敏感肌ADHDが生活を試みる

For A Better Tomorrow

新星急報社さんのアクセサリーオーダー会で、自分が思う最高にカッコいい真珠のピアスを具現化してもらったよレポ

 

 

 

 

1.呉樹は激怒した

いや、激怒というほどではないけれど、ちょっとプリプリしていた。世の真珠のアクセサリーの、雰囲気のバリエーションの乏しさにプリプリしていた。呉樹には政治がわからぬ。世界で初めて真珠の養殖に成功したのは日本であり、真珠は日本文化を象徴するものの一つであるとか、そのような歴史は知ったことではない。呉樹は着道楽である。ZOZOTOWNとFARFETCHを周回し、イメコンと遊んで暮らしてきた。かっこいいものには人一倍敏感であった。呉樹はかっこいいテイストが好きであった。それなのに、ざっとググって引っかかる真珠のアクセサリーは、呉樹的にはあまりかっこよくないのであった。

 

ということで、フルオーダーのアクセサリーを作ってきたよというレポです。

過去記事でも書いてきたように、今年の春から真珠のアクセサリーにはまっている。

 

www.infernalbunny.com

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ネックレスも指輪もピアスも一通り揃えたのですが、実はピアスに関しては、これぞわたしの人生ピアス! と心酔できるマスターピースを見つけるには至っていなかった。過去記事で紹介したid ANELAのバロックパールピアスも、VENDOME BOUTIQUEの黒真珠ピアスも、それなりに気に入ったからこそ買ったのですが、実は100%好みだったわけではない。

 

白い大粒バロックパールのピアス

白い小粒パールと黒い大粒バロックパールを組み合わせたピアス

 

2つとも、わたし基準では小さすぎるんですよね。

わたしは本当は、過去のピアス紹介記事を見ての通り、ボリューミーな大ぶりのピアスが大好きなのです。

 

ピアス7個。

 

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しかし、真珠のアクセサリーはそもそもソフトでコンサバティブで上品な雰囲気のものが多い。それが好きな人にはいいが、わたしの個人的な好みではないのです。ずいぶん探して、真珠のネックレスと指輪はかっこいいものに出会うことができたが、わたしの執念(ファッションアプリ3つとフリマアプリ1つを1日50時間周回しています)をもってしても、好みの真珠のピアスに出会うことはできないでいた。

唯一ちょっといいなと思ったのは、最近出たJIL SANDER(ジルサンダー)のピアス。

 

商品画像。

Jil Sander パール ドロップピアス - Farfetch

 

でっけーバロックパールを繋いだだけの潔いデザインが武骨でかっこいい。でも7万1200円は払えねー。あとわたしは金具はシルバー派だし。

 

ということで、市販品から見つけることに限界を感じ、フルオーダーで作ってしまうことにしたのです。

 

 

 

2.新星急報社さんのオーダー会

オーダーは、今回も新星急報社さんにお願いすることにしました。

新星急報社さんは、ハンドメイドのアクセサリー作家さん。診断メーカーで出てきた短文や、著作権の切れた名作文学をモチーフにしたアクセサリーを手がける、イメージアクセサリーのプロフェッショナルです。その新星急報社さんの大人気企画が、お客の好きなものをヒアリングしてアクセサリーにする対面オーダー会。「推し」を象徴する概念アクセサリーもできるし、「推し」からプレゼントされたという設定のアクセサリーも作ってもらえる、おたく垂涎のアトラクションです。大好きな「推し」の目の色と同じ色のビーズを見て泣き出す人もいるとか……。そんな楽しい対面オーダー会の様子は、ネット記事や漫画で紹介されています。

 

nlab.itmedia.co.jp

 

 

わたしは2022年11月に、すでに一度ピアスを作ってもらっています。わたしは「推し」はいないので、「自分が思う一番かっこいいピアスを具現化したいんです!」と言って、事前に考えておいたデザイン案を絵に描いて持参しました。もちろんそういうオーダーもOK。

そのときに作ってもらったピアスがこちら。

 

ピアス。

ピアスのトルソー着画。

 

 

極太の喜平チェーンパーツといい、肩に触れるほど長い直線パーツといい、個人的に思う「一番かっこいい」を詰め込んだ仕上がりになりました。去年から現在まで、最も出番が多い一軍ピアスとして大活躍しています。

今回も、デザインソースはこのピアスとして、トップのビーズをバロックパールに替えたようなデザインにしたいと思いました。

 

 

 

やってきたのは銀座のレンタルスペース。新星急報社さんは定期的にあちこちのレンタルスペースで対面オーダー会を開催されているのです。11月は渋谷でした。

レンタルスペースの扉を開けると、新星急報社の中の人が出迎えてくれます。素敵な淡水パールのピアスをお召しでした。もちろん自作と思われる。素敵なお洋服はジャンポールゴルチエ。

