1.似合わないってなあに
どうも、着道楽です。
着道楽なので服には人一倍リソースを注いでおり、人並み以上にいろいろな種類の服を着てきた。その経験から確実に言えるのは、ある服が似合わないという事態が意味するのはただその服が似合わないというだけのことで、着用者のいかなる価値をも毀損しないということだ。つまり、ある服が似合わなかったからといってそれはあなたが悪いわけではなく、単なるミスマッチングに過ぎない。いかなる価値をも毀損しないとは、外見的価値すらもそうだと思っている。たとえば今の社会では美貌であることに価値が置かれているが、個人的には、服が似合わないと感じられる原因が「不細工だから」であるケースは、世間で思われているよりもずっと少ないと感じる。服は顔面だけで着るものではないのだから当然である。似合わないと感じる原因は多くの場合もっとほかにあり、中には持って生まれた容貌とは違って工夫次第で改善可能なものもある。よりイケてる感じになりたいと望むのなら、「不細工だから」で思考停止せず勇気を出して試行錯誤してみる価値は十分にある。もちろんこの考え方ならではの苦しさもあるのだが(課題の「棚上げ」を許さず、自己努力の領域に「棚下ろし」をさせる考え方なので。それは時には「不細工だから」以上の自責要因となる)。
要はなにが言いたいかというと、今回わたしが自分の服に関して「似合わない」と言っているのは自虐や予防線ではないということです。わたしが「この服は呉樹に似合わない」と言うとき、それは本当にただ似合わないと思っているだけのことで、ピーマンが苦手なのと変わらない、単なる現象だ。もちろん、「ピーマンが苦手なんて子どもっぽい」などとネガティブなジャッジに接続することは可能ではあるが、それは理屈と膏薬はどこにでもつくというだけの話で、一考にも値しない。
あ、だからといって他人に、単なる現象と称して「その服似合わないね」とか言ったりは絶対しませんよ。上記のような「似合わない」の使い方は、わたしみたいな服に取り憑かれたマッチョなおたくの内輪の語法である。自分だけにしか使わないし、自分に使うにしてもオフラインの場では基本使わない(「そんなことないよ」などと気を遣わせてしまうから)。このブログはオンラインの、わたしだけの一人語りの場なので、使っちゃいます。以上、長い長い前置き。
2.似合わないワンピースを着こなそう
さて本題である。今日の着道楽日記は、似合わないワンピースを似合わせてみた話です。
似合わないワンピースとはこちら。

ヴィンテージのアフリカンバティックのワンピースである。オンラインの古着屋で見つけた。ちょっと値段を失念したが2万円台だったかな。
過去記事で紹介したアフリカンジュエリーを買って以来、アフリカ関係の服飾に興味を持っているので購入した。
バティック(batik)とは蝋を用いて染色した柄布であり、アフリカの産物としてよく知られている。ただ、アフリカと結びつけられるようになった裏には植民地化や貿易事情が絡んだ複雑な経緯があり、アフリカの伝統的な布であるとだけ紹介するのは厳密に言うとやや語弊があるようだ。この点に関しては今回は本題ではないので触れない。
わたしは派手な大柄が好きかつ似合うので、アフリカンバティックの力強さに惹かれて買ったが、服としてはわたしに合わない要素があるのもわかっていた。
まず、ポケットがない。似合う似合わない以前にこれはわたしにとって大問題である。
解決策▶リフォームショップでポケットを追加する
洋服のお直し屋さんに持ち込んでポケットをつけてもらった。その様子は過去記事でもレポした。

次に、肩の露出度が高い。わたしは肩にせよ足にせよ肌を露出するスタイルが似合わないのであまりやりたくない。しかし袖が華やかなフレアスリーブになっているのがこのワンピースのいいところなので、アウターを羽織って隠すわけにはいかない。そもそもアウターを合わせるとせっかくのオフショルなのに真夏に着られない。
解決策▶爪先を露出してバランスを取る
ペディキュアが覗くサンダルにしてフェミニンさ・軽さをプラスしてバランスを取ることにした。わたしは基本的には重めのマニッシュな靴が好きだが、このワンピースにはミスマッチであると判断した。
手持ちの靴の中で最大限重たくないのはダイアナのサンダルだった。当ブログ初登場は2019年の古株です。白色の革が軽やかだが、最近薄汚れてきたのが懸念事項。

加えて、丈が短い。わたしはボトムスならロング丈のほうが圧倒的に似合うと思っているので、このワンピースは短すぎる。
解決策▶ロングスカートを重ねる
ワンピースにさらにスカートを重ねる着方はここ数年で普及してきた気がする。手持ちには合いそうなスカートがなかったので新しく買い足した。アンティカで2970円。

珍しい、プチプラ&ポケットつきのマーメイドスカート! カラバリも豊富。
— 呉樹直己 (@GJOshpink) 2024年6月25日
antiqua(アンティカ)はポケットの有無が商品説明に記載されていることが多い貴重なブランド。楽天でも取扱有。#ポケットのある服https://t.co/izvrohB8yK pic.twitter.com/iYhBaufJ8V
ポリエステル素材にしてはシワが目立つが、重ね着用途で使う予定なのでとりあえずはよしとする。プチプラなので仕方がない。
着こなすにあたっては、以上の解決策を用いた。
まずは普通に着てみたのがこちら。

家の姿見では全身が映らないが、膝下は素足。
べつに悪かあないだろうが、自分のことなので、本気を出せばもっとイケるだろと思ってしまう。
上記の解決策を取り入れたのがこちらである。

まあ好みの範疇かもしれないが、こっちのほうがいいとわたしは思いました。たまたま赤色のペディキュアをしていたのもよかった。
服に要素が多いので、わたしには珍しくピアスはごく小ぶりのフープで、ネックレスやバングルはなし。指輪はトルコ製のハンドクラフトを主役にした。

欠点は暑いことだ。重ね着しているので、オフショルの見た目ほど涼しくはない。でもデザインは完全に真夏の強烈な太陽が似合うので、真夏に着るしかない。
諸々のデメリットを考えたら、アフリカンクローズに興味がない時期だったらこのワンピースは買わなかったかもしれない。今の時期だからこそ買ったんだと思う。マイブームに浮かれて散財するとあとで後悔するが、たまにはいいだろう。
以上、今日の着道楽日記でした。