お知らせです。“インターネットとフェミニズムについての発信をするサイト”・Sisterlee(シスターリー)様に寄稿をさせていただきました。
「普通」から疎外される人たちを可視化したい。『敏感肌・ADHD向け』の美容情報を発信する理由|Sisterlee(シスターリー) @sisterleemag #note https://t.co/xN57eCVnry
— Sisterlee(シスターリー) (@sisterleemag) 2020年7月12日
「化粧品を買うことは、わたしにとっては、ADHDである自分を受容し、自分を知り、よりよい生活を営むための鍛錬そのものなんです。」
— Sisterlee(シスターリー) (@sisterleemag) 2020年7月12日
敏感肌・ADHD向けの美容情報をブログにて発信されている、呉樹直己さん(@GJOshpink )にご寄稿いただきました。 https://t.co/hVCFGB35dX
珍しく、よそゆきの顔をして文章を書いています。具体的に言うと、90年代ヴィジュアル系の歌詞を引用したりはしていません。いろいろ書いてますが、結論はただひとつ、「ポンプ容器の基礎化粧品使え」です。このブログをずっと読んでくださっている方にとってはもはや耳タコでしょう。黒板風に書くと下記のようになります。
心からアァァ
キミに伝えたい
基礎化粧品はポンプ容器に統一せよと
I for you …
ウォ~~↑↑オーーーーホォ~~~~~~↓↓
耳タコかもしれませんが、大事なことだと思っているので、これからも永遠に言い続けると思います。
寄稿させていただいた記事にも書いたように、自分が使いやすい商品を選択することは、自分の不便感を否定しないことを意味し、ひいては自分という人間そのものを受け入れ肯定することに繋がります。使いにくい商品を我慢して使い続けることは、ただ日常生活がちょっと不便になるだけではなく、自分のネガティブな気持ちを日々押し殺すことを意味する。「ここが嫌だよ」「合わないよ」「改善してほしいよ」という自分からの正直なシグナルを自分で無視し続けることに等しい。大げさに言うと、緩慢な自己否定。そして、シグナルを無視し続けると、シグナルの受容器官そのものが衰えてきて、おのれのネガティブな悲鳴を感知できなくなるんじゃないでしょうか。ちょっとした学習性無力状態。これは由々しき問題だと思います。自分の悲鳴が聞こえなくなると、生活を改善してQOLを上げることも叶わないし、機能不全家庭やパワハラ上司から逃げることも難しくなります。
もちろん、人生で感じる「嫌さ」は、自力ではどうしようもないからひたすら我慢して折り合いをつけるしかないものもある。むしろそんなのばっかりです。そんなのばっかりだからこそ、せめて自分で改善できそうな部分くらいは意識的に潰していこうというのが個人的なモットーです。
「生きづらい」という感覚は正直です。苦しさには必ず理由があります。ネガティブな感覚を、ただ気分を落ち込ませるもの、排除するべき邪魔なものとだけ捉えるのはもったいない。まずは受け入れ、分析し、試行錯誤へと繋げるべき、大切な資源です。しかし、当たり前ですが、生きづらさはなによりもまず人生の苦痛であり、障壁です。わたし自身も、現在進行形でその苦痛を感じています。どんなに気をつけていても、人間落ち込むときは落ちこみます。これだけやったのに落ちてしまった、とそこでまた自分を責める必要はない。それでも、昨日よりは今日、今日よりは明日をより楽に生き延びるために、生涯かけて試行錯誤を続ける価値はあると思います。
ということで、化粧品の容器にはこれからもこだわっていきます。参考になりそうな方は参考にしていただけると嬉しいです。
基礎化粧品によく使われる蓋の写真です。
— 呉樹直己 (@GJOshpink) 2020年7月12日
スクリューキャップ……ねじ式の蓋。回して開ける手間が発生する。利便性★
ヒンジキャップ……蝶番式の蓋。片手でパカッと開けられる。利便性★★
ポンプヘッド……容器を持ち上げる必要もなく、片手ワンタッチで適量が出せる。利便性★★★★★ pic.twitter.com/5VR9od1WfC
さて、せっかくこのブログでもお知らせしたので、寄稿記事に少しばかり補足をしておきます。
Sisterleeの読者様は美容好きの方が多いと思うので、字数の都合もあってばっさり省略しましたが、そもそも発達障害者にとっては、美容自体が一種の抑圧であるケースが多いです(特に女性)。入浴や散髪などの清潔保持の段階で躓いてしまう方、感覚過敏が酷くて基礎化粧品を顔に塗ることに耐えられない方、メイクに意義が見い出せなくてどうしても食指が動かない方、いらっしゃると思います。女の子ならそれくらい簡単にできるようになりなさい、などと言われて苦しんできた方も多いと思います。そのような抑圧を再生産するのはわたしの本意ではありません。わたしはあくまで、自分の趣味として美容を楽しんでいます。また、美容をきっかけにして肉体の不調に気づけることもあるので、広い意味でのセルフケアの一貫として考えてもいます(ネイルを塗っていたら貧血に気づいた話で書きました)。わたしは、わたしの裁量で、美容にリソースを割いています。その、本来は極私的な思いを、あえて “ADHDが試みる” というクソデカ主語を掲げたブログに記録している意図は、寄稿記事にも書いた通りです。このブログが役に立つと思う方は参考にしていただけると嬉しいですし、役に立つと思わなかった方は流していただいて、それぞれの距離感で楽しんでいただければと思います。いつもありがとうございます。
これからも、『敏感肌ADHDが生活を試みる』をよろしくお願いいたします。