料金体系などを丁寧に説明していただいてから、いよいよアクセサリー作りに入ります。実は事前に、前回と同じパーツの在庫があるか問い合わせておいたので、話はスムーズでした。喜平チェーンパーツは在庫がある(廃盤品であり残りわずかでした! ギリギリセーフ)が、下の角柱パーツはすでに在庫がないとのこと。喜平チェーンは前回のように2個連ねて使いたいこと、そして、前回ビーズを配置した上の部分にバロックパールを配置したいことをお伝えします。ここで、お手持ちのバロックパールを全部出してもらいます。次から次へと出てくる、形も大きさも色合いもさまざまなバロックパール。夢みたい。

どれも魅力的でしたが、中でも、白色と黒色のでっかいオイスターパールに惹かれました。

実際の現場の写真がこちら。

 

パールがいくつか散らばっている。

 

海外から買い付けた、お値段の張るブツだそうです(使うなら追加料金になる旨も説明していただく)。

ちなみに手前の、扁平な長方形のやつも素敵でした。テリが非常に強くてつやっつやです。

 

白色と黒色で迷いますが、いっそ左右アシンメトリーにしてしまえばいいと思いつき、両方採用することに! 個体差があるので好みの形を選別します。

これで、ピアスの上半分のバロックパールと喜平チェーンパーツが揃いました。その時点での写真がこちら。

 

パールと喜平チェーンが組み合わさったところ。

手前のトレーに載っているのはわたしが元々つけていたピアス。これはまだブログで紹介していないので、いずれ。

 

制作風景。

 

これで上半分は完成。

あとは下半分のデザインを決めるだけです。

下の部分は、角柱パーツに似たものを使うか、細いチェーンをタッセル(ふさ)のように束ねて垂らしたいと思っていたので、角柱とチェーンを出してもらいます。いろいろ組み合わせてみて、タッセルのほうがバランスがよかったのでそちらを採用。あとはタッセルの長さとボリュームを決めるだけ。しかしここにきて、タッセルなしでもかっこいい気がしてくる呉樹。いっそバロックパールと喜平チェーンだけの太くて短いピアスにしようか……? 考える呉樹。するとそこに、新星急報社さんから驚きの提案が。

 

「タッセルを開閉式のカニカンで繋いで、気分でつけ外しできる2wayにするのはいかがでしょう」

 

!????!?!!!

そんなことできるん!????!?!??

 

天才の提案すぎる。即採用。ありがとうございます! ありがとうございます!

そんなこんなで、1時間の制限時間をフルに使って出来上がったのがこちら。

 

ピアス。

 

かっこい~~~~~!!!!!

 

家でゆっくり写真を撮ったのがこちら。

 

ピアス。

ピアスのトルソー着画。

ピアスのトルソー着画。

 

大粒の白黒の淡水真珠の美しいこと! 早朝に撮影したので輝きが十分に伝わらないのが残念。

 

パール接写。

 

下部のタッセルはカニカン式になっています。

 

金具接写。

外したタッセル。

 

タッセルを取り外すとこんな感じに変貌する。

 

タッセルを外したピアス。

タッセルを外したピアスのトルソー着画。

 

これはこれで武骨な雰囲気でイカす。

 

しかもこのタッセルは「おうちの別のピアスにつけて雰囲気を変えることもできますよ」とのことで、あまりにもお得すぎる!!!!!

さっそく家のピアスにつけてみたのがこちら。

 

タッセルつきピアス。

タッセルつきピアスのトルソー着画。

 

シンプルかっこいい~~~。

これの元は、過去記事でもちらっと紹介したMURUAのマーブルプレートピアス(3190円)を分解したパーツです。

原型のピアスは、一時期は一軍ピアスとしてヘビロテしていたが、安価な合金製なので、フェイスラインに触れる裏側部分が茶色く変色してしまっていた。

 

ピアスの表側。

ピアスのサビた裏側。

 

そこで、分解して、変色していない上部だけをシンプルなスタッドピアスとして使っていたのでした。

 

パーツを分解したところ。

外れたパーツ。

パーツだけでトルソーにつけた着画。

 

シンプルにしたい気分の日にコーディネートの脇役として活用していたのだが、今回新たにタッセルを加えたことで、再び主役級ピアスに躍り出た気がする。真珠のピアスを買ったと思ったら、もう1個新しいピアスがついてきた気分です。嬉しすぎる誤算。「こういうアバンギャルドなのが似合う方はあまりいらっしゃらないので~」と言われたのも自尊心くすぐられました。

なお、お値段は10500円でした。ピアスの基本料金8000円に加えて、バロックパールが海外取り寄せの高価なパーツということで+1000円×2、チェーンをタッセル状に束ねるのが特殊工程扱いで+500円です。

 

以上、新星急報社さんでピアスを作ったよ記録でした。今回も大満足です。いっぱいつけようと思います。

 

以下、実際にオーダーしてみたい人向けの追記。

 

