日焼け止めの話をする。
紫外線は肌にとって百害あって一利なしだ。モリッシーも “決して消えない光がある 決して消えない光があるのさ” と繰り返し歌っているが、あれはもちろん、一年中降り注いでいる紫外線のことを指している。There is a UV light that never goes out。日焼け止めは絶対に欠かせない。だが日焼け止めというやつは、基礎化粧品としては化粧水や乳液よりも使用感が悪い。塗ると肌が乾燥したり、ものによっては肌荒れしたり、液が服について汚れたりする。
毎日欠かさず継続するためには、スキンケア用品と同じ流れで気軽に使えるものを選ぶ必要がある。以下では、わたしが考える日焼け止め選びの条件や、おすすめの商品を紹介していきます。スプレータイプやパウダータイプ、スティックタイプの日焼け止めについても書いていく。
【2020.1.17 追記】記事タイトルを変更しました。
1.塗るタイプの日焼け止め
敏感肌ADHDのわたしは、以下のような条件で選ぶことにしている。
①ポンプ容器である
わたしが基礎化粧品に望む絶対条件、ポンプ容器。ポンプ容器であれば、片手ワンタッチで中身を出すことができる。ワンステップでアクセスできないものをADHDが継続するのは難しいと思ったほうがいいです。
ただし、鞄に入れる持ち歩き用の日焼け止めはその限りではない。持ち歩き用のはチューブ容器がおすすめだ。ポンプ容器の次に扱いやすいと思う。
②アルコールフリーである
アルコールに弱い敏感肌なので必須。
美容初心者の頃に使っていたニベアの日焼け止め。アルコール含有量が多く(成分表示では水の次に2番目に記載)、敏感肌のわたしはピリピリとした刺激を感じた。安価でどこでも売っててポンプ容器なので、肌が強い人には普通におすすめです。
ニベアサン プロテクトウォータージェル SPF35/PA+++ ポンプ 140g
- 出版社/メーカー: 花王
- 発売日: 2015/02/21
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
- この商品を含むブログを見る
公式サイト 花王株式会社 ニベアサン ウォータージェル SPF35 [ボトル]
③白浮きしない、服に付着しても白くならない
日焼け止めの有効成分のひとつである紫外線散乱剤は、酸化チタンや酸化亜鉛などの金属の粉であるので白色をしている。よって顔に塗ると舞妓さんのような白塗りになることがある(俗に「白浮き」と呼ばれる現象)。また、濃色の服につくと白っぽい汚れになる。わたしは黒色の服を好んで着るので、気兼ねなく塗るにはできるだけ白くならないものがいい。
気兼ねというものは侮れない。同時進行で別のことを気にかける、というのは一種のマルチタスクであり、ワーキングメモリが少ないADHDには大きな負担となる。毎日毎日日焼け止めを塗って、同時に服につかないように注意して生活するのは不可能と考えたほうがいい。
④クレンジング不要、洗顔料で落とせる
最近の日焼け止めは大抵どれも石鹸で落とせるが、たまに、メイク落としを使わねばならないものがあるので注意。風呂で身体を洗うというルーティンの延長線上で洗い流したいので石鹸落ちのものを選んでいる。わざわざクレンジングという工程を増やすのはADHDには不可能。ルーティンに組み込んでナンボだ。
⑤顔と身体どちらにも使える
こちらも、最近のものは大抵顔身体兼用できるが、一応注意。使い分けなんてできるわけがない、とにかく工程を増やしたくない。
⑥安価
⑦どこでも買える
いうまでもなく、継続使用するためには必須。塗るタイプの日焼け止めは減りが早いので、特定の店でしか買えない特別なブランドものではなく、ドラッグストアやバラエティショップで気軽に買い足せるものが望ましい。
以上、7つの条件で日焼け止めを選んでいる。SPFやPA値にはさほどこだわっていない。適性値には諸説がありますが、個人的にはSPFは30、PAは+++程度あれば十分だと思っている。日常使いにSPF50は必要ない派です。
その結果、普段使いの日焼け止めは以下の商品に落ち着いた。
公式サイト 紫外線予報 UVさらさらジェル | 石澤研究所 公式サイト
紫外線予報のUVさらさらジェル。250グラム1600円。
日常使いに適したSPF30・PA+++。無色素、無香料、ノンパラベン、ノンアルコール、ノンシリコン。
“塗ってすぐに服が着られる” を謳っているだけあって、服についてもほとんど汚れないのが素晴らしい。商品名の通りさらさらで皮膜感が少なく、快適に使い続けられる。無臭ではないが、ほのかな柑橘系の匂いなので個人的には許容範囲でした(上記の条件には入れなかったが、ADHDには感覚過敏の人が多いので、心当たりのある人は香りにも注意を払いましょう)。
欠点としては、さらさらということは裏を返せば汗で流れやすいということ。汗をかく季節にはこまめな塗り直しが要る。ウォータープルーフではないので夏のレジャーには当然向かない。
また、特別にマイナーな商品というわけではないが、大きめの薬局でないと置いていないことがある。コンビニにはない。PLAZA・ロフト・東急ハンズ・イオンでは見たことがある。
持ち運び用にはミニサイズのチューブを使っている。50グラム950円。
