カフェという施設に求める機能は人それぞれ違うことと思うが、精神疾患を抱えつつ都市生活を送るわたしが求めているのは、人混みに疲弊したときにゆっくり腰を下ろしてクールダウンできる場所としての機能だけだ。つまり、並ばずに入店できて、暑さ寒さをしのげる空調があり、時間を気にせず座っていられる椅子があればそれでよい。フォトジェニックなインテリアも、こだわりのブレンドコーヒーも、センスのいい店員とのコミュニケーションも不要だ。この記事では、そんなわたしの目線から、東京都においても一際混雑している街・渋谷のおすすめカフェや休憩スペースを5つ紹介する。渋谷駅からのアクセスや混雑度合いや価格帯には触れるが、飲食物の味はどうでもいいので触れていない。カフェに求める機能がわたしと似ている人はぜひ参考にしてください。
なお、大前提として、どのカフェ/休憩スペースも非常に入りやすい雰囲気である。ギャラリー併設で、身内のクリエイターが作った雑貨やZINEが置いてあって、ポ●イから飛び出してきたような風貌の常連客とスタッフが一生内輪でお喋りしていて、身内以外が来店すると無言の圧をかけてくるような、稀によくあるエクスクルーシブなカフェではないので安心してほしい。もちろんこの手のカフェに罪はなく、わたし個人がカフェに求める機能は満たしていないというだけの話である。目的ごとに使い分けていきましょう。
1.カフェミヤマ 渋谷東口駅前店
渋谷駅 徒歩4分
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まず間違いないのはカフェミヤマだ。休日の渋谷は、場所がわかりやすいチェーンのカフェや、商業施設内のカフェや、目につきやすい大通りに面した1階のカフェはまず満杯である。行列に並んでやっと入店できたとしても滞在時間制限があったりする(多くの場合90分、短いところだと60分)。その点カフェミヤマは、渋谷東口駅前店・次に紹介する渋谷センター街店ともに1階ではなく、メインストリートからも絶妙に離れているので、並ばずに入店できる。少なくともわたしは、休日のカフェタイムでも一度も並んだことがない。滞在時間制限もない。
渋谷東口駅前店は、渋谷駅からは連絡通路と歩道橋を使って上からアクセスできる。商業施設が並ぶスクランブ交差点方面からは離れた地下1階にあるからか、店内はあまり混雑しておらず、いつも静か。全席テーブルで、椅子もふかふかしている。お洒落なカフェにありがちな、狭くて硬くて高すぎるスツールではない。
ルノアール系列のチェーン店であり、オペレーションはチェーン店らしく洗練されている。価格はブレンドコーヒー1杯・アイスティー1杯670円とごくごく常識的。
Wi-Fiがあり、席によっては電源もある。分煙式で、喫煙席はガラス戸で密閉されているので煙草が苦手な人もOK。とりたてて特色があるわけではないが、腰を下ろせる場所としては文句なし。朝早くから夜遅くまで営業しており、一人で休憩するのにも、友達と会うにも、ビジネス用途にもマッチするだろう。迷ったらここをおすすめする。
Cafe Miyama 渋谷東口駅前
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-19-1 渋谷オミビルB1
JR 渋谷駅 東口より徒歩4分、地下鉄 渋谷駅 C2出口より徒歩2分
渋谷ストリーム横
営業時間 月-土 7:30-22:00、日祝 9:00-22:00
電話番号 03-3498-1324
公式サイト
2.カフェミヤマ 渋谷センター街店
渋谷駅 徒歩1分
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カフェミヤマはセンター街にもある。こちらも、一番大きい通りからは外れた場所にあるからか空いている。とはいえ細いディープな路地を行かされたりはしないので、場所はわかりやすいほうだと思う。渋谷の路地裏は、タトゥーにピアスのイケイケな人たちが路上飲酒したりスケボーしたりしてて、ストリートカルチャーが規範を浸食するのは多いに結構ではあるのだが、慣れない人にはちょっと怖かったりするからね。
渋谷東口駅前店と同じく、ふかふかの椅子かソファーに時間制限なしで座っていられる。渋谷東口駅前店と違って、紙巻煙草OKブースはないので喫煙者は注意。
Cafe Miyama 渋谷センター街店