 

 

■今回はパーツの在庫を事前にお問い合わせフォームから問い合わせた。ハンドメイドの資材は廃盤になるのが早いので、新星急報社さんのインスタ等で作品を見て同じパーツを使いたいと思ったら、事前に問い合わせると確実。在庫の有無を答えてくれるし、在庫がなくても可能な場合は仕入れてくれる。

新星急報社さんのブログ・Twitter・インスタはこちら。

 

blog.shinsei.nu

 

twitter.com

 

www.instagram.com

 

事前問い合わせは、「●●というキャラをイメージしたアクセサリーを作りたいので事前資料を送付します」とかはナシね。イメージの伝達はあくまで現地で時間内に済ませること。

 

■レポでは触れなかったが、今回は友人の高島鈴と2人で出向いた。ペアで予約するのもアリ(2コマ続けて予約を取るべし)。ほかの人の推し語りを隣で聞くのめっちゃ楽しいのでおすすめです。

高島鈴は漫画『進撃の巨人』のハンジ・ゾエをイメージしたイヤリングをオーダーしていました。

 

ピアス2個が並んでいる。

 

高島鈴のレポはこちら。

 

doronosu.hateblo.jp

 

 

 

 

■推しの概念アクセサリーが欲しいけど種類をなににしたらいいかわからない人は、個人的にはイヤリングがおすすめです。ネックレスは柄物の服だと使いにくいし、ブレスレットは長袖の季節だと目立たないので、イヤリングなら長い間推しを身に着けられると思う。高島鈴に相談されたときはそう答えました。

もちろん、なにも決めずに行って、種類から新星急報社さんに相談することもできます。

 

■わたしが「真珠のブレスレットは素肌に直接触れるので真珠が劣化するのが心配」と話すと、「レースの手袋の上からつけるのはどうですか。感覚過敏でレースがつらいなら、アームコルセットという手もありますよ」とさらっと提案していただきました(新星急報社さんとは相互フォローで、ブログも読んでいただいており、呉樹がADHDなのはご存じです)。普段のファッションや身体の寸法、そして感覚過敏といった感じ方など、幅広い意味でパーソナルな提案をしていただけます。安心感。

 

 

■もちろん、どんなSOGIの人でもオーダーすることができます。安心感。

 

 

■対面オーダー会は多くは首都圏で行われますが、オンラインでオーダーできるプランもあります。

 

 

■とにかくまずはブログを読んでイメージを掴むのがおすすめです。

 

blog.shinsei.nu

 

shinse.thebase.in

 

結論:新星急報社さんはいいぞ。

 

 

ピアスのトルソー着画。

 

 

 

【2023.5.28 追記】

作成翌日、さっそくつけてお出かけしました。装着して8時間ほど歩き回ったところ、安定していたはずのピアスホールから出血しました。でっかい真珠の代償としてそれなりに重量があるので、仕方ないと思います。わたしは着道楽なので、これくらいは我慢できます。実際、新星急報社さんからも、「最近は中空の真珠を養殖する技術もありますが、この真珠は中空ではないので重たいです」との説明がありました。見事な伏線回収。

ちなみに、手持ちのピアスの中で同じように出血しがちなのはZARAのピアスである。

 

ピアス。

ピアスのトルソー着画。

 

こちらのピアスは片耳13グラムある。新星急報社さんのピアスは10グラムだった。どうやらわたしの耳は10グラム前後で出血しはじめるようだ。

痛い思いをするのが嫌な人は、軽いパーツで仕上げてもらうこともできます。実際に高島鈴は「ボリュームがあるけど重すぎない程度で」というオーダーを出していました。身体や感じ方に合わせた要望をできるのがフルオーダーのいいところですね。

 

【2023.5.29 追記】

おすすめいただいたアームコルセットについて、新星急報社さんから補足していただきました。

 

 

BASEでは今は在庫がないようですが、めちゃ素敵なアームコルセットがいっぱいあります。

また、massaging capsuleさんのブランドコンセプトがめちゃくちゃよかったので全文引用しちゃいます。

 

www.massagingcapsule.com

massaging capsuleとは「服は今にも炸裂しそうな身体を包む込む殻である」という批評家の言葉、衣服=マッサージメディアという解釈、猥雑な夜の東京の印象を複合させて造ったブランド名です。

服の持つ「魂への機能性」を最も大切な事と考えます。ウェアラブルでなければならない、という条件とのギリギリのバランス成立地点を追求しています。
脆く傷付きながら懸命に自立する人物像をイメージし、そのような人たちが強くあるための殻としての服をデザインしています。

 

魂への機能性! なんてかっこいい言葉なんでしょうか。魂への機能性と実生活上の機能性の両立は、着道楽かつ精神障害者として日々模索していることそのものなので、このコンセプトだけで好きになってしまいました。

わたしはこの蛇柄のアームコルセットが欲しいです。

 

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