チューブがヒンジキャップ式(容器と蓋が分離せずにパカッと開くやつ)で、片手で開けられるのも最高だ。
片手でパカッ
ここ一年、日焼け止めはずっとこれである。夏も冬も使う。上記7つの条件に合う商品がこれしかないというわけではなく、いくつかの選択肢から一番使用感のよかったものを選びました。ほかに使ってきた中は、マミーのUVマイルドジェルNもよかった。若干べたつくのが欠点。ただしこちらは、街のドラッグストアでも見かけるので入手はしやすいです。おすすめ。100グラム900円。
公式サイト キスミー マミー|食品成分にこだわったUVシリーズ
真夏や、ずっと屋外にいる日・水に濡れる日だけ、別途ウォータープルーフのものを足している。
公式サイト マミー UVアクアミルク | キスミー マミー
マミーのUVアクアミルク。50グラム900円。
SPF50+・PA++++。無着色、無香料、防腐剤フリー、無鉱物油、アルコールフリーで低刺激処方。ちなみにこちらはヒンジキャップではなくスクリューキャップ。
わたしはインドア派なので、ウォータープルーフの日焼け止めは小ぶりのチューブ容器でワンシーズンもつ。日焼け止めの開封後の推奨使用期限は1年以下らしいので、ワンシーズンを過ぎたら使い切っていなくても買い替えるようにしている。
いくつかの塗る日焼け止めを渡り歩いてきたが、これらが現時点での最適解である。
2.スプレータイプの日焼け止め
スプレータイプの日焼け止めは、塗るタイプの日焼け止めを使いにくい髪や背中にも使えるのが便利だ。商品選びの条件は、塗るタイプの日焼け止めに求めているのと同じ基本の条件に加えて、容器がガススプレー缶ではないことだ。高圧ガス式のスプレー缶は、捨てるときにガス抜きをして資源ゴミに出さねばならないという大きなデメリットがあるので、日焼け止めに限らずなるべく買わないようにしています。前回の記事の後半でも触れたように、廃棄が面倒な製品を選ぶことは精神的コストの後払いだ。
ガススプレー缶ではない日焼け止めは非常に少ない。その中でわたしが選んでいるのは、上記の記事でも紹介したプライバシーのUVフェイスミストだ。
公式サイト プライバシー UVフェイスミスト 50 フォープラス|黒龍堂化粧品
40ミリリットル1000円。敏感肌でも使えるノンアルコール。ノンガスなので顔に直接噴射でき、普通のプラスチックごみとして捨てられる。ちなみにウォータープルーフではない。オーソドックスなガススプレー缶の日焼け止めに比べるとやや粒子が粗くてべたつくが、個人的には許容範囲です。
なお、ガススプレー缶ではない日焼け止めとして、ほかには無印良品の日焼け止めミストがあるが、個人的にはおすすめしない。ミストの粒子が非常に粗く、もはや単なる液体としてブシュッと飛び出てくるので、顔に直接噴射することはほぼ不可能です。テクスチャーも相当べたつくので、使っていてストレスになる。
▲エナジーゼリーとサイズ比較。鞄に常備しておくのにちょうどいい大きさです。
【補足】個人的に好きな美容系YouTuberの、 “コスメヲタちゃんねるサラ” さんが紹介していました。
3.パウダータイプの日焼け止め
パウダータイプの日焼け止めは、メイクをしているときにお直しを兼ねて上からはたくのに便利だ。商品によっては肌色補正効果も期待できる。
以下の条件で探すのがおすすめです。
①白浮きしない、毛穴に溜まらない
塗るタイプの日焼け止めと同じく、白浮きしないこと。そして、ベージュ色のパウダーにありがちなように、毛穴カバーどころか毛穴に溜まって肌が余計汚く見えてしまわないこと。
②クレンジング不要、洗顔料で落とせる
塗るタイプの日焼け止めと同じく、ルーティンの延長線上で落としたいのでクレンジング不要がいい。
③パフと鏡がついている
メイク直し用に持ち歩くことを考えると、パフと鏡つきのコンパクト容器が望ましい。
④プレストパウダーである
ADHDが粉タイプのコスメを買うなら、絶対にプレスト式をおすすめします。
粉もんコスメには、プレストとルースの2つのタイプがある。
◆プレストパウダー……固形に押し固めた形態の粉。チョークみたいなもん。
◆ルースパウダー……サラサラの粉末のままの形態の粉。
ルースパウダーはサラサラの粉末なので、すぐ舞ったり飛び散ったりする。日焼け止めは必ず持ち歩くものなので、ポーチや手指を汚したくなければ、絶対にプレストパウダーを選ぶべし。
▼左がプレストパウダー、右がルースパウダー。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
4.スティックタイプの日焼け止め
最近増えているのが、太いバー状で、リップスティックのように繰り出して肌に直接塗りつけて使う日焼け止めです。スティックUV、手を汚さずに塗ることができるので、精神的コストが低い。液体ではないので肌の違和感が少なく、感覚過敏にも優しい。1本常備して鞄にでも入れておくと便利です。
詳しくは以下の記事を参照。
5.唇の日焼け止め
唇も、日焼けするとダメージを負います。日焼け止め効果つきのリップクリームで防御しよう。
詳しくは以下の記事を参照。
以上、ADHD的日焼け止めの選び方についてでした。2019年も引き続き、紫外線に打ち勝っていきます。
日焼け止めは冬でも使うべし。太陽は、凍える雲に覆われて知らん顔で燃えているから。
関連記事