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町25-3 プリンスビル2F
JR 渋谷駅 ハチ公口より徒歩1分
センター街中程右手
営業時間 全日8:00-22:00
電話番号 03-3463-0452
公式サイト
3.トップス 渋谷店
渋谷駅 徒歩5分
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こちらのカフェはX(Twitter)のフォロワーさんに教えていただきました。ありがとうございます。
トップスは西武百貨店の渋谷店の5階にある。渋谷駅近郊の商業施設はどこも混雑しているが、西武渋谷はなぜか空いている。ハイブランド趣味の客はスクランブルスクエアに、文化的なものを求める客はパルコに絶妙に吸われてしまうからかもしれない。わたしが休日に訪れたときは、3分ほど並んだがすぐ入店できた。待つ用の椅子もたくさん用意されている。
西武渋谷の大きなビルを目指せばよいのでアクセスは簡単。椅子かソファーに座れる。テーブルが大きめで狭苦しくない。Wi-Fiや電源はなし。
食事利用もカフェ利用もできる。価格帯はコーヒー1杯とアイスティー1杯が737円、ケーキセットが1430円。席数が多いからか、百貨店のカフェにしてはあまり静かでない印象だが、チェーンの慌ただしいカフェよりは十分くつろげる。
Tops 渋谷店
〒150-8330 東京都渋谷区宇田川町21-1 西武渋谷店A館5F
JR 渋谷駅 ハチ公改札より徒歩3分
東急 東横線・田園都市線、東京メトロ 半蔵門線・副都心線 A6-C出口より徒歩1分(地下通路(渋谷ちかみち)経由)
東京メトロ 銀座線 スクランブルスクエア方面改札より徒歩6分
京王 井の頭線 中央改札より徒歩3分
営業時間 10:00-20:00
電話番号 03-3496-0143
公式サイト
4.西武渋谷M2階 シーティングスペース
渋谷駅 徒歩5分
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カフェではなく無料休憩スペースである。フォロワーさんに教えていただきました。ありがとうございます。
西武渋谷のM2階には、シーティングスペースという誰でも座っていいソファーがある。通常、大型商業施設の誰でも椅子は疲れ切ったお父さんたちで埋まっていることが多いが、ここは空いている。先述したように西武渋谷自体が渋谷のど真ん中にしては閑散としている上に、M2階というちょっとわかりにくい場所にあるからだろう。
M2階とは、A館の1階と2階の間のフロアである。
1階からは、直通の専用エスカレーターでアクセスできる。1階のインフォメーションカウンターの隣に、M2階行き専用エスカレーターがある。
1階にはもう一つエスカレーターがあるが、こちらはM2階をすっ飛ばして2階に行ってしまうので注意。2階に行ってしまった場合は、階段を使って降りるとよい。
たいした距離ではないので、1階から階段を使うのもいいだろう。
M2フロアのフロアマップはこちら。シーティングスペースはネイルサロンの前にある。
背もたれのあるソファが5つほど並んでいる。ソファとソファの間隔が広いのでパーソナルスペースが確保されている。
M2フロアは場所がわかりにくいからか、西武渋谷の中でもとりわけ人通りが少ない。無料で座っていていい場所としては相当落ち着ける。おすすめです。「消費」を急かされずに腰を下ろせる場所は、わたしのような易疲労性のある精神障害者にとっては重要なオアシスである。都市におけるこの手のバッファのようなスペースは、近年は減少傾向にある。世知辛いことだ。
なお、商業施設内の無料椅子は公共施設としての性質もあるとはいえ、買い物客以外に「ライフハック」的に利用を促すことには賛否があるかもしれない。しかし、この小規模なブログで紹介したところで迷惑にはならないだろうと判断して紹介した。シーティングスペースと銘打ってあるわけだし、適宜譲りあって堂々と使わせてもらえばよい。
西武渋谷M2階 シーティングスペース
〒150-8330 東京都渋谷区宇田川町21-1 西武渋谷店A館M2F
JR 渋谷駅 ハチ公改札より徒歩3分
東急 東横線・田園都市線、東京メトロ 半蔵門線・副都心線 A6-C出口より徒歩1分(地下通路(渋谷ちかみち)経由)
東京メトロ 銀座線 スクランブルスクエア方面改札より徒歩6分
京王 井の頭線 中央改札より徒歩3分
