敏感肌ADHDが生活を試みる

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日記:LGBTQプライドコレクションの限定商品ってついつい買っちゃうんだよな

 

 

 

買っちゃうんだよな〜。

 

 

 

 

プライドコレクションとは

毎年6月はLGBTQプライド月間(プライドマンス)である。プライド月間とは、クィアコミュニティを祝福し、これまでそしてこれからの戦いに敬意を払う期間のことで、セクシュアルマイノリティの認知向上・権利啓発のための運動が世界各地で行われる。1969年6月にニューヨークのゲイバーが不当な踏み込み捜査を受けた事件に由来しているという。

わたしもフェミニストとして、広義の当事者として、今年の6月はささやかに寄付をするなどした。

 

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消費の世界にとっても、プライド月間は大事な時期だ。

「感度の高い」ブランドはしばしば、プライド月間向けの限定商品を出す。限定商品の多くは、プライドフラッグを模したレインボーカラーに彩色してある。プライドコレクションの収益の一部を支援団体に寄付することで社会貢献とするブランドもある。インスタグラムでは「エンパワメント」されるような文章が綴られる。大企業になると、ロゴを一時的に虹色に変えたり、芸能人やインフルエンサーにメッセージを発信させたりする。

これら一連の営みは、言うまでもなく極めて商業主義的な戦略に基づいて行われている。

たしかに、企業が消費のインフラに乗せてメッセージを発することで、プライド月間を知らなかった人がその存在を認知し、セクシュアルマイノリティについて知るきっかけになることはあるだろう。しかし昨今は、そのような本来の意義を覆い隠すほどに、イメージ戦略上の旨味のほうが大きい場合もあり得る。商業的な目的ばかりが先行し、本来の目的であるセクシュアルマイノリティの権利啓発への意識や当事者への敬意を欠いた企業の動きは、近年はレインボーウォッシュあるいはレインボーキャピタリズムと呼ばれて批判されている(キャピタリズム=資本主義)。

 

https://jp.indeed.com/lead/how-to-avoid-rainbow-capitalism

毎年6月の「プライド月間」の時期に見かけるレインボーフラッグは、近年、歴史的に社会で疎外されてきたLGBTQ+コミュニティの象徴ではなく、商業のための策略として使われているように感じることがあります。

LGBT Capital が実施した2019年度の調査では、LGBTQ+の人々や、アライと呼ばれる支援者の購買力は、世界全体で3兆7000億米ドルと試算されています。

こうした人々が今、社会的弱者への理解や支援であるアライシップという名のもとに、「レインボーウォッシング」や「レインボーキャピタリズム」と呼ばれるマーケティング手法の標的となることが増えています。

 

また、プライドコレクションを買う客の少なくない割合がそのブランドのマニアか、あるいはブランド問わずの「限定商品」「レア物」の収集家であることは想像に難くない。そのような消費において、プライドコレクションは単に虹色のコレクターズアイテムとして珍重されるか、レア物として転売される。プライドコレクションであることの意味、そしてその背景にいるセクシュアルマイノリティの実存はそこでは忘れ去られている。

 

しかしわたしも、そのような出品者のおかげでフリマアプリでプライドコレクションの商品をゲットしたことはある。イメージ戦略上等、建前上等とも思う。この感覚は、わたしが日本で生きているからかもしれない。この国は、建前をつくろうことすらしない政治家が、まさに建前をつくろうことすらしないからこそ、「リアルな本音」の代弁者として喝采を浴びる国なのだ。

結局消費者としては、手元にきた商品に自分自身がどのような意味を見い出すかのほうを大事にするしかないのだろう。プライドコレクションの商品に限らずなんでもそうかもしれないが。

わたしとしては、とくにこだわりのない日常品を、どこのでもいいならどうせならプライドコレクションのを買ってちょびっと元気をもらう、くらいの距離感でいる。

 

 

 

手持ちのプライドコレクションの記録

さて、そんなこんなでなんだかんだプライドコレクションにはお金を出しているので、現時点での手持ちを自分用メモとして記録しておきます。

 

