敏感肌ADHDが生活を試みる

For A Better Tomorrow

レディース服に「ポケットあり」の選択肢を! 署名運動 #レディース服にポケットを にご協力ください

 

 

 

 

こんにちは、呉樹直己です。今回の記事では、わたしがメンバーとして携わっている署名運動 #レディース服にポケットを についてご説明します。2024年3月2日に開始し、すでにSNSでは何度か共有していますが、わたしが持つもう一つのチャンネルであるこのブログでも告知していきたいと思います。趣旨に納得していただけたら、ぜひ署名・拡散していただけると嬉しいです。

活動内容は、チェンジドットオーグという署名プラットフォーム上にまとまっています。

 

レディース服に「ポケットあり」の選択肢を #レディース服にポケットを

chng.it

 

活動の進捗などは、発起人の卜沢彩子(うらさわあやこ)さんおよびメンバーの呉樹のSNSで随時発信されます。メインはX(Twitter)です。

 

 

 

署名の締め切りは2024年4月末を予定しています。

 

活動内容はチェンジドットオーグ上にあるものがすべてなので、まずは上記リンクを読んでいただくとして、この記事では、メンバーである呉樹個人の実感に基づく補足を行っていきたいと思います。また、チェンジドットオーグの文面は、マスに浸透することを優先してできるだけ簡潔にしていますが、わたし自身は精神障害者かつジェンダークィアの立場からものを書くことが多く、当ブログ読者にも当事者や関心を持つ方が多いと思われるため、この記事ではそれらマイノリティの立場からの思いも発信していきます。記事内容は発起人である卜沢さんの確認を経て公開していますが、文責は呉樹にあります。

 

 

 

 

1. #レディース服にポケットを 署名運動について

改めて、今回の運動は、SNSでも度々話題になる「レディース服にポケットがない・少ない」問題を解決すべく立ち上げられました。

レディースと分類される服にはメンズの服よりもポケットが少ないことは、以前からユーザーの体感として語られていたことでした。直近では、2024年1月1日の航空機衝突事故を受けて、身一つで避難する際にポケットがないと財布すら持ち出せないことが指摘されています。

 

 

ポケットの格差は最近だけ・日本だけの問題ではなく、歴史的な経緯や海外の事情も検証されています。

 

www.fashionsnap.com

 

www.fashionsnap.com

 

ポケットを求めるユーザーの声は断片的には話題になり、それに応えてポケットのある服をフューチャーするブランド(上記記事で紹介されているグリーンレーベルリラクシングなど)も出てきていますが、ブランドを横断した業界全体としてのムーブメントには発展しないままでした。

今回の運動は、レディース服にポケットを求めるユーザーの声を改めて可視化し、要望としてまとめてファッション通販大手4社(ZOZOTOWN・Rakuten Fashion・ユニクロ・メルカリ)に働きかけ、業界全体としての改善を求めるものになります。

 

 

 

われわれの要求は、①実用に耐えるポケットのついた服の開発・特集 ②「ポケットあり」の検索項目の追加 ③ポケットつきの服の表示改善 の3つです。順番に解説していきます。

 

①実用に耐えるポケットのついた服の開発・特集

何はともあれ、服にポケットをつけるよう要請します。ただつけるだけではなく、実用に耐える大きさであることが望ましいです。レディース服はポケットがついていても、メンズ服のそれに比べて極端に小さかったり浅かったり、フラップ飾りだけのフェイクポケットだったりするケースがあります。ほとんどの人がスマホを持っている時代ですから、最低限スマホは入る大きさであるべきでしょう。

すでにポケットつきの服が商品ラインナップにあるなら、継続的にポケットつき服の特集を行うなどして手に取りやすくすることも要求します。

 

②「ポケットあり」の検索項目の追加

オンラインショップ上で、「ポケット:あり」で絞り込み検索ができるようしてください。現状、ポケットのついた服を探そうと思ったら「ポケット」「ポケットあり」等で地道に語句検索するしかありません。また、このような検索では「ポケットなし」の商品も引っかかりますし、そもそも商品説明文にポケットの有無の言及がなければ探し出すこともできません。サイズや色で絞り込めるのと同じように、ポケットの有無で絞り込めるようにしてください。

