主に「敏感肌ADHDが美容を試みる」と題して、美容に関する記事をいくつか書いてきた。
今さらだが、わたしの美容に対するスタンスを記しておく。
わたしにとって化粧品による美容(とくにスキンケア)は趣味の一つであり、愛しているが信用はしていない。化粧品は医薬品ではないのだから、効果が感じられたとしてもそれはごく表面的・短期的かつ微弱なものであって、快眠・快食・快便を目指すインナーケアに勝る美容はないと思っている。自分なりに調べたり試したりしてきた実感からすると、本当に意味があるスキンケアは下記の3つくらいじゃないかと思っている。
①日焼け止め
紫外線は美肌の敵だ。メラニン色素の合成を助長してシミを増やしたり、真皮の細胞にダメージを与えてシワを増やしたりする。詳しくはググったら出てきます。日焼け止めでしっかりガードしなければならない。“美白” 至上主義者ではないのでスキントーンを明るくしたいとは思わないけれど、肌は色ムラなく滑らかであってほしいとは思っています。
②日焼け止めを落とすための適切な洗浄
日焼け止めの成分は主に紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の2種類。こちらも詳しくはググってください。紫外線散乱剤は金属粉で、紫外線を鏡みたいに物理的に反射して肌に届かせないようにする。紫外線吸収剤は有機化合物で、紫外線を化学反応で分解して無効化してくれる。顔に金属や化学物質を塗りたくるわけで、当然どちらも肌には悪いです。紫外線のほうがギリ悪さが上だから仕方なく塗ってるだけ。朝塗ったら、夜にはきちんと落とさなければならない。
③シンプルな保湿
乾燥も美肌の敵。人間の肌では水と皮脂がミルフィーユ状に重なって天然の保湿バリアを形成してくれている。しかし外部刺激に晒されていると水分も油分も徐々に不足してくるので、多少は外から補ってやる必要がある。
以上3つ。あくまで個人の意見ですが。
それでもわたしはスキンケアをするし、コスメに金を払う。快眠快食快便は実際のところ一番お金もかかるし難しいが(睡眠障害を抱える鬱病・ADHD患者にはなおのこと難易度が高い。もちろん、諦めずに通院や工夫もしている。そこらへんのアイディアもいずれ記事に書きたい)、コスメにはトキメキがある。夢がある。世知辛い世の中、これほどまでに夢だけで成り立ってる文化も珍しいじゃないですか。
Q.夢がないのは?
A.コ・ノ・セ・カ・イ……(囁き声で)
美容に投資するのは、わたしにとってはバイブスの静注。日々の生活をなんとなく豊かにしてくれるトキメキのドーピング。自分に手をかけることで自分を大切にしている実感を高め、自己肯定感を醸成し、おのれを慰撫し、勇気づける、魔法のようなものだ。
そう、テンションをアゲたくて使っているのだから、使うこと自体がストレスになるなんて言語道断だし、効果が少なくても構わないけれど害をなすのは許せない。日常生活を営むだけでいっぱいいっぱいな鬱病・ADHD患者ならなおさら、余計なことをしてストレスを増やしている余裕はない。だから容器の使い勝手(UI)には妥協しないし、それなりに試行錯誤して自分に合う成分を見極めるようにしている。
その最低ラインをクリアしたコスメなら、あとは雰囲気で楽しく使っていけばいい。深く考える必要はない、どうせ大して効かないんだから。俺たちは雰囲気で美容をやっている。あ、成分を細々調べて比較検討するといった「実際的な」行動だって、わたしは「美容に気を使ってるっぽさ」や「プラシーボ効果」をなんとなく高めるための儀式だと思ってやっています。
ここは、そんな人間が運営しているブログです。
繰り返すが、美容はバイブスがすべてだ。今日も素敵なコスメを使って、日常に楽しみを加えよう。自分が心底いいと思うものだけに囲まれた暮らしをしよう。美意識を尖らせていこう。美意識は天与のインスピレーションではなく、後天的に育っていく筋肉だから、常に走らせておかないと錆びる。
美意識とは曰く説明し難い、個人的趣味の極北のようなもの。世界に一つしかない、真にわたしだけのもの。通り過ぎてきた人生の場面すべてによって培われたもの。つまりはわたしという人間そのものといえる。
美意識を解放せよ。おのれの選択を祝福せよ。これ以上の自己肯定はない。
まずは、基礎化粧品ひとつとっても「なんとなく」チョイスするのをやめて、生活の隅々にまで俺の考えた最強の美を漲らせていくことからはじめていきたい。
“ああ生きにくい世の中でも神様はちゃんと居て
あたしを見ていてくれる
人と違うけどこれが好きって言えるもの
あたしの血となり肉となる
この手で選んだの”
今日もわたしはスキンケアをする。
自分の意志で選んだ液体を、おのれの手で、おのれの身体に塗り込める。皮膚を通じて、魂そのものを慰撫する。
毎日、自分で自分を大切にすることを許してやる。殺されていた自尊心が少しずつ回復していくのがわかる。
敏感肌ADHDの人生は、今日も穏やかに続いていく。
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2019年も相変わらず、たまにPIERROTを聴いては黄昏ている。リアルなティーンエイジャーの頃は、PIERROTのような等身大の稚気はむしろカッコ悪く、バカっぽく感じられたものだが、”バケの皮脱ぎ捨て気持ちよくなっちゃ” うことの難しさは今でこそよくわかる。同調圧力は発達障害者を殺すもののひとつだ。いつも心にPIERROTを。社会の一員として責任ある振る舞いをすることと、同調圧力に屈しない・加担しないことは両立できるから。