1.Wpc.のトートバッグ

TRPバッグ

定価:1980円 素材:ポリエステル(TPUラミネート)

 

東京レインボープライド2022のグッズである。東京レインボープライドは日本のプライドパレードで、毎年4月に開催され、Wpc.は協賛・出店で参加している(なのでこのトートバッグは6月のプライド月間の商品ではないが、まあ似たようなものとします)。なぜかZOZOTOWNにセール価格で出ていたので買いました。水彩画みたいな虹色が普通にお洒落でいいと思った(前提として、わたしは着道楽なのでプライドコレクションだろうがなんだろうがダサいと思ったら食指が動かない)。ごくごくオーソドックスなエコバッグ素材のトートである。薄いので、旅行のときのサブバッグとしてトランクに忍ばせたりとか、いろいろ使えそうだ。

 

Wpc.は晴雨兼用傘で有名な日用品ブランドである。メンズコスメレビュー100本ノックの記事では、派生ブランドであるメンズ日傘ブランドのIZA(イーザ)に触れています。

 

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2.COACHのフラグメントケース

ジップカードケース レインボーシグネチャーキャンパス

定価:28600円 素材:カーフレザー

 

COACHは分類としてはハイブランドだが5万円以下で買える商品も多く、俗に言うAccessible luxury=手の届く高級にあたる。ドンキなどで投げ売りされているのもあって、個人的には正直ときめき度は低い。しかし偶然ネットで見つけたこちらはデザインが好みだったので買った。アウトレットで10725円でした。

COACHの2022年のプライドコレクションで、メンズ分類のカード入れである。フラグメントケースとしては、正直それまで使っていた三面開きのもののほうが利便性は高いと感じている。三面開きのフラグメントケースはバッグの中身の記事で紹介しています

 

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でも我慢できないほどの不便さではない。見た目は圧倒的にCOACHのほうが好みなので使っている。

 

公式サイトには「LGBTQ+コミュニティ内の平等、多様性、真の自己表現を広める『コーチ プライド コレクション』の一つ」とある。収益を寄付とかはとくにしていないっぽいので、ただシグネチャーロゴを虹色にしただけの商品みたいです。ちなみに2023年のプライド月間のCOACH日本版インスタグラムには、「自分らしさに誇りを持って生きるすべての人を讃えたい、“コーチ プライド”。自己表現、喜び、自信をテーマに、オールジェンダーの象徴であるレインボーカラーのバッグやウェアなどが、豊富なラインナップで登場。」とある。

 

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なんかいいこと言ってる風だが全部間違ってて面白いですね。プライド月間は「すべての人」を讃えるものではなくて、普段は顧みられることが少ないセクシュアルマイノリティに明確にフォーカスしたものなので、そこを曖昧にするのは間違いである。黒人の権利運動であるBLACK LIVES MATTERをALL LIVES MATTERと混ぜっ返すようなものだ。

また、「オールジェンダーの象徴であるレインボーカラー」もよくわかんなくて、レインボーカラーが象徴する多様性にはジェンダーアイデンティティの多様性(トランスジェンダーなど)とセクシュアリティの多様性(レズビアン・ゲイ・バイなど)の2種類があるので、「オールジェンダー」という言葉ですべてを包括することはできないはずだ。

プライドイベントに参加したりパフォーマンスを披露したりしている有名人は、世界的ダンサーのRIEHATA、お笑いタレントのゆりやんレトリィバァ、美容系インフルエンサーのMatt、ジェンダーレスメイクアップアーティストのZutti Mattia、トランスジェンダーモデルのGENKING.など手堅い人選。とりわけゆりやんレトリィバァは近年プラスサイズ枠・ガールクラッシュ枠といった「多様性担当」としての露出が増えているので、よく言えば鉄板、悪く言えば安直といった印象を受ける。もちろんゆりやんレトリィバァ自身に非はない(容姿もセンスも彼女自身の能力だ。「枠」「担当」とでも言いたくなるのは、日本の芸能界に多様性が薄くて人選がお決まりになりがちなのが根本原因であろう)。

