敏感肌ADHDが生活を試みる

For A Better Tomorrow

夏、GID外来のある病院にて

 

 

 

ホルモン投与を始めて、2週間に1回GID外来に通うようになって1年4カ月になる。これだけ通っていたら、もし女性に見られたいのだとしたらもうちょい工夫せえよアンタと言いたくなるルックスの人を待合室で見かけることはあります。今日もいました。頭頂部が禿げた白髪混じりツインテールの超ミニのセーラー服の、「男性に見える人」が。でも、その人がトランスかどうかなんて、ましてや女性的な恰好をすることをこの病院に来るとき以外はどのように運用して生活しているかなんて、こちらには一切わからないわけですよ。まず基本的なことですが、トランスジェンダーにホルモン注射を行っている病院の多くは精神科や内科や泌尿器科や美容外科等であり、その中にGID外来を設ける形で存在しています。わたしが通っている病院も複数の科を標榜しています。だから、GID外来のある病院の待合室に座っている誰かがトランスジェンダーかどうかなんてわかりはしない。仮にトランスジェンダーだとしても、ホルモン投与のために通院しているとは限らない。そこが精神科なら鬱病かもしれないし、泌尿器科なら尿路感染症かもしれないし、美容外科ならしみ取りレーザーを打ちに来ているのかもしれない。ホルモン投与をしていないトランスが、少しでも安心して診療を受けたくて、わざわざGID外来のある病院を選んで通院しているなんて十分あり得ることです。なにもわからない。None of your business. だから、あの頭頂部が禿げた白髪交じりのツインテール超ミニセーラー服の、おっさんだかおばはんだかおっさんでもおばはんでもないんだかの人にわたしが言えることがあるとすれば、All the best wishes, あなたに幸あれ。それだけ。そんなある日の、GID外来のある病院でのひとこま。

 

 

紫色のアジサイ。