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#文学フリマ東京37 で買った本のメモ #文学フリマで買った本

 

 

 

2023年11月11日に開催された第37回文学フリマ東京で買った本を記録します。

 

 

 

 

買った本

1.山本ぽてと『踊れないガール』

 

内地ではあるがあらゆるランキングで最下位争いをしている地方の出身者であり、「踊る」ことも(ついでにガールであることも)できなかった人間として興味を惹かれた。山本ぽてとさんはコスメを「呉樹買い」しているとお声がけくださり思いがけず嬉しかったです。

 

 

 

2.栗生陸『〆切を守れない編集者』

 

発達障害という「属性」を意識的に引き受けた語りには常に興味がある。日本国憲法前文ブックマーカーもいただきました。かっこいい。

 

 

3.藤井佯『鳩のおとむらい 鳩ほがらかアンソロジー』『鳩造りの工程』

 

鳩をテーマにした豪華執筆陣のアンソロジー。小林坩堝さんが考案しわたしがまとめ記事にした謎ハッシュタグ #ドバトの首色ネイル に言及があって笑った。

 

 

 

 

4.LOCUST『継続のためのトレイントーク(共喰い的制作考)』

 

コンテンツは休刊・廃刊したのに、外野から目に見える場所での揉め事は発生しておらず解散もしていない(これがどれほど凄いことか集団での制作経験がある人はわかると思う)言論集団LOCUSTによる対話篇。noteの媒体特性論の項目がとくに気になる。

 

 

5.石垣慧『声を灯すZINE BEACON vol.3』

 

主に依田那美紀さんの文章を目当てに購入。依田さんは個人的に最も尊敬するフェミニストの一人である。

 

 

6.てぱとら委員会『私たちの中学お受験フェミニズム』

 

2000年代後半に私立中学受験をした当事者たちが、過去の「お受験」をフェミニズムの視点から振り返ったもの。わたしもまさに2000年代後半に私立中学受験を経験したフェミニストであり、読むべきだと感じた。

 

私たちが歩んできたお受験街道は、ジェンダー不均衡な道のりでした。その凸凹には減点のような作為によって生じたものもありますし、歴史的経緯から一方の道が整備されないままであることに誰も声を上げないでいるものもあります。

 

(出典:はじめに)

 

 

7.水上文『永遠だ、海と溶け合う太陽だ。』『クィアのトロント旅行記』

 

寄稿させていただいた『われらはすでに共にある 反トランス差別ブックレット』でお世話になった水上文さんの個人誌。

 

 

 

 

 

8.小澤みゆき『ふたつのお金』

 

ゆくゆく必要になる気がして確保。

 

 

9.朱野帰子『急な「売れ」に備える作家のためのサバイバル読本』『キーボードなんて何でもいいと思ってた』

 

売れが発生してほしいので今から備えるべく確保。キーボード本は、先生(同居人)が疲れにくいキーボードに一家言ある人なので情報シェアしたく購入。

 

 

 

 

10.『Z世代のフツウ』編集部『Z世代の「フツウ」vol.1 文化──サブスク・推し・SNS』

 

ネットの文化に興味がある人間として確保。わたし自身はZ世代に帰属意識はないのだが、一応ギリギリ世代なのでZ世代割引で購入することができた。ありがとうございます。

 

 

11.大阪大学感傷マゾ研究会『青春ヘラver.8 「シティダーク/アンダーグラウンド」』

 

過去号も何冊か購入したことがある。「メンヘラ」文化には常に興味があるが、ネット上のそれはあまりにも脆く繊細なので、紙の文章でアーカイブしてくれるのはありがたい。

 

 

12.サークルクラッシュ同好会『サークルクラッシュ同好会 会誌Vol.12』

 

こちらも「メンヘラ」文化のアーカイブとして確保。目次からは「性的同意と性交の天皇制理論」が気になる。

 

 

13.も~~っと!文芸部『インターネットミーム合同』

 

精度の低い自動字幕が残した最も美しい一片の詩であるところの「成長するものと生きるもの いつも美しさで終わるもの」が表紙にあって、感涙……(ミーム的誇張表現)。

 

 

14.嫌働舎『働きたくない Vol.3』

 

わたしも働きたくないので。

 

 

15.もひもひ『男でも最低限知っておきたい化粧の教養』

 

男性美容について書きたい人間として確保。

 

 

16.湯川卓海・押田一平・矢口泰介『無名の男性労働者三人による往復書簡』

 

現地で偶然見つけた本。そこはかとないしゃらくささも含めて最高のタイトルじゃないですか? これだよ、こういうのが読みたくて文フリに通ってンだよ。

Xには情報がなく詳細不明。

 

 

17.反動的文學集団ROSEBUD『砂時計の誤謬 歴史改変SFアンソロジー』

 

前回はナチスBLという挑戦的なテーマで目を引いたサークルの新刊。

 

 

18.ねじまわし『ねじまわし 第七号』

 

主に青本瑞季さんの論考を目当てに購入。

 

 

19.上坂あゆ美・中村雪生『人生談話室』、中村雪生『生きてることのもっとも良いことは生きてる人に会えることかも』

 

中村雪生さんとは4年半前に一度お会いしたっきりな気がするんですけど、今回偶然目が合ってお互い気づいて面白かったです。無配のペーパーだけもう読んだのですが、お断りとしての「命への暴力のこと」という表現が心に残っている。

上坂あゆ美さんの短歌については、魅力的ではあるが人種差別・性差別を明確に含む──差別感情こそが歌に凄みを与え、魅力となっている──ある歌が歌集に収録されたことを、差別意識のあった過去をなかったことにせず認めて生きていくため・そのような生の過程を芸術表現とするためという意図は拝読しつつも、批判したい立場です。歌集は未読なので、追記・注釈の有無は把握しないままこれを書いていますが、追記があったとしても。

 

 

 

 

 

イベント感想

 

文フリ東京は年々規模が大きくなり、ぶらぶら歩き回ってセレンディピティを楽しむといった呑気な遊び方をする場所ではなくなりつつある。わたしは東京にアクセスできる者の特権として半ば社交の場と割り切って久しい。しかし今回は配置が改善されたのか通路が広くなっており、前回よりは落ち着いて見て回ることができた。次々回からは東京ビッグサイトで入場有料になるとのことで、一つの境目を見る思い。

 

なお、文フリに行くときは毎年帰りがけにフォロワーのブースを巡回して、釣銭が足りないようならわたしの余った小銭で両替することを申し出ているのですが、今のところ実際に両替に至ったことはありません。わたしのフォロワーさんならオッチョコチョイ率高めだろうと思っていたんですが、本を出すようなフォロワーさんは普通に事務処理能力が高くて釣銭を切らすような事態にはならないのかもしれない。

 

入場無料のラストである来年5月は、初めての出店も検討している。