 

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なお、COACHのアイコンキャラクターはRexy(レキシー)という名の恐竜であり、プライドコレクションには虹色の恐竜が描かれたものもある。しかし近年は、韓国フェミニズムシーンなどの一部界隈で恐竜がTERFのアイコンとなっているので、虹色の恐竜を見ていると若干ピリッとくるものがあります。これはCOACHにはまったく非がない。可哀想な話である。

 

3.COACHの財布

マルチファンクション カードケース レインボーシグネチャーキャンパス

定価:40700円 素材:シグネチャーコーテッドキャンパス、スムースレザー

 

こちらもCOACHの2022年のプライドコレクション。15262円で買いました。

財布としてはミニ財布に相当する容量である。これまでわたしは財布は大容量派だった。ADHDとして、レシートや小銭などを溜めておける財布がいいと思っていたのである。しかしここ数年はキャッシュレス化で現金を使う機会が激減し(住環境にもよるだろう。わたしは首都圏に住んでいるので現金はめったに使わなくなった)、流石に小さい財布でもいいかもしれないと思い始めていた。さらに、新しい小さいバッグを使い始めたこともあって(ブログではまだちゃんと紹介していません。いずれ書きます)、ついにミニ財布に乗り換えたのである。利便性はやはり、今まで使っていた大容量の二つ折り財布のほうが高い。しかし、我慢できないほどではないといったところだ。

 

2のフラグメントケースとこの財布は、わたしが存在を知って欲しいと思ったのが2023年6月のこと。公式通販ではとっくに売り切れていたのでアウトレットを探すと、南町田クランベリーパークのアウトレットにあることが判明したので、はるばる南町田グランベリーパーク駅まで行きました。最初はフラグメントケースだけ買い、退店してからやはり財布も欲しくなって再来店して会計すると、店員さんが「この柄お好きなんですか?」と話しかけてきたの憶えている。プライドコレクションを買うのは柄がお好きとかいう問題じゃないので、ちょっとズレた対応だなと感じました。店員さんがプライドコレクションの商品とわかっていたのかわかっていなかったのかは不明。

 

今まで使っていた財布とフラグメントケースは黒色で、汚れても目立たなかった。しかしCOACHの財布とフラグメントケースはクリーム色地なので、徐々に薄汚れてきてはいます。本革だが、エイジングを楽しめるタイプの革でもなさそうなので、ちゃんとケアしないと汚くなりそうだ。今後革用クリーナーを買うなり検討することにする。

 

 

 

 

4.THE NORTH FACEのシャワーサンダル

ザノースフェイス ウィメンズベースキャンプスライドⅢ プライド ブラック

サイズ:US7(24.0センチ)

 

日本未発売のシャワーサンダル。フリマアプリで6600円で買いました。近所履きとして使っている安いサンダルが若干壊れかけているのと、プールサイドで履けるサンダルを探していたのと、ペディキュアが見えるサンダルを探していたのとで、3つの目的を兼ねるものとして購入。そこまでこだわりがないものは、どうせ買うならプライドコレクションのを選ぶという算段。しかしフリマアプリの商品説明欄にはプライドコレクションの意味の説明などは一切なかったですね(よくあること)。

トランスジェンダーフラッグと有色人種のプライドフラッグも足したレインボーフラッグなのがいいと思う。

 

 

 

 

 

5.ニベアの青缶

 

ドイツで2023年に発売されたプライドコレクションだそうです。缶容器のクリームは買わない主義だが、フリマアプリで安かったしパッケージが可愛くて買ってしまった。使い切ったら缶を小物入れとかにしようと思う。

4のTHE NORTH FACEもニベアも、日本でもメジャーなブランドだ。日本で展開していてもプライドコレクションだけ日本発売がないのはよくあることである。悲しい。

 

 

以上、手持ちのプライドコレクションの記録でした。