うと、本を買うことだってわたしは罪悪のように感じている。それこそ、作家の魂を二束三文と引き換える行為ではないか。

 

本屋に行く。棚の前に立つ。無数の魂がわたしを見下ろしている。目的の本を、震える指で抜き取る。選ばれなかった本たちは、選ぶ審美眼のないわたしの無学を責めているようだし、選ばれた本たちは、わたしのような無知蒙昧な、本の真価を解さない人間に無為に死蔵される不運を嘆いているようだ。

 

―― と、感じられることもある。

たいていの場合、書店はわたしをあたたかく迎え入れてくれるから、これはわたしの被害妄想に過ぎない。

それでも、本を買うときは、少しだけ罪人のような気持ちになる。昔からだ。一向に治る気配はない。

 

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