各種情報は西武渋谷に準ずる
営業時間 10:00-20:00
西武渋谷公式サイト
5.春水堂 渋谷マークシティ店
渋谷駅直結
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すみません、カフェとしては穴場でもなんでもないのだが、紹介させてください。
春水堂(チュンスイタン)は台湾発のカフェチェーンで、タピオカミルクティーの専門店である。タピオカミルクティーは数年前の社会現象級のブームは去ったとはいえ、今でもティーンエイジャーには人気であり、店舗はどこもそこそこ混んでいる。この春水堂渋谷マークシティ店も、席数が多いのでさほど並ぶことはないが、あまり静かな雰囲気ではない。それでもあえて紹介するのは、タピオカミルクティーという飲み物が疲労回復効果が高いからである。
個人的にタピオカミルクティーはほどほどに好きだったが、フォロワーさんが「タピオカミルクティーは実質砂糖入りのうどん」と評してらっしゃるのを見てからは、都心で疲れたときには意識的に摂取するようになった。
タピオカミルクティーは実質砂糖入りのうどん カロリーが足りてないが忙しい時に吸うもの
— おろかドッグ (@inu06) 2023年4月15日
仕入れで大量の店を一気に周回する時とか途中で吸うと頭が回って咀嚼で目が覚めるので最適
言われてみればタピオカミルクティーは、大量の糖分とほどほどのカフェインと咀嚼感で頭をしゃきっとさせてくれるではないか。わたしは服用している向精神薬の副作用で日中は食欲がないことが多いので、出先で無理に固形物を摂取するよりは、口当たりのいい飲み物を吸い込むほうが精神的に楽なのもあって、タピオカミルクティーには何度もお世話になっている。
タピオカミルクティー専門店は2019年前後の大ブームのころに雨後の筍のように乱立したが、今となっては撤退しているところも多い。インスタやまとめサイトで見て訪ねていったら閉店していたりするので、お店探しは地味に手間であるため、春水堂のような大手チェーンに頼るのが簡単だ。渋谷マークシティ店は、渋谷駅直結の渋谷マークシティの4階にある。駅直結施設なのでさほど静かではないが、照明が明るすぎないのがいい。Wi-Fi・電源席あり。メニューは、一番シンプルなタピオカミルクティーが650円。
都心で疲れたときに手っ取り早く糖分をぶっこむためのタピオカミルクティー、ぜひ試してみてください。生活習慣病にならぬよう、常飲には注意。
ちなみに、タピオカミルクティー専門店の大手チェーンとしてはゴンチャ(Gong cha)も有名だが、渋谷の店舗はテイクアウトメインであり、イートイン席が激狭なのでおすすめしない。
春水堂 渋谷マークシティ店
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-3 渋谷マークシティ4F
JR・東京メトロ・東急 渋谷駅 京王井の頭線渋谷駅方面より直結
京王井の頭線 渋谷駅 中央口・アベニュー口・西口より直結
営業時間 月-木・日 9:99-22:30、金土 9:00-23:00
公式サイト
以上、渋谷のおすすめの座れる場所5選でした。
このブログでは、渋谷の穴場カフェ情報をこれからも収集していくつもりだ。わたしがカフェに求める機能が「時間を気にせず座っていられる場所」でしかないから、ググって出てくる「渋谷のおすすめカフェまとめ」みたいな記事にありがちな着目点(コーヒーが美味しい、お菓子が映える、内装にこだわっているなど)は大抵どうでもよく、役に立たない。欲しい記事がないなら自分で書くのがわたしのモットーである。皆さんのとっておきの穴場カフェもよければこっそり教えてください。
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2024年7月14日(日)・15日(月祝)に、夏のZINEまつりというフリマイベントに出店します! 会場は渋谷ヒカリエ。オリジナルステッカーをカンパ制にて販売し、売上はパレスチナ支援に寄付します。7月の渋谷は暑いですが、本記事で紹介したようなカフェスペースで適宜休憩しつつ、ぜひ遊びに来てください!
イベント詳細は過去記事からご確認ください。
出先で精神状態が悪くなったときに落ち着くための工夫まとめはこちらから。
都心で落ち着くための場所としての機能に注目したカフェ記録日記はこちら。