 

③ポケットつきの服の表示改善

ポケットのある服のカテゴリーや特集ページを作るなどして、ポケットがある服やブランドを知る機会を増やしてください。オンラインショップでも実店舗でも、特定のアイコンやポップをつけるなどで、ポケットがあることがわかりやすいようにしてください。とりわけオンラインショップでは、多くのブランドは慣習的に、ポケットのある服にはモデルがポケットに手を入れた画像を掲載していることが多いですが、あくまで慣習であって絶対ではありません。着用画像をいちいちスワイプしなくても、「ポケットつき」のアイコンを付与したり、③で述べたような絞り込み検索ができるようにしたりすれば、ポケットを求めるユーザーがアクセスしやすくなります。

 

以上の3つを要請します。

署名の提出先は、ZOZOTOWN・Rakuten Fashion・ユニクロ・メルカリの4社です。まずは大手から変わっていってほしいと思います。

 

署名の発起人は卜沢彩子さんです。

 

A-live connect代表/みらい館大明ブックカフェコーディネーター 

「性」「パートナーシップ」等のテーマを中心にフリーランスとしてイベント企画・コンテンツ企画・記事執筆、相談などを行っている。

会社員としてはECコンサル会社→現在化粧品・健康食品メーカーのEC担当者。フェミニンなレディース服を着ることが多い。

 

(署名ページより)

 

呉樹はXを通じて卜沢さんと知り合い、今回メンバーに加わりました。

 

 

 

 

2.ADHDとして、クィアとして

このブログではわたしは、精神障害者かつジェンダークィア/ノンバイナリーとして発信することが多く、読者の方も当事者や関心の深い方が多いと思われるので、その立場からもコメントします。卜沢さんも以前からわたしのこのような発信に共感してくださっており、そのご縁もあって今回共同で運動を進めていくことになりました。

わたしは、ポケットのないボトムスとアウターは買わないと決めています。過去記事では、ADHD流の服選びの条件として共有しました。

 

www.infernalbunny.com

 

ADHDであり、二次障害として抑鬱の症状も抱えていると、日常生活にかけられる精神的リソースは一般的な人より少なくなります。平たく言うと、キャパが小さい。すぐパニクる。上記の記事では、セルフサービスの飲食店でお会計しながらお盆を操作するシチュエーションと、自転車の駐輪券を発行するシチュエーションを挙げましたが、こんな些細な動作も、鬱やADHDを抱えているとスムーズにできないときがあります。そんなとき、一時的な収納場所としてポケットがあると生活が劇的に楽になるのです。わたしはこれに気づいてからは、ポケットのないボトムスとアウターは決して買わないようになりました。うちにあるボトムスとアウターは、1枚残らず全部ポケットつきです。わたしは服が好きなのでコーディネートにはそれなりにこだわるのですが、すべてのボトムスとアウターにポケットがあれば、コーデを組むときに実用性と天秤にかける必要がなく、純粋にルックスにだけ集中できます。

なお、同じADHD当事者でも、ポケットにものを入れると行方不明にしてしまうのでポケットは使わないという方向に自分を操作している人もいます。そのような人には今回の署名運動はあまり関係ありませんが、活動の目的はポケットのある服を選びやすくすることなので、ポケットがなくてもいいと考える人の邪魔になることはないと思います。

 

また、わたしはジェンダークィア/ノンバイナリーでもあります。2022年3月からホルモン治療(テストステロン注射)を始め、現在も継続しています。わたしにとって装いとジェンダーアイデンティティは必ずしも関係はなく、着る服は純粋にデザイン性で選んでいます。メンズ分類でもレディース分類でも、気に入ってサイズが合えばこだわりなく着ます。今回の署名運動では、「女性服」ではなく「レディース服」という表現を採用しています。メンズ・レディースの区分はあくまで便宜上の、ファッション用語としての呼び方であって、着る人のアイデンティティを規定するものではないとする方針を示すためです。

 

 

署名と合わせて募集しているアンケートでは、対象は「レディース服を着用する機会がある人」とし、性別欄は設けていません。ジェンダーアイデンティティを問わず、幅広い人に回答していただければと思います。

 

docs.google.com

 

 

 

3.ありがちな疑問

以上、今回の署名運動について解説してきました。

以下では、予想される質問に解答します。

 

Q1.自分はポケットがなくてもいいのに!

今回の運動は、服にポケットが欲しい人がより選択しやすくするためのものです。ポケットがない服の販売禁止など、極端な措置を求めるものではまったくありません。服にポケットが要らないと考える人の邪魔になることはないと思います。選択肢が増えるだけです。ポケットのない服を選ぶ選択肢も今まで通りあります。

 

Q2.ブランド側が渋るのはポケットにものを詰め込むとシルエットが崩れるからでは? ポケットがないのは仕方ないのでは?

ポケットを求めている人も、ポケットになにもかにも詰め込んで手ぶらで出かけたいわけではなく、トイレに立つときの月経用品や仕事中のスマホなど、ちょっとしたものを入れるスペースを求めている人が多い印象です。シルエットがそんなに大きく崩れることはないでしょう。そもそも、シルエットを気にするかどうかはユーザーが決めることです。ポケットにものを入れたい人も、シルエットにもこだわりたいなら小さなものしか入れないように自主的に気を配るでしょう。シルエットを気にしない人なら、気にせずものをバンバン入れてポケットが変な形になっても、本人がそれでいいなら誰にも文句を言われる筋合いはありません。まずは選択できることが大事です。現状は、検索機能の不足などで、そもそも選ぶことすら簡単にはできないのですから。

また、ブランド側とユーザーで想定するルックスと実用性のバランスに乖離があることも考えられます。多少ルックスが損なわれても実用性を取りたいという人も多いのではないでしょうか。

 

Q3.署名は本名でなくてもいい?

意外に知られていないことですが、チェンジドットオーグは実名でなくても署名できます。

 

help.change.org

Change.orgでは、「戸籍やパスポートなどに記載されている本名使用を義務化する」いわゆる実名主義はとっていません。ユーザーアカウントの身分証明は行っておらず、匿名でアカウントを作成することが可能となっているため、通名や芸名、ペンネームなど、望む名前を使ってアカウントを作ることができます。 

Change.orgはオープンなプラットフォームとして、「職場に自分が署名活動・賛同していることが明かされることに不安を感じている」などの人に対して実名を出さずに自由に利用できるよう、どこに住んでいようと、また何を信条としていようと、誰もがサービスを使うことができるような運営体制をとっています。

 

(すでにその名前で社会的活動実績がある場合を除いて)政治的アクションをハンドルネーム等で行うことには賛否がありますが、少なくともチェンジドットオーグでは戸籍上の名前ではない名前でアカウント登録することは可能です。

複数アカウントを持つことはできないので、全署名をその登録名ですることになります。

 

Q4.チェンジドットオーグは信頼できるプラットフォームなの?

チェンジドットオーグについて、問題点がないわけではありません。たとえば、実名主義ではなく身分証などが不要なことは参加ハードルを下げてくれる一方で、悪用することも可能です。「チェンジドットオーグ 危険性」などで検索すると、問題点はほかにも指摘されています。

チェンジドットオーグは完璧なプラットフォームではありませんが、現時点で最も知名度があり、比較的信頼性の高いプラットフォームとして採用しています。不安な点は各自で調べて、納得できる方のみ署名をお願いします。

 

 

 

4.ハッシュタグに寄せられたご意見

最後に、ハッシュタグ #レディース服にポケットを と #ポケットのある服 に寄せられた声の一部をまとめて終わりにします。呉樹自身の投稿も含みます。掲載に問題がある場合、ご一報くだされば削除します。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


以上、 #レディース服にポケットを 署名運動についてでした。

 

署名ページを再度貼っておきます。ぜひ署名・拡散にご協力ください。